BE:FIRST、「Rondo」のマイクリレーが可視化する声質の幅広さ 個々におけるラップの特徴を深掘り
5月4日、BE:FIRSTの新曲「Rondo」が先行配信された。同曲は9thシングル『BE:FIRST ALL DAY』の収録曲で、パイプオルガンや讃美歌を想起させるフレーズがタイトなビートの上で鳴り響く、ゴシックな空気感をまとった一曲だ。そして、同曲は6人全員によるマイクリレーという構成によって、BE:FIRSTの実力を改めて証明している。
同曲を聴いてまず感じたのは、BE:FIRSTにおいて“歌”と“ラップ”は固定された役割ではなく、メンバーそれぞれが自在に操る武器になっているということだ。もちろん、以前から全員が歌もラップも披露してきた。歌のイメージが強いJUNONとLEOも、『BMSG FES'25』では「Tiger Style -remix-」でSKY-HIとともにラップを披露した事実がある。しかし、担当する頻度からラップはSOTAとSHUNTOが中心、歌はJUNONとLEO、MANATOとRYUHEIはその両方をバランスよくこなすというイメージが形成されていたのも事実だろう。「Rondo」では全員がラップパートを担当しており、しかもマイクリレー形式で展開されるため、それぞれの個性が比較しやすい。
楽曲の前半のラップパートではSHUNTO、MANATO、JUNONとマイクが渡っていく。SHUNTOの低音が持つ重厚感、MANATOのオシャレな声色、JUNONの個性的なリリックの刻み方……それぞれの質感がまったく異なり、短いパート単位でメンバーが変わっていることが明確に伝わる。後半のマイクリレーはRYUHEI、LEO、SOTAへと続く。RYUHEIのリラックスしたフロウ、LEOの熱量を前面に押し出したアプローチ、そして満を持して登場するSOTAという流れは、楽曲全体のクライマックスへの引きとして機能しているのではないだろうか。
また、声色の個性という点でも同曲は興味深い。曲の冒頭サビの後半を歌うRYUHEIは、パッと聴いただけでは彼とは断言できない、新しさがある。これまでの楽曲とは違う発声をしているからだろうか。しかし、〈静かに響け〉とファルセットで歌われた瞬間、「この声はRYUHEIだ」という確信が生まれる。声の質感が特定のフレーズで際立つという聴こえ方も面白い。一方でJUNON、SHUNTO、MANATOは一発でわかる揺るぎない記名性を持っており、グループとしての声質の幅広さをマイクリレーという形式が可視化していると言えるだろう。
さらに、同じメンバーでもラップパートと歌唱パートでアプローチが変わっている点も注目したい。SOTAはリズムと技術が凝縮されたクールなラップを披露する一方、その直後の歌唱パートではがなりに近い声も混ぜ、曲の熱量を一段上げる。ラップで抑制した感情を歌で開放するような構造になっており、SOTAの声の中に複数の表情があることが伝わってくる。こういった多彩な個性と表現の変化が、同曲を何度も聴き返したくなる理由の一つになっているのではないだろうか。
同曲では全員がラップを担う構成になっているが、それが成立しているのは各々が声とリズムのコントロールを磨き続けてきたからこそ。誰かに寄せるのではなく、各自の個性を軸にしながらラップを展開しており、マイクリレーとしての聴き応えが生まれている。「歌えるグループがラップもやる」のではなく、ラップも歌も各自の表現として成立している状態だということが同曲を通して改めて確認できると言えよう。
ちなみに、5月6日にはSpecial Dance Performance動画が公開。5月11日には『CDTVライブ!ライブ!』(TBS系)でテレビ初披露が予定され、そこでパフォーマンスの全容が明かされることとなる。同曲は音源として聴くだけでも十分に情報量が多い。マイクリレーの流れを追いながら、各メンバーの声と表現の違いを聴き比べてみるのも面白そうだ。


























