asmi、ニューシングル『あわ』で示す進化と覚悟 Mrs. GREEN APPLEとの再共演、ツアーへの想いを語る

asmi、『あわ』で見せた進化と覚悟

「あわ」に込めた想い、「JUNK AND PONG」が開いた懐かしさ

――では、シングル『あわ』の3曲についてお話を伺っていきたいと思います。まず、タイトル曲の「あわ」について。これは⌘ハイノミさんが手がけた曲で、アニメ『レプリカだって、恋をする。』のエンディングですが、どんな気持ちで歌いましたか?

asmi:「あわ」に関しては、まず一番に⌘ハイノミさんが書いてくださった歌詞が大好きで。私自身もすごく共感することがたくさんあるし、配信リリースしたのが4月だったってこともあって、新生活の中で聴いてくださる方もいるんだろうなと思いながら歌いました。本当は一人ひとり個性があるのに、それぞれの形で自分を周囲に馴染ませて、なんとか乗り越えないといけない瞬間ってあると思うんです。でもそれは別に悪いことじゃない、っていうことも歌えたらなと思っていましたね。みんなの心に寄り添えますようにって思いながら。

――どちらかというと儚くて、切ない歌詞だと思うんです。でも、それを歌うasmiさんの声はその儚さを乗り越えるような力強さやエネルギーを持っているなと思って。そこがこの曲のポイントだと思ったんですよね。

asmi:そうですね。自分は結局“泡”みたいな存在なんだって思う瞬間はもちろんあるけど、「でも違うんだよ」っていう気持ちを込めたかったんです。だからレコーディングの時も、サビとかは地声を意識して、でも気持ちが揺れるところは裏声にするとか、そういう細かいところにもこだわりながら歌いました。ただ悲しい曲にしたいわけではなかったので、みんなの心の支えになるような芯は持っていたいと思いながら歌いました。

あわ - asmi (Official Music Video)

――この曲ではMVでダンスに挑戦されていましたね。

asmi:いやあ、めちゃめちゃ大変でした(笑)。私、運動神経が悪くてダンスも今まであんまりやってこなかったんで、結構チャレンジだったんです。でも一緒にダンスしてくださる方がすごく優しくて。雨が降ってるんですけど、想定していなかったし、傘を持つ予定もなかったんですよ。でも、当日雨だったので急遽持つことにして。そうやってみんなで作り上げていった感じがすごく楽しかったです。

――続いてリリースされた「JUNK AND PONG」はクボタカイさんとのコラボですが、やってみてどうでした?

asmi:めちゃめちゃ楽しかったです。クボタくんが歌ったデモをいただいた時に、もう「最高やん!」って。チームのみんなも「これは名曲じゃん」ってなったので、誰も違和感を持たずにどんどん進んでいきました。『bond』をリリースした時期、asmiの良さを言葉にしてもらう時に「気だるさがいい」みたいな言葉を使われることが多かったんですけど、自分はそんなふうには思っていなかったんです。でも今回「JUNK AND PONG」で、気だるい感じのAメロだったりとかを歌っていく中で、「あ、みんなこれを言ってたのか」って思う瞬間もあって。

 「東京タワー」も、音楽を始めたての時にお世話になってた人に聴いてもらったら「昔のasmiが戻ってきたみたいやな」って言われたんです。「JUNK AND PONG」も自分で歌っててちょっと懐かしいなって思うところがあるし、そういうターンなのかなって思うきっかけにもなりました。クボタくんが「asmiにこれを歌ってほしい」って思ってくれたのにもきっと理由があるんやろうし、めっちゃいい引き出し開けてもらったなと思います。

JUNK AND PONG - asmi (Official Music Video)

――韻を踏みまくるリリックとかはクボタカイらしいなと思うんですけど、一方でサビになった瞬間に「あ、asmiだな」と思うんですよね。そのコントラストが素晴らしいなって。

asmi:確かに。Aメロとかは昔の私みたいなテンション感ではあるけど、サビでシャキッとして意志の強い感じが出ていくのは今の私っぽいなって思います。

――クボタさんの書いた歌詞の内容にシンパシーを感じるところもありますか?

asmi:めっちゃあります。私はあんまり面倒くさがりな方じゃないんですけど……でも、〈超面倒なヘルシー〉っていう歌詞があるんですけど、私もヘルシーな食事を心がけたりとか、あんまり体に悪いものを取りすぎないようにとか、それを考えるのも面倒くさいって思うこともいっぱいあるんで。今の子は結構共感できる歌詞なんじゃないかなって思いますし、私も共感しながら歌ってます。

覚悟の実話、「東京タワー」で描くリアルな感情

――そして「東京タワー」。久しぶりの自作曲ですが、これがとても素晴らしい曲で。先ほどの話にあったように、昔のasmiが帰ってきた感じもする。でもそれだけじゃなくて、今のasmiもちゃんと出ているっていう、いい曲ができたなと思います。手応えはどうですか?

asmi:手応えはめちゃめちゃあります。だからこそ、いつリリースするかっていうのも結構悩みました。でも今回シングルを出すにあたって何を入れていこうとチームで話す中で、「今勝負したい3曲でいこう」って決めたので、「東京タワー」を3曲目に入れました。これは売れてほしいなって思います(笑)。

――では、結構前からあった曲なんですか?

asmi:書いたのは去年の秋ぐらいで、完成したのは最近です。弾き語りで書いたんですけど、誰にアレンジをお願いするかっていうので悩んでて。

――「東京タワー」のアレンジは花井諒さんですね。

asmi:はい。去年MAISONdesで韓国に行かせていただいた時に花井さんもバンドメンバーとしていらっしゃったんですけど、その時に「asmiちゃんの曲やりたい」って言ってくださって。絶対いつか“勝負”の時にお願いしようと思っていたので。「今や!」と思ってお願いしました。

――もちろん花井さんのアレンジも素晴らしいですけど、そもそもasmiさんの書いたメロディや歌詞がいいなと思うんです。asmiさん、今までもたくさん恋の歌は作ってきましたけど、それとこの「東京タワー」って何が違うと思います?

asmi:うーん、何が違うんだろう……今までは恋に対して手応えがある中で書いた曲が多かったなって思うんです。でもこれはめっちゃ片思いやし、それで言うと「破壊前夜のこと」にも近いのかもしれないですけど、でもちょっと大人にはなってるなって。うん、大人な恋の印象があるのかなと思います。

――そう。大人って言っちゃうと簡単なんですけど、この主人公は恋にやられすぎないというか、ちゃんと自分を持っている感じがする。強い人だなって思ったんです。

asmi:それで言うと、昔の曲とかは、もっと恋にのめり込んでしまったりとか、沼る感じを書いていたなと思うんですけど、最近は自分の恋愛スタイル的にもう沼ったりしないんで、私(笑)。でも本気で人を好きになるし、本気で好きになってほしいって思いながら行動するっていうタイプで。その自分の軸を曲げない、強い自分を表現したかったっていうのもありますね。

――それこそ「破壊前夜のこと」では〈叶わないなら滅んでまえ東京〉とまで歌っていましたからね。そういう意味では、強くなった今のasmiの姿がすごく出た曲なのかもしれない。

asmi:確かに(笑)。「東京タワー」っていうのは私にとってすごく特別な存在で。好きな本にも出てくるし、大阪から東京に通ってホテルに泊まりながら活動している時に、夜一人で見に行ったりもしてたんで。だから今回「東京タワー」っていう曲ができたのは、一つの区切りというか、自分の覚悟だなって思います。この歌詞はほとんど実話に近くて、それこそ歌い出しの〈別れ際ハイタッチ/かと思って伸ばした手を/一瞬ぎゅってされたから/頭から離れない〉っていうのもまんま実話なんです。で、その話を友達にした時に、その友達も「私もその経験がある」って話してて。そういうのに食らっちゃう人って結構おるんやと思って、「じゃあそのまま書こう」と思って書きました。

――「東京タワー」という曲名もそうだし、〈古着の匂い〉とか〈濃い緑ハイ〉とかのワードもすごくリアルで、たぶんasmiさんの記憶と強く結びついているんだろうなというのが伝わってきますね。

asmi:東京に来てから、具体的な経験をそのまま曲にしちゃうことがどんどん増えてきてて。たとえば「モナカ」とかも本当のことをそのまま曲にしたりしているんですけど、最近はそうやって書いていくことが多いですね。

――だからこそ、asmiさんの歌にも気持ちの動きがすごくリアルに出ている感じがする。花井さんのアレンジがすごくシンプルで歌を引き立てているというのもあると思うんですけど、「ここは不安なんだな」とか、「でもここで気持ちを切り替えて前を向いているんだな」というのがすごくよく伝わってきます。

asmi:ああ、めっちゃ嬉しいです。この曲、今座ってるソファーに座りながら書いたんです。〈とりあえず今日はソファの上で/連絡待ってるね〉っていう歌詞も泣きながらここで書いてたんで、それをそのまま歌にしました。レコーディングには花井さんも来てくださって、ここはもうちょっとこうしようとか、〈いつか私を好きになる〉っていう落ちサビの前のフレーズとかも、「おまじないみたいに囁き声も入れよう」とか話しながらやってたんですけど、そうやってそれぞれの場所によって気持ちのカラーが出てるのはよかったなと思います。

――そんな「東京タワー」という今のasmiさん自身を詰め込んだような曲と、音楽的にもいろいろな挑戦が詰め込まれた2曲とが集まって1枚のシングルになりました。3曲聴くことでasmiというアーティストがわかるような作品になりましたね。

asmi:はい。自己紹介みたいなシングルになったので、たくさんの人に届いてほしいなって思います。

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