C&K、大阪城ホール公演全記録|最前列も最後列も関係ないーー1万人と描いた愛溢れるエンターテインメント

 CLIEVYとKEENからなる男性二人組シンガーソングライターユニット・C&Kが、4月26日に大阪城ホールでのワンマンライブ『CK無謀な挑戦城!!火攻め、水攻め、ひょうきん攻め!! in 大阪城ホール』を開催した。

 これまで全国各地で『無謀な挑戦状』と銘打ったライブを継続して展開し、エンターテイメント性溢れるライブパフォーマンスで多くのファンを集めているC&K。今回、自身初となる大阪城ホール公演もチケットは即日完売。当日は約2時間半、全28曲を圧倒的な歌唱力と型破りなステージ演出、120人にも及ぶ出演者、そして四池さん(C&Kのファンネーム)の力を借りて、見事なライブを作り上げた。本稿では、その1日の模様を徹底的にレポートする。

C&K 大阪城ホール「2026年4月26日(日)CK無謀な挑戦城!!火攻め、水攻め、ひょうきん攻め!! in 大阪城ホール」 After Movie

ヘリで急襲! エンタメ全開の開戦宣言

 まず、彼らはこの日の午前中に京都・舞鶴で行われていた『MAIZURU PLAYBACK FES. 2026』にサプライズ出演し、そこからヘリコプターを使って大阪城ホール入りをしたというニュースで観客を驚かせる。大阪城ホールには300本以上の出陣のぼりが掲げられ、戦国時代の“城攻め”というコンセプトに合わせて、多くの来場者がちょんまげのカツラを被って参戦。開場前からすでにエンタメ溢れた空間を作っていた。

 そして開演時間になると、会場内に法螺貝が響き渡る。そこから、ちょんまげ姿のC&Kが水不足で苦しむ大阪城の人々を救うという、時代劇風の映像で幕を開けた。その映像が終わると、メインステージに笠を被ったダンサーが現れ、三味線や和太鼓を使ったサウンドに乗せて、炎のゆらめきや水の流れを表現したようなダンスで魅了。ステージ上段には出陣のぼりを持った出演者が大量に現れ、中央のDJブースの正面を覆うように集まると、そこからCLIEVYとKEENが割るように勢いよく登場。そして、「C&K Ⅸ」からライブをスタートさせた。KEENが歌声を響かせ、CLIEVYが「準備はいいか!」と煽り、爆発の演出も相まって早々に会場を盛り上げていく。観客も踊りながら「C&K!」と歌って、負けじと熱をぶつけていく。ラストに「We are C&K。期待の新人18年目! 以後お見知り置きを!」とCLIEVYが放つと、再び爆発が起き、華々しく開演を告げた。

 続けて「今日、大阪。間違いなく地元じゃなくても地元だ!」と叫んで「ジャパンパン〜日本全国地元化計画〜」へ。クラップもジャンプも掛け声も一体感抜群で、大阪城ホールは大きなディスコ会場と化す。KEENはロボットダンスでも観客を沸かせていた。

CLIEVY
KEEN

 1曲目から5曲目まで立て続けにお祭りナンバーが続いたが、多彩なダンスとビート、カラフルな照明、ステージを広く使う2人のステージング(CLIEVYは早々に「パーティ☆キング」でアリーナに降りて歌っていた)、「あとは好きに騒ぎなさい!」「バカになれ!」という煽りもあって、観客も止まることなくアドレナリンを出しながら歌い踊り狂っていた。2人だけでなく、DJ TAKEのDJプレイやダンサーたちのパフォーマンスも、その要因になっていたことは言わずもがなである。

 圧巻のパーティータイムが終わり、客席から「もう燃え尽きた」と笑い声も聞こえるなか、再び映像へ。C&Kの2人も含めた武士達が会議する様子が描かれ、そのなかで引かれたクジの座席にスポットライトが“当たる”、1人の武士が牡蠣に“あたる”、最後はCLIEVYがどこからともなく飛んできた恋の矢が胸に“当たって”「(この苦しさは)片思い!」という繋ぎから、代表曲バラードの「みかんハート」へ。栗本修のキーボードに乗せて、終始しっとりと歌い上げる……と思いきや、1番のサビ始めで銀テープを発射。さらにラスサビの歌い始めでも今日イチの大爆発の演出で驚かせる。観客も歌声にうっとりする気持ちと「今日はどこで何がくるかわからんぞ」というドキドキの気持ちが入り混じり、会場はどよめきに包まれ、ザワザワするしかなかった。

 「やっぱりあそこは爆発かなと思って……」「恋はあれくらいのパッションやからな」と釈明(?)したあと、両親への思いを伝え「ジェニファー何度もあなたに恋をする」へ。こちらも感動的なバラードだが、女性バックダンサーの中に1人、異彩を放つガタイのいいダンサーが。モニターに映ると笑いも起こるが、次第に一人ひとりに向けて届ける2人のハーモニーや、カツラを飛ばすほどのエモーショナルなダンスに引き込まれ、その凄みを堪能。最後はダンサーの彼の投げキッスで大いに盛り上がった。

“ふざけた中のシリアスなメッセージ”ーー1万人を鼓舞する魂の歌声

 そして「ふざけた中のシリアスなメッセージ」という彼らが大事にしているコンセプトを伝え、「どんなに辛くても自分で道を作って、その道を歩く! 最高な景色に向かって歩き出す。その道を歩くのはあなた!」という言葉から「道」へ。イントロが始まるとDJブースが乗ったメインステージ上段が前方に向かって動き出し、そのままアリーナへと突入。アリーナ席中央にいるお客さんの頭上を通る形で最後方まで移動していった。それはまさに「自分の見たい景色は自分で作って進んで行く」というメッセージを体現していた。そのまま会場最後方で行った「I.M.A」は「今を一生懸命に!」という気持ちで各々全力でタオルを振り回して盛り上がる。巻き起こった風圧はかなりのものだった。CLIEVYが、この日限定で名づけられたシート名を叫びながらコミュニケーションを取っていたのも印象的だった。

 ステージがアリーナ中央まで戻ると「大阪をイメージして作った曲」という「スナック十八番」を披露。モニターにはスナック街の様子が映し出され、この時だけは小さなスナックのカラオケを聴いて酔いしれているような気分に。最後は、観客もスマホライトを揺らして最高の景色を作った。「心の豊かさでは負けない」と始めた「RICH☆MAN(JARISEN×JARISEN)」〜「人間進化論」のメドレーでは、スマホライトと大阪城ホールの大きなミラーボールの光が合わさり、ポップでハッピーな空気が生まれる。アリーナで、父親に抱えられながら小さな子がペンライトを振り回しているのも微笑ましかった。

 今度はCLIEVYがアリーナ後方に降りて歌う場面もあれば、KEENはセンターステージから全体にクラップを促す。CLIEVYがセンターステージに戻った「笑えや歌えや」でもダンサーと息を合わせて全方向に、そして平等にダンスを届け、“全員と同じ目線で過ごしたい”というポリシーを感じるような時間だった。そんな客席全体に、「ネガティブな気持ちから生まれるポジティブは本物だと思う。大丈夫! 胸張っていこう! 我らは精鋭!」と伝え、「精鋭」へ。〈精鋭〉と〈SAY!!YEAH!!〉を掛けた歌詞とキャッチーなリズムによって自然と声が上がり、声を出すたびに「自分にはこれだけの仲間がいるんだ」と背中を押された気持ちになる、非常に心強いエールソングだった。

 ステージはメインステージに戻り、三度目の映像へ。ここで「大阪城ホールで水掛けをするのはマストと伝えていたけど、後々水を使った演出はNGと言われた」という内部の諸事情を武士会議劇を通して伝える。それが終わると中継画面に切り替わり、C&Kお馴染みの盟友の俳優・山根和馬が登場。本日は水を使えない代わりに、普段水掛まつりを行っている大阪城野外音楽堂から水を走って持ってくると伝える。聖火ランナー風の衣装に着替え「待っててよー!」と宣言したあと、ステージに衣装チェンジしたC&Kが登場し、「負けそうで負けない人に贈るラブレター」という未発表新曲「負けそうでメロス」を披露。CLIEVYは走る山根にエールを送りながら「この曲中に果たして届けられるの!?」というチャレンジであることを伝える。

 懐かしさのある優しいサウンドに、合間に今治市、舞鶴市、小山市、鹿屋市からの応援動画も挟まれたことで、さながら某チャリティ番組のような雰囲気に。終盤に山根は諦めそうになるが、「?席」という券種を購入したお客さんが伴走してくれたおかげで、見事曲中にスタンド席に到着した。そんなヒーローを讃えるかのように、アニメ『ドラゴンボールDAIMA』(フジテレビ系)OP主題歌の「ジャカ☆ジャ~ン/ゼッド feat. C&K」を届けたあと、「すげぇ奴らが集まっているわ。まるでドラマのようだ!」と次の曲を匂わせる。「ドラマで大阪と言えばこの人が来てくれてます! 近本選手(阪神タイガースの選手で「ドラマ」を登場曲に使っている)です!」と紹介すると、会場がにわかに騒ぎ始めるが、この日は試合だったため等身大のパネルでの登場となった。その代わり、CLIEVYが特注の猛虎柄の服を羽織って歌い、山根も登場してブレイクダンスで盛り上げた。しかし、さすがにキツそうな山根。たまらず野音から持ってきた水を飲み干し、ツッコまれていた。

 少し間を置き「春ですね」とCLIEVYが呟いて「春と君のシンフォニー」へ。会場には桜吹雪が舞う美しい景色が広がる。ステージ上の2人も楽しそうにじゃれ合う場面もありながら、まさに春風のような澄んだハーモニーを届けた。そこに続いたのは新曲「人間賛歌」。ヨーロッパの民族衣装を着たダンサーを従えて、異国情緒も感じる晴れやかなナンバーを披露する。新曲ながらコール&レスポンスもしっかりと盛り上がり、〈ハルウララ〉という歌詞に合わせてモニターでは馬も走っていた。

 そして「最後列でも最前列。俺たちが大阪城ホールで実践していく」と伝えると、続く「ひっちゃかめっちゃか」では、2人はダンサーも引き連れながら、2階のスタンド席に移動。客席通路を歩き、〈チョイなチョイな!〉と祭囃子を踊り、ハイタッチしながら歌っていく。ホールライブで、このお客さんとの距離感。恐らく真似できるアーティストはほとんどいないのではないだろうか。〈私が動けばあなたも最前列!〉〈笑顔の連鎖連鎖!〉とスタンドを周りきると、そのまま1階アリーナへ、「踊LOCCA〜around the world 新たなる冒険〜」ではあちこちでお客さん同士が肩を組み、大きなサークルを作って声を出しながら飛び跳ねていた。あまりのピースフルな光景に、CLIEVYも「最高で、もう何だかわからないや!」と声を上げていた。

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