B'z、アイナ・ジ・エンド、キタニタツヤ、幾田りら、モナキ、ILLIT……注目新譜6作をレビュー

 毎週発表される新譜の中から注目作品をレビューしていく連載「New Releases In Focus」。今回はB'z「Heaven Knows」、アイナ・ジ・エンド「ルミナス - Luminous」、キタニタツヤ「火種」、幾田りら「stay with me」、モナキ「ほんまやで☆なんでやねん☆しらんけど」、ILLIT「Bubee」の6作品をピックアップした。(編集部)

B'z「Heaven Knows」

Heaven Knows

 TVアニメ30周年を迎えた『名探偵コナン』(読売テレビ/日本テレビ系)の新オープニングテーマを担当するのはもちろんB'z。「ギリギリchop」(1999年)、「衝動」(2006年)など数々の名曲を送り出してきた“コナン×B'z”のコラボレーションだが、テレビシリーズとしては通算8曲目となる「Heaven Knows」は、これまで培ってきた歴史を更新するようなサウンドと普遍的なメッセージが一つになったロックナンバーに仕上がっている。いきなりトップスピードに達するビート、ヘヴィネスとうねり感を併せ持ったギター、そして、「まだ見ぬ運命に向かって突き進め」と鼓舞するようなボーカル。“らしさ”をきちんと踏襲しつつ、リスナーの期待を凌駕し続けるB'zの凄みを改めて実感させられてしまった。(森)

アイナ・ジ・エンド「ルミナス - Luminous」

アイナ・ジ・エンド / ルミナス - Luminous [Official Music Video](TVアニメ『ONE PIECE』エルバフ編オープニング主題歌)

 TVアニメ『「ONE PIECE」エルバフ編』(フジテレビ系)のオープニング主題歌となる書き下ろし新曲。シリーズのオープニングテーマを女性が担当するのは安室奈美恵以来8年ぶりだとか。海賊王の世界なのでさもありなんと思うが、アイナの力強いハスキーボイスは軽々とジェンダーを超えていく。冒険する主人公たちを見守る視点と、〈やるしかないとき僕らなら/放てるでしょう〉という当事者の言葉がシームレスに混ざり合った、どこまでもポジティブなポップソング。傷つき、それでも立ち上がる姿勢はグループ時代からあったものだが、ソロキャリアが長くなった今では、声を張り上げないパートに宿る余裕や、コーラス部分に見る遊び心が際立っている。(石井)

キタニタツヤ「火種」

TVアニメ『日本三國』ノンクレジットオープニング映像|キタニタツヤ「火種」

 核戦争の影響で文明が明治初期レベルまで落ちてしまった日本を舞台にした傑作マンガ『日本三國』(松木いっか/小学館)。3つの国に分裂した日本を再び統一しようと過酷な運命に身を投じる登場人物を描いた本作のアニメ版に向けて、キタニタツヤは先が見えない未来へと進む人々の強烈な意志とリンクした楽曲「火種」を生み出した。日本的なトライバルと称すべき躍動感に溢れたリズム。和楽器と洋楽器を絶妙なバランスで融合させたアレンジ。そして、〈ゆらゆら踊る火種、燃やせ、燃やせ!/この生の千秋楽まで〉に代表される、決死の覚悟と圧倒的な快楽を併せ持ったリリック。「日本らしさを取り入れたポップミュージックとは何か?」「今の日本を活写する歌とは何か?」という課題にも呼応するこの曲は、キタニの世界進出をさらに後押しするだろう。(森)

幾田りら「stay with me」

stay with me

 おだやかでやわらかい声に乗って〈ふわふわ/心地良い/すりすり/気持ちいい〉というフレーズが聴こえてきた瞬間、心と体がほどけていく。幾田がナレーションをつとめているアニメ『リラックマ』(TBS系)の主題歌として制作された「stay with me」は、アコースティックな音像とふんわりと包み込まれるようなメロディが溶け合うミディアムチューン。ギターの素朴な響き、間奏の口笛の音色、優しく語り掛けるようなボーカルなど、リラックス効果抜群の1曲に仕上がっている。ただそこにいるだけで心が落ち着き、気持ちが軽くなる、そんな存在をイメージさせる歌詞も秀逸。特に〈分かりきれないから/分かちあえるもの〉というラインには、人と人の理想的な関係性がしっかりと映し出されていると思う。(森)

モナキ「ほんまやで☆なんでやねん☆しらんけど」

モナキ - ほんまやで☆なんでやねん☆しらんけど(Official Music Video)

 純烈の酒井一圭プロデュース、応募者約1000人の中から選ばれた4人組のデビュー曲。妙にダサくて懐かしいユーロビート、一発で覚えてしまうサビのメロディ、板についてない感じが微笑ましい大阪弁などなど、企画としてはもう百点満点。シーンの最前線を走るトップアイドルとは一線を画す、愛され歌謡コーラスグループの味わいがすでに備わっている。作詞作曲は酒井と岩崎貴文で、後者は戦隊レンジャーものの主題歌を多数手掛けてきた作曲家だ。戦隊ヒーローだった元少年たちが夢を諦められず再度スタートラインに立つ。このストーリーは嫌いになれるはずもなく、続いていく純烈イズムのファミリー化は今後どんどん拡大していくかもしれない。(石井)

ILLIT「Bubee」

Bubee

 日本3rdデジタルシングルにして、TVアニメ『魔法の姉妹ルルットリリィ』(TOKYO MXほか)オープニングテーマ。サウンドはピチカート・ファイヴ〜Perfumeあたりの“ポップアイコン”化を意識したJ-POPでもあるので、ふと街中で流れてきた時にILLITの歌だとは気づかないかもしれない。個性が弱いという話ではなく、我の強さを消し、ファンタジックな魔法空間に自らを染め上げてしまう、そのセルフコントロール力が光る曲なのだ。なお、昨年のシングル収録曲「Topping」と同様に作詞は乃紫が参加。通常は重く力強い印象をもたらすバ行の破裂音を、ここまで可愛く聴かせるのはさすが。(石井)

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