『Mrs. GREEN APPLE presents “CEREMONY”』DAY2レポート 上白石萌音、FRUITS ZIPPER、ホルモン…越境する表現の凄み

ミセス『CEREMONY』DAY2レポート

「音楽は衣食住ではなく、エンタメのひとつの要素です。でも、音楽は自分にとって必要で、人生の彩りには欠かせない素晴らしいものだと思っています」

 6月10日、11日に神奈川・Kアリーナ横浜にて開催された『Mrs. GREEN APPLE presents “CEREMONY”』(以下、『CEREMONY』)。DAY2となる6月11日、大森元貴(Vo/Gt)は上記のようにスピーチで語った。

 昨年よりスタートしたMrs. GREEN APPLEによる新しいエンタテインメントメディア『CEREMONY』は「すべての音楽、カルチャーを讃え合う場所をつくりたい」という想いから立ち上げられたものだ。表現者は孤独だということ。だからこそ、せめて今日は繋がりを感じられたらという願いを打ち明けながら、昨年の初開催から数えて第3回目の『CEREMONY』が幕を開ける。音楽への愛を共有する人々が集う特別な時間が、この日も始まった。

CEREMONY ライブ写真

 前日の第2回に引き続き、司会を務めたのはサッシャと中条あやみ。会場の前方には円卓が並べられ、出演アーティストは他のアーティストのステージを鑑賞しつつ、転換中にはインタビューに答えていく。また、この日も高山莉加、Shigekixといった各界の著名人が来場し、吉田沙保里、立川志らく、入江陵介もプレゼンターとして登壇。それぞれが、自身の音楽に対する想いを語った。

 この日最初のプレゼンターは、Mrs. GREEN APPLEの藤澤涼架(Key)。「皆さん、素敵なお召し物ですね」と言って会場を見渡していたように、『CEREMONY』は音楽だけでなくファッションも含めた総合エンタテインメントの場であり、VIP SEAT来場者にはドレスコードが設けられている。この日のMrs. GREEN APPLEは『桃太郎』からインスピレーションを得たコスチュームをまとっており、大森が桃太郎、藤澤が鬼、そして若井滉斗(Gt)は犬/猿/キジの一人三役だという。「去年、そして昨日を経て感じるのは、出演するアーティストごとに生まれる空気感が全然違うこと。毎回、音楽をやっていてよかったと思える1日になります」と語った藤澤は、「楽しみ方がわからなくなったら、僕を見てください。今日、誰よりも楽しむ気で来ています!」と笑顔を見せた。

 トップバッターは上白石萌音。俳優や歌手とさまざまな表現をしている彼女にとって、『CEREMONY』の“ボーダレス”というコンセプトには救われる部分があるという。「なんでもないや(movie ver.)」で透明感あふれる歌声を響かせると、「懐かしい未来」では「一緒に歌ってください!」と呼びかけ、会場全体にシンガロングが生まれる。2024年に大森のソロ楽曲をもとにした絵本『メメント・モリ』が朗読劇となり、その際に出演したのが上白石だったが、ラストはその「メメント・モリ」をカバー。感謝と愛情に満ちたパフォーマンスを終えると、上白石が円卓の大森へ拍手を送り、大森も笑顔で拍手を返す。『CEREMONY』という場所の意味を強調するワンシーンだった。

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 ネクライトーキーは「北上のススメ」のキャッチーなメロディと個性的なバンドサウンドで観客を引き込み、「オシャレ大作戦」ではさらに勢いを加速。MCでもっさ(Vo/Gt)は約3年前のMrs. GREEN APPLEとの対バン(『Mrs. TAIBAN LIVE』)に触れながら「成長した姿を見せられたと思う」と語りつつ、多彩なアーティストが集う場に対して「根っこは同じだから、共鳴できるはず」と熱い想いをぶつけた。ラストはリリース前の新曲「余計なこと」を披露。もっさの力強い歌声と、5人のエネルギッシュな演奏が強烈な余韻を残す。ジャンルやスタイルの違いを超えて、音楽への情熱で繋がる空気がたしかに広がっていた。

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 バンド編成で登場したサカグチアミは、「好-じょし-」で一気にオーディエンスの心を掴んでいく。アーティスト名の表記を変更した際にリリースした「名前」では、自身の歩みを重ねるように感情をこめて歌い上げた。音楽を始めた際にMrs. GREEN APPLEの楽曲をカバーしてSNSに投稿していたことなどを振り返りながら、最後に披露したのは未音源化の楽曲「裸」。「なんでもない日でも、自分のことを称えてあげられたら」という想いが込められた楽曲を、ステージで1人、弾き語りで届ける。アコースティックギターの素朴な音色と等身大のメッセージが、静かに会場に響きわたっていた。

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 FRUITS ZIPPERは、「はちゃめちゃわちゃライフ!」から弾けるようなパフォーマンスを披露。「第1回から憧れていた場所です」と語った7人は、「ぱわーオブらぶ」でさらなるパワーを届けていく。ラストは彼女たちの代表曲「わたしの一番かわいいところ」へ。楽曲が始まった瞬間、大森が立ち上がって踊り始めたかと思えば、終盤でステージを降りて円卓の側で歌い踊るFRUITS ZIPPERの7人に藤澤が合流し、最後は8人で決めポーズ。アーティスト同士が一緒になってステージを楽しみ、こうした微笑ましい交流が自然に生まれるのも『CEREMONY』ならではだろう。

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 「すべての音楽にリスペクトを送り合える場でありたい」という『CEREMONY』に込められたメッセージは、多種多様な出演者のラインナップからも感じられる。そしてこの日、心を動かす音楽にジャンルや形態は関係ないことを強く示してみせたのが、マキシマム ザ ホルモンだ。本人たちもオファーに驚いたというが、「食べてみないとわからない。ボーダレスを食らう覚悟はできているか!」というナヲ(ドラムと女声と姉)の言葉の通り、「シミ」「maximum the hormone Ⅱ~これからの麺カタコッテリの話をしよう~」と、持ち前の轟音とキャッチーなメロディラインで初見のオーディエンスも一気に引き込んでいく。ライブでお馴染みの“恋のおまじない”を全員で行ったのち、「恋のメガラバ(CEREMONY edit)」では圧倒的な熱量で場を完全に掌握。中学生の頃からファンだという若井をはじめ、アーティストもオーディエンスも思い思いに体を揺らして頭を振って盛り上がる一幕となった。

CEREMONY ライブ写真
(撮影=齋藤タカヒロ)
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(撮影=齋藤タカヒロ)
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(撮影=齋藤タカヒロ)

 TWSのステージは、「この会場で初めて僕たちを見る方々への挨拶にぴったりな曲です」と紹介した「はじめまして」で幕開け。タイトルの通り、オーディエンス一人ひとりに呼びかけるような爽やかなパフォーマンスで一気に彼らの世界へと引き込んだ。続く「You, You」では軽快なビートに乗せてエネルギッシュな歌とダンスを披露。さらに、サビの歌詞に合わせて肩をお茶目に振る“アンタルチャレンジ”が話題を集めた「OVERDRIVE」では、事前にレクチャーしていた振り付けにオーディエンスや出演アーティストも参加。彼ららしい、フレッシュな魅力と親しみやすさを兼ね備えたステージだった。

CEREMONY ライブ写真
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 そして今年の『CEREMONY』を締め括る、Mrs. GREEN APPLEのステージへ。2日間の想いをぶつけるように「ANTENNA」で瑞々しいバンドサウンドを打ち鳴らし、緑色の光に包まれたステージで大森は「愛してるよ!」と叫ぶ。日替わり曲の「クスシキ」を経て、「風と町」では優しく寄り添うような演奏を届けた。そして、「天国」。喜びや悲しみ、憎悪や弱さといった複雑な感情を抱えながら生きる人間の姿を描いたこの楽曲は、聴くたびに自分自身を見つめ直させる。それぞれの葛藤を抱えて生きていく人間らしさを肯定するような「天国」は、互いを認め合い讃え合う『CEREMONY』という場に新たな意味を与えていたようにも思う。ラストの「GOOD DAY」では2日間で最も大きなシンガロングが響きわたり、「もっと! もっと!」という大森の呼びかけに応えるように歌声はどんどん大きくなっていく。若井と藤澤も楽しそうに体を揺らしながら演奏し、出演アーティストたちも互いを讃えるように笑顔を交わしていた。

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 「フェスでも対バンでも授賞式でもない。そんな形を少しずつ体現できている気がして感無量です。本当に楽しかったです!」と2日間を振り返った大森。続いて語られたのは、「勝ち負けを決められるよりもすごく嬉しくて、悔しさを知ることができた。そんな『CEREMONY』になりました」という言葉だった。ランキングや賞など、形で表せるものはわかりやすい。だが、そういった名誉や功績は関係なく、音楽に触れていると勇気をもらえたり、前を向けたり、心を動かされる瞬間がある。それだけで、音楽は本当に素晴らしいものなのだ。

CEREMONY ライブ写真

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 表現の本質が映し出されたこの2日間、たくさんの歓声と拍手が会場を包んでいた。誰かの表現に胸を打たれ、その感動を言葉や行動で返すこと。『CEREMONY』が目指しているのは、そんなシンプルであたたかな繋がりなのかもしれない。2日間にわたって行われたエンタテインメントの祭典は、次の時代のエンタテインメントの可能性を照らすだけでなく、音楽が人と人を結びつける力もあらためて証明していた。

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