香取慎吾がマイケル・ジャクソンから“継承”したもの 10歳からの憧れ――背中を追い、夢を見せる側へ
香取慎吾が6月4日、都内で行われたマイケル・ジャクソンの伝記的映画『Michael/マイケル』(6月12日公開)のジャパンプレミアに登場した。レッドカーペットでマイクを向けられた香取は、「ずっとマイケルに憧れてここまでやってきたんですけど、マイケルが教えてくれた興奮とか感動をこの映画が呼び起こしてくれて。最ッ高ですよ!」と声を弾ませた。
楽しかったぁ〜
早くもう一度観に行きたい〜😍🕺🤩#映画マイケル pic.twitter.com/OCvkp1dM27— 香取 慎吾 (@ktrsngofficial) June 4, 2026
香取にとってマイケルは、憧れのスターであると同時に、自分がステージに立ち続ける理由を照らしてきた存在でもある。「1988年、日本でマイケルが東京ドーム公演をやった(とき)、10歳で観に行ってるんです。当時、最前列かな。そこからマイケル・ジャクソンへの思いが強くなり、自分もこういうふうにステージで踊ったりしたいって思いが」「そこから東京ドームで自分もライブをやるようになって」と出会いを振り返った。
その後、SMAPとしてデビューし、青春時代の多くをエンターテインメントに注いできた。マイケルの背中を追いかけ続けた少年はいつしか国民的スターと呼ばれる存在になる。そして、2006年。その憧れの人は、ついに目の前にやってくる。『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)にマイケルがサプライズで登場したのだ。「Beat It」の曲に合わせてスタジオの上方から姿を現したマイケルを、口を開けて目を見開き、「信じられない」といった表情で見つめていた香取を思い出す。
ついにマイケルが近づくと、香取は「うわああああ!」と声を上げ、思わず近くにいた木村拓哉にしがみつく。そうしていないと、立っていられないというほどの興奮具合だった。のちに香取は、2021年4月に放送された『7.2 新しい別の窓』#37(ABEMA)のなかで、「これまでの活動のなかでいちばんうれしかった瞬間は?」という問いにも「マイケル・ジャクソンに会った」と回答していたほどだ。
収録後には、マイケルの控室で一人ひとりと写真を撮り、CDにサインもしてもらったそう。「唯一それだけは家に飾ってる」とも。長い芸能活動のなかで、数多くの有名人とも会ってきた。たくさんの思い出を紡いできた。そんな香取が「いちばん」と聞かれて出てくるのは、やっぱりマイケル・ジャクソンなのだ。
レッドカーペットでは「マイケルね、会ってびっくりしたのが、僕より大きかった。握手してもらった手も、僕より大きい。だからかっこいいの!」と、自身が国民的アイドルでありながらも、ひとりのファンとして無邪気に語る姿が印象的に映った。
その憧れは今、マイケル本人との思い出にとどまらず、甥のジャファー・ジャクソン、妹のジャネット・ジャクソンへと広がっている。映画『Michael/マイケル』で主演を務めたジャファーに花束を渡し、「マイケル・ジャクソンを演じて歌った曲もたくさんあると思います。楽しかった曲はどれですか?」と質問するその姿には、かつてマイケルと対面したときと同じリスペクトが滲んでいた。そんな香取からの問いに、ジャファーが「いい質問ですね、ちょっと悩んじゃうんですけど、やっぱり『BAD』ですね」と答える。すると「『BAD』なんだー!」と実にピュアに反応を見せた香取。その愛らしいリアクションに、会場には自然と笑みが広がった。
マイケルに憧れた少年は、やがて自分も歌い、踊り、観客に夢を見せる側になった。SMAPとして東京ドームに立ったとき、ステージに手をついて「マイケル、やっとここまで来たよ」と語りかけたという。そして、SMAPとしての活動を終えるとき、また「1回(ステージを)下りるね」と報告したと、自身のソロコンサートのMCで語っていた。アーティストとして立ち続ける、そして大きな岐路を前にしても歩み続ける。その精神的支柱にいつもマイケルがいたのだ。その歩みを、私たちはテレビやコンサート、そしてソロとしての再出発の場面で見てきた。だからこそ、ジャファーに花束を渡す香取の姿には、単なるゲスト以上の意味があったように思う。
稲垣吾郎、草彅剛とともに広げた新しい地図。しばらく距離のあった地上波の音楽番組に再び立った際には、草彅の口から「いつかまた東京ドームに」という言葉が飛び出したこともあった。それもまた夢で終わらないような気がするのは、香取がマイケルとの約束を果たし続けてきたからだろう。
そして今月13日、香取はジャネットの来日公演『JANET JACKSON JAPAN 2026』の横浜公演にオープニングアクトとして出演する。5月31日オンエアのラジオ『ShinTsuyo POWER SPLASH』(bayfm)ではジャネットの「Rhythm Nation」をかけながら、「ジャネット・ジャクソンのライブにオープニングアクトとして香取慎吾が出ます」とあらためて報告した。
SMAPコンサートのライブに続き、自らのソロステージでもライブ演出をしている香取は、オープニングアクトとして披露する30分のステージも自らの手で作り上げるという。「お話を聞いた瞬間から考えて、ワクワクしてますよ!」と、新たな挑戦に意気込む姿は、経験豊富なスターでありながら、あの日の少年のような興奮を感じさせた。
人生には、思いがけない形で縁が巡ってくる、そんな運が味方をする瞬間がある。それも憧れを抱き続ける強さがあってこそ。10歳のころからリスペクトし続けたからこそ、日本のテレビ番組でマイケル本人と同じ空間を共有した数少ないアーティストのひとりとなった。その後もマイケルを胸に歩みを止めなかったからこそ、2006年の対面から20年のときを経て、ジャファーの言葉を引き出し、ジャネットの来日公演を盛り上げることになった。
マイケルから始まった憧れは、ジャファーへ、ジャネットへとつながりながら、香取慎吾というエンターテイナーを今も前へと進めている。そして、そのステージを見つめる多くの人の背中を、そっと押していく。単なる縁以上の“継承”を感じさせる香取の歩みは、それ自体がひとつのショーのように、これからも語り継がれていくのだ。