今のGLAYが間違いなく“ベスト”ーーツアーで見つけた3つの意味、「汚れた英雄」が呼び起こした可能性
「GLAYの次の一手をどうするか。悩む日々が続いていました」
「ここからが一番疲れるところです(笑)。32年目ということで、皆さんもいい感じに時を重ねていて。体力を余すことなく、かかってきてください!」という丁寧すぎるTERUのMCに思わずほっこりする観客たち。「よし、いきますよ。かかってこい!」というシャウトに導かれた「誘惑」からライブは後半戦へ。クライマックスの軸になっていたのは、やはり未発表の新曲だった。まずはモーターヘッドを想起させる刺激的なHISASHIのリフに導かれた「INAZUMA」。鋭利に研ぎ澄まされた音像、キャッチ—なサビのメロディがぶつかり合う最強のロックナンバーだ。JIRO、TAKUROのソロ演奏、「Wow Wow Wow」というコーラスにおけるシンガロングを含め、すでにライブアンセムの雰囲気をまとっていたことも記しておきたい。さらに初期衝動という言葉がピッタリの「汚れた英雄」。4人の音がぶつかり合うなか、TERUが激しく叫びまくるこの曲もまた、GLAYの現在地を象徴しているのだろう。
〈誰も意味も無く 生まれてきたわけじゃない〉という歌詞が突き刺さるアッパーチューン「VERB」、そしてツアータイトルの「HIGHCOMMUNICATIONS」で本編は終了。アンコールを求める声と手拍子が響くなか、まずはTAKUROが一人でステージに現れる。
30周年イベントを無事に終えられたことへの感謝を改めて伝えた後、TAKUROはゆっくりと観客に「GLAYの次の一手をどうするか。悩む日々が続いていました」と語り掛けた。曲作りが思うように進まないなか、HISASHIから「汚れた英雄」が届き、「何を悩んでるんだ。自分たちのロックはこれだろう」と言われた気がした。さらにJIROから曲が送られてきたことで、GLAYの可能性を感じることができた、と。
「このツアーで3つの意味を見つけました。32年間、特に90年代は目まぐるしい日々のなかで間違いなくベストを尽くしたし、それを今も共有できていること。2026年、今のベストを届けたくて、新しい曲を披露したこと。そして、3つめのベストは、俺たちはこんなにも元気で、こんなにも楽しくバンドをやっている。今のGLAYが間違いなくベストです!」
今現在のバンドに対する思いを赤裸々に語った後は、JIROが作曲、TAKUROが作詞を手掛けた未発表曲「旅する理由を待ちながら」へ。ファンとの交流コーナー(観客の一人がステージに上がり、ルーレットを回してプレゼントを贈呈)を挟み、ファンが選んだ「SHUTTER SPEEDSのテーマ」「彼女の“Modern…”」を演奏し、会場のテンションをさらに引き上げる。さらに「GLAYが始まった曲と言っても過言ではないと思う」と紹介された「KISSIN' NOISE」、そして「みんなと新しい未来に突き進んでいきましょうという希望のある曲」だという「Bible」でライブはエンディングを迎えた。
GLAYは、6月にイタリア・ヴェネツィアで『HAPPY SWING 30th Anniversary GLAY SPECIAL LIVE We♡Happy Swing Vol.4 extra “DREAMY” in VENEZIA.』を、そして7月31日、8月1日には幕張メッセで『HAPPY SWING 30th Anniversary GLAY SPECIAL LIVE ~We♡Happy Swing~ Vol.4 Promise The Venezia』を開催する。「10年、20年とGLAYは続いていきます。僕らはずっと待ってるので、いつでも会いに来てください」(TERU)というスタンスを貫き、常に未来を見据えて次のフェーズへと進み続ける。その姿勢こそがGLAYの最大の原動力なのだと改めて実感できる、極めて意義深いツアーだったと思う。
■セットリスト
『HIGHCOMMUNICATIONS TOUR 2026 "GLAY-complete BEST"』
2026年5月26日@東京ガーデンシアター
M01.Dead Or Alive
M02.EXOFIRE (未発表)
M03.千ノナイフガ胸ヲ刺ス
M04.サバイバル
M05.口唇
M06.Unleashed
M07.HOWEVER
M08.HELLO MY LIFE
M09. 5月のhide(未発表)
M10.グロリアス
M11.SOUL LOVE
M12.誘惑
M13.INAZUMA(未発表)
M14.汚れた英雄 (未発表)
M15.VERB
M16.HIGHCOMMUNICATIONS
ENCORE
M17.旅する理由を待ちながら(未発表)
M18.SHUTTER SPEEDSのテーマ
M19.彼女の“Modern…”
M20.KISSIN' NOISE
M21.Bible