MILLI、『HEAD IN THE CLOUDS』出演直後にインタビュー 「女性ラッパーの友達が欲しい!」『SMTM』に参加した大きな理由

タイのヒップホップシーンを牽引するラッパー・MILLIが3月28日・29日に千葉・幕張メッセで開催された88rising主催のフェス『HEAD IN THE CLOUDS Music & Arts Festival in TOKYO 2026』に出演した。MILLIは昨年リリースしたアルバム『HEAVYWEIGHT』にてAwich、新しい学校のリーダーズら日本のアーティストとコラボ。MV「SICK WITH IT」でも日本のダンスグループ・アバンギャルディがコレオグラフを担当し、共演も果たした。さらにホットな情報としては、韓国の人気ヒップホップサバイバル番組『SHOW ME THE MONEY 12』でファイナリストに勝ち残り、4位という結果を残したこと。リアルサウンドでは、フェスでのパフォーマンスを終えたばかりの彼女をキャッチして、さまざまな話題を聞いた。(宮崎敬太)
いろんな国の仲間たちと友達になれるのが嬉しい

――『HEAD IN THE CLOUDS Music & Arts Festival in TOKYO 2026』に出演した感想を教えてください。
MILLI:本当に楽しかったです。会場の皆さんも楽しんでくれていたのが伝わってきました。でも私自身が一番楽しんでいたかな。ステージをあちこち動き回っていました。
――MILLIさんはすでに何度も来日していますが、日本の音楽シーンについて感じたことを教えてください。
MILLI:私個人に関しては日本のビートボクサーやラッパーの友達が増えてきたけど、シーンについて何か言えるほどは知りません。海外とのつながりでいうと、最近は韓国のWonsteinや lIlBOIといったラッパーとも仲良くなれました。いろんな国の仲間たちと友達になれるのは本当に嬉しいです。

――韓国の人気ヒップホップ番組『SHOW ME THE MONEY 12』(以下『SMTM』)の話題ですね。音楽でアジアの人たちがつながっていくのは素晴らしいことです。MILLIさんも昨年のアルバム『HEAVYWEIGHT』で日本のAwichさんと共演した楽曲「JAA EHH (peekaboo) [feat. Awich]」を制作しました。
MILLI:タイトルの“JAA EHH”はタイの言葉で“ひょっこり”という意味なんです。この曲は私と元カレのエピソードが元になっています。その人は私と別れた後、すべてのSNSで私をブロックしたんです。だから今も連絡を取れない状況なんですけど、私は彼よりも有名だから、街の看板とか、YouTubeとかいろんな広告で絶対に私を見ているはずなんですね。
――MILLIさんが“ひょっこり”出てくる(笑)。
MILLI:そう。あいつはYouTube Premiumに入ってないし。「SNSでブロックしたくらいでは私から逃げられないぞ!」って曲です(笑)。
――最高ですね。Awichさんに声をかけた理由を教えてください。
MILLI:彼女は沖縄の神様なので、この曲にぴったりだと思いました。テーマを説明したら大爆笑してくれたことも嬉しかったです。
東京はアニメの世界 みんなのキャラクターがはっきりと見える

――「ARMSTRONG」では新しい学校のリーダーズと共演しています。この曲をきっかけにプライベートでも仲良くなったとのことですが、彼女たちとどんな面がフィールしているんですか?
MILLI:エナジーですね。大好きなお姉ちゃんという感じ。エネルギーがマッチする4人なんです。ごはんを食べに行ったことはないけど、ニューヨークで一緒になったパーティーでもお話ししました。今でも定期的にチャットのやり取りをしますし。
――「SICK WITH IT」のMVにはアバンギャルディをフィーチャーしました。
MILLI:広告でよくアバンギャルディを観ていて、私が一方的にファンだったんです。面白いなあ、すごいなあと思っていて。そうしたらコラボできるかもって話になったんです。ただアバンギャルディは私よりも有名だし、絶対に無理だろうなと思っていたら……なんと! という感じです。MVは大阪で撮影しました。
――そうだったんですね。
MILLI:本当に楽しかったですよ。実は撮影前のリハーサルはほとんどできていなくて。お互い2~3回程度じゃないかな。でも現場にいるみんなが「このミュージックビデオを良い作品にしよう」と一生懸命で。撮影は7時間くらいで終わりました。最高の体験でした。
――MILLIさんにとって東京と大阪にはどんな違いがありましたか?
MILLI:私からすると東京ってアニメの世界なんです。みんなのキャラクターがはっきりと見えるというか、自分らしさを表現できる街というか。実際、昨日は東京で普段は履かないけど、実は自分らしいと思っていた靴を自然と履けたし。
――いいエピソード。
MILLI:大阪は東京とは違っていて、人と人の距離感がいい意味ですごく近い。誰かと飲みにいこうと誘うのも簡単というか。親しみやすいイメージの街でしたね。

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――個人的にナイーブな歌詞の「MENACE」が大好きです。でもMVはかわいさと同時に不敵な強さも表現されていました。アルバムでもさまざまなサウンドに挑戦されていますが、セルフプロデュースする上で意識していることを教えてください。
MILLI:てか、(「MENACE」のMVを観て)かわいいと思いました? それともセクシーだと思いました?
――かわいさの中にセクシーさがあると感じました。
MILLI:まずセクシーだと思ってほしかったな。まあでもかわいいって感想が先に来るってことは、「単に私がかわいいから仕方ない」……ってことで納得しておきます(笑)。話を質問に戻すと、「MENACE」っていうのは“このやろう”みたいなニュアンスの言葉です。でも歌詞はすごく内省的で自分と会話しています。好きな人にいっぱい傷つけられているのに、なぜ自分はこの関係にいつまでも執着しているのかという葛藤を描きました。
――なぜセクシーな見え方にこだわったのでしょうか?
MILLI:それは活動の中で私自身が成長して大人になったことを明示したかったからです。レースのついたしおらしい服を着ていても、「ONE PUNCH」のような強さを表現しても、内面にはセンシティブなところがある。自分の複雑さをフェミニンなイメージで映像化することを意図していました。
――なるほど。日本ではヒップホップシーンのさまざまな層(ラッパー、DJ、トラックメイカー)に女性が増えてきました。ですが、やはりまだまだ男性と比べると少ないと思います。MILLIさんは、タイをはじめ、韓国などアジア各国のヒップホップのシーンと接しています。それを踏まえて女性のアーティストが少ない現状に、どんなことを感じていますか?
MILLI:その通りです。正直に言うと、私、本当に寂しいです。タイには女性のラッパーが私しかいない。ヒップホップシーンの先輩もみんな男性。さっきも少し触れてくれた『SMTM』に参加した大きな理由は女性のラッパーとたくさん知り合った友達になる機会を作りたかったから。でも、結局ファイナルまで勝ち残ったのは私以外全員男性。もちろんみんなと友達になれることは嬉しいけど、やっぱりもっと女性のラッパーと仲良くなりたいんです。本当に女性ラッパーの友達が欲しい! この記事を読んで気になった人は連絡してください。私たち女性ラッパーでも男性のラッパーに勝てることを一緒に頑張って証明しよう。
――MILLIさんのバイブスは最高ですね。最近はどんなことにハマっているんですか?
MILLI:それこそ『SMTM』。本当に参加して良かった。アジア屈指のラッパーが集まっている番組で自分のラップを表現できることが本当に楽しくて。実はこの取材が終わったら、『SMTM』のために韓国へ行くんですよ。
――では、最後に日本のファンにメッセージをお願いします。
MILLI:ちょっとまだ言えないことが多いのですが、日本のアーティストといっぱいコラボした『HEAVYWEIGHT』をまずはたくさん聴いてほしいです。ビートボクサーのSO-SOさんにリミックスしてもらった「SICK WITH IT」も。きっと近いうちにまた日本に来ると思います。それまで変わらず応援してくださいね!

■リリース情報
『HEAVYWEIGHT』
レーベル: YUPP! Entertainment / 88rising
視聴:https://milli.lnk.to/HEAVYWEIGHT
●トラックリスト
1 HEAVYWEIGHT
2 ONE PUNCH
3 ARMSTRONG [MILLI, ATARASHII GAKKO!]
4 JAA EHH (peekaboo) [feat. Awich]
5 SICK WITH IT
6 DANCE or DEAD [MILLI, Knock2]
7 NO HEAVEN
8 HELL YES (feat. BewhY)
9 BLUES BLURRY (feat. Gong H 3 F)
10 MENACE
11 DRANKEINNIT (feat. Hugo)
12 INVISIBLE TEARS
13 HP
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