ZIPANG OPERA『ZIPANGRIMM』の核心に迫る 支え合う関係性、三者三様の強みが起こした化学反応

 佐藤流司、福澤 侑、spiからなる音楽パフォーマンスユニット・ZIPANG OPERAが、6月24日に3rd EP『ZIPANGRIMM(読み:ジパングリム)』をリリースする。

 タイトルは“ZIPANG”と“グリム童話”の融合。今作よりspiが本格的にプロデュースに携わっている。楽曲ごとに違う物語があり、それらが集まってEP全体をひとつの世界として構想するという新たなアプローチの作品だ。

 CDリリースとして約7カ月ぶりとなる本EPについて、先行配信された「Kick It Down」と「Rainy Heart」を軸に、制作の裏側やボーカルの声の配置など3人のクリエイティブの核心に迫る。(小池直也)

それぞれのセンスが生きた『ZIPANG OPERA Live 2025 ~Ambition~』

――3rd EP『ZIPANGRIMM』の完成おめでとうございます。それについて、聴く前に本作の特典として映像が封入されるライブ『ZIPANG OPERA Live 2025 ~Ambition~』を振り返っていただけますか? 3人体制になって初の公演ということでした。

福澤 侑(以下、福澤):新体制ではありましたが、僕のなかではいつもと変わらずにZIPANG OPERAの持つパワーを出せたかなと。お客さんがどう反応するかは気になっていましたが、盛り上がってくれて嬉しかったですね。

spi:楽しかったです。特に「It's All Mine」は普段の3人のやりとりの感じを舞台上にそのまま乗せられたんじゃないかな。

佐藤流司(以下、佐藤):「Magnetic Eyes」に新しい振りが付いたんですよ。それが「まあまあ結構踊るな……」という感じで。でも、やっぱり踊れる人だから、一緒にやってて気持ちよかったです。

福澤:それぞれのセンスや見せ方を考えながら、ガチガチに決めずに、各々が見せたいパフォーマンスを発揮できたらいいなって考えながら振り付けました。

――セットリストや演出については?

spi:3人ともライブが好きな人たちなので、お客さんが飽きないようなセットリストにしたいと考えていました。

福澤:演出は僕がベースを作ったんですけど、それに「こうしたら面白いんじゃない?」とみんなで意見を出し合いましたね。

佐藤:制作面はふたりにおんぶに抱っこで、作ってもらったものに乗っかる部分が多いかなと思います。でも作ってもらったものを一生懸命表現する。今回もそれに徹した感じです。

spiがプロデュースに携わる意味

――それを経た『ZIPANGRIMM』、今回はspiさんがプロデュースに関わられたと聞きました。この制作について、まずはタイトルが気になっています。

spi:「ZIPANG」と『グリム童話』を合わせて『ZIPANGRIMM』。今回は「歌劇」に立ち返って、EP自体をストーリーとして、歌詞を全部それと絡めるという方向性がありました。“物語”と音楽をリンクさせ、かつ悲劇性みたいなものをZIPANG OPERAが背負うことで、共感が生まれて、孤独が消えるような作品にできたらと。それについて考えながら、出てきたアイデアが『グリム童話』でした。3人とも大人なのに童心があるし、クールな物語が似合う人たちだなと感じるんですよ。

――なるほど。

spi:日本の和の表現と、西洋のおとぎ話のダークさ、その教訓が混ざり合う。新しい現代の日本の童話みたいなものを曲の歌詞や世界観で作りたかったんです。歌詞自体は社会風刺だったりするので、これがライブでどう表現できるか……。やりがいのある作業ですね。

福澤 侑

――福澤さんは本作について「新しい挑戦」と表現されていました。

福澤:これから新しいものをさらに作らないといけません。ZIPANG OPERAと今一番向き合ってるのはspi兄だと思いますが、自分もZIPANG OPERAで新しい感情やアイデアを得ることが多くて。成長した自分にどの曲も刺さるんですよね。本作は僕ららしさもあるけど、そうじゃない部分も多いEPになるのかなと思ってます。

佐藤:spiくんがプロデュースに関わることで、フォーカスが明確になりましたね。

――以前のインタビューでも、spiさんがプロデューサー視点を持っていて、大きな視点で作品を考えているなと感じていました。今回は満を持しての機会だったのでは?

spi:周りから「やってみなよ」と声をかけてもらえて、という感じです。ものづくりにあたって「聴く前と後で人生が何か少し変わっていてほしい」とか、「少しでも影響を与えるものは何なのか?」という思想や問いがないと作れないタイプなんですよ。

 何を作るにしても心が伴わないと。そこで今回は制作からガッと入って、“種”を植えたイメージ。水はみんなにあげてもらって、どう育っていくかを剪定しながら「こうなったか」と見るみたいな。この“種”の共通認識を3人で共有できているのは大きいですね。「何がどう転んでも、このEPの原点はここだよね」と理解しあえている感じ。

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