櫻坂46「Lonesome rabbit」の衝撃 MVとテレビ初披露で示した実力、引きの画で映えるダンス表現の奥行き

『CDTV』フルサイズ初披露、グループ全体に宿る美しい緊張感

 また、6月1日放送の『CDTVライブ!ライブ!』(TBS系)では、同曲がフルサイズでテレビ初披露された。MVでは映像の作り込みによって楽曲の世界観が見えてきたが、テレビパフォーマンスでは、メンバー一人ひとりの表情や身体の動きによって、そのメッセージがより生々しく伝わってきた。MVを観ていたBuddies(櫻坂46ファンの呼称)も実際のパフォーマンスとでは受ける印象は違って見えたのではないだろうか。

 冒頭から森田を中心に張り詰めた空気が作られ、少し不穏なムードが重なっていく。明るく跳ねるような曲調の奥にある孤独や焦りの感情がステージ上ではよりはっきり見えていた。

 サビでは、MV以上に“rabbit”を思わせる跳ねるような振り付けが目を引いた。さらに印象的だったのが、護身術を取り入れたような手の動きや、相手の攻撃を受け流すように身体を使う動きだ。腕を素早く回し、顔や身体の前で構えを作り、そこから一気に次の動きへ移る。孤独を冠したタイトルでありながら、ダンスには自分の身を守りながら前へ出ていくような力強さを感じられ、その迫力に圧倒された。

 また、『CDTV』のパフォーマンスで見えてきたのは、この振り付けが“引きの画”でこそ映えることだ。MVでは森田の表情やメンバーの細かな動きに視線が向かいやすいが、テレビパフォーマンスでは全体のフォーメーションや移動の流れもわかりやすかった。メンバーが横一列に広がったり、森田を中心にしてメンバーが中央へ手を伸ばすことで視線が集まる形を作ったり、そこから一気に隊列を変化させたりすることで、曲の中にある緊張感がグループ全体の動きとして伝わってくる。細かな手振りだけではなく、全員の配置や重心の揃い方まで含めて見た時に、「Lonesome rabbit」のダンスの面白さがよりはっきり見えた。

  近年の櫻坂46は、大きな会場でのライブやフェスで熱狂を生み出す一方で、楽曲ごとに繊細な感情の揺れも丁寧に表現してきた。「Lonesome rabbit」には、そうしたグループの持ち味がよく表れている。ステージでこそ映える強さと、一人ひとりの表情や動きから伝わる寂しさ。その両方を一つの楽曲の中で見せられるところに、現在の櫻坂46の充実ぶりがある。

 「Lonesome rabbit」は、森田の新しい表情を引き出すと同時に、櫻坂46がMUFGスタジアム(国立競技場)公演後に向かう表現を示す楽曲になっている。ライブで披露されるたびに、また違った見え方をしていく1曲になりそうだ。

 
 
 
 
 
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