Ringwanderung、『SYNCHRONICITY』は集大成であり挑戦の一枚に グループの武器、涙のレコーディングを語る
涙と葛藤のレコーディング、自分を磨いた“挑戦曲”とは?
――皆さんそれぞれの捉え方と言葉で表現していただき、ありがとうございました。ここからは、具体的に収録曲を深掘りしていきます。まずは、リードトラックの「アッチェレランド」について。この曲は全員の聴きどころや推しポイントを教えてください。
辺見:リンワンにとっては珍しく、青春ど真ん中のラブソングだなと思っています。今までも恋愛の曲は多かったのですが、学生の恋をテーマにした曲はなかったので新鮮でしたね。私自身、学校をテーマにしたラブコメアニメや海外の青春映画が大好きなので、歌詞が心に刺さりました。
篠田:曲の構成が独特だなと感じています。イントロ、 Aメロ、Bメロ、サビ。そして、間奏を挟んで2番に続き、落ちサビがあってラスサビ……といった構成が普通のパターンだと思うのですが、この曲はメンバーの歌が大半を占めています。実際にライブで歌ってみると、ずっと歌い続けていて休みがないんですよ。タイトルの「アッチェレランド」はだんだん速くなるという音楽用語なのですが、実際には曲の最後に少しずつゆっくりになるので、タイトルとは違った曲の構成がいいなと思っています。
増田:メロディももちろんですが、歌詞が特に好きですね。リンワンにしては珍しく、思いの丈をぶつけるような直接的なワードが多い歌詞だなと思いました。でも、後半にいきなり〈110Hzの相槌〉という抽象的なワードが出てくるんです。気になって調べてみたら、人間にとって心地良い周波数だと知り、「なんてロマンチックな相槌の表現なんだろう!」と感動しました。リンワンの曲を何曲も作曲してくださっているMumeiさんが作ってくださったのですが、他にも「アンビバレンス」という曲も作っていただきました。その曲も心を鷲掴みにされるような歌詞なので、合わせて聴いていただきたいです。
寺尾:私も歌詞が気に入っています。女性目線の恋愛の歌詞は今まであまり歌ってこなかったので、女の子のファンの方からも共感していただけてとても嬉しかったです。
佐藤:私が担当している落ちサビのところで一度、無音になるんですよね。自分のことで申し訳ないのですが、私の歌の……(少し遠慮がちに)上手さが伝わるパートだと思うので、ぜひ聴いてほしいなと思っています。
――リード曲にもさまざまな挑戦が詰まっていることが感じられたので、ここからは自分にとっての新たな“挑戦”という視点でそれぞれ1曲ずつ選んでいただき、紹介してもらえますでしょうか。
増田:個人的に思い入れの強い、3曲目「空蝉」を紹介します。新曲10曲の中で、最初にレコーディングに取りかかった曲で、初めてプロデューサーの前で歌った時に「全然違う」と厳しめの言葉をいただいた曲でした。プロデューサーの指示を受けて、他のメンバーがどんどん自分なりの歌い方を習得していく中、私だけ最後までプロデューサーの意図を汲み取りきれず、焦りと不安でレッスン中に号泣してしまって……。でも、そんなプロデューサーとのやり取りがあったおかげで、その後の新曲のレコーディングでは、ニュアンスを汲み取る力が以前よりも付いていったので、私にとって成長を感じる1曲です。
辺見:4曲目の「starry night」が私の推し曲であり、挑戦の曲でもあると思っています。ドライブソングで、夏の夜に聴いたら絶対に盛り上がれる大好きな1曲です。
佐藤:私は7曲目の「風」が挑戦だったなと思っています。新曲の中で最初にデモ音源をいただいた曲なのですが、練習しても全然歌えなくて……。レコーディングの日が少しずつズレていって、やっと録れた曲なので、一番思い入れがあります。今までのリンワンにはなかったテイストの曲なので私は大好きなのですが、ファンの皆さんにも好きだと言ってもらえるのか、という意味での挑戦も含まれています。
寺尾:私は10曲目の「ROULETTE」です。この曲も今までのリンワンにはない感じの曲だと感じています。個人的に好みの昔っぽい曲調で、最初に聴いた時に「この曲好きかも」と思いました。ライブでどんな感じになるのかはまだ想像できないのですが、振り付けも真似しやすいところが多いので、とても楽しみな楽曲です。
篠田:私は「アンビバレンス」を紹介します。終盤にレコーディングしたのですが、今回はアルバムを通して力任せに歌ったらダメな曲が多く、この曲は特に思ったように歌えなくてブースで泣きながらレコーディングしました。私は歌い出しのところを歌っているのですが、よく聴いていただくと泣きながら歌っているのがわかると思います。これはこれで味としていいのかなとも感じていますが、もっと上手く歌えるようになりたいと強く思った曲なので、とても印象に残っています。
――ありがとうございます。まずは“挑戦”というテーマで選曲していただきましたが、ライブを想起させ、ライブが楽しみになるアルバムだという印象も受けました。続いて、“ライブ”という軸でもう1曲ずつ選んでいただけますか?
増田:私は、昨日振り入れをしたばかりの「starry night」です。倫ちゃんを中心として、横に大移動する振りがあるのですが、そこは踊っている私たちも楽しいですし、ファンの皆さんも一緒に動いてくださるのかなと思ったら、今から楽しみでしかたないですね。ライブではぜひ、ダンスと歌を合わせて楽しんでほしいです。
辺見:私は5曲目の「answeR」です。基本、私は歌詞で曲を好きになるタイプなのですが、この曲はヨロコビさんの歌詞が特に好きで、サビで韻を踏んでいるところも気持ち良くて気に入っています。ライブではリズム感が大事な曲なので、注目して聴いてほしいなと思います。
寺尾:私は13曲目の「HEROIC」です。(取材時点では)まだ振り入れ前なのですが、この曲の振り付けは増田陽凪さんが担当なので、今からとても楽しみです。ある意味、ライブの想像はできるけど、ファンの皆さんがどういう感じで聴いてくれるのかが全然想像つかなくて。歌詞的にも表現力が大事になってくる曲なので、ライブ映えするような曲にできたらいいなと思っています。
佐藤:私は14曲目の「ANTiTHESiS」です。この曲、早くライブで歌いたいですね。メッセージ性が強くて少し重めの雰囲気の楽曲ですが、最後の〈ここじゃ終われない〉という歌詞をライブで歌ったら、感情が入り込んで泣いちゃいそうです。
篠田:先ほどの“挑戦”に続き「アンビバレンス」で……もう、「アンビバレンス」大好きな人みたいで、すみません(笑)。アルバムの最後の1曲ですし、ライブのセットリストでも後半や最後の方に持ってくる曲なのかなというイメージがあります。これから夏フェスや色々なイベントでたくさん歌って、ファンの皆さんと育てていきたい1曲です。