KAT-TUN、“航海”を終えてもなお見つかり続ける新しい魅力 サブスク解禁を機に聴きたい意外な一曲

スウィートな世界観のラブソングも

 ロックテイストの印象が色濃くある一方で、KAT-TUNはスウィートなラブソングも歌ってきた。「SWEET CHAIN」(2011年)では、恋心を歌った楽曲にマッチするシルキーなファルセットを響かせる。「こんなパートナーがいたら……」と、その甘い歌詞を耳にして憧れを抱いた人もいるのでは。同曲が収録されたシングル表題曲「RUN FOR YOU」からのギャップにも驚かされる。

 2019年にJR博多シティ『アミュプラザ博多8周年キャンペーン』イメージソングに起用された「A MUSEUM」(2019年)もキラキラとした世界観で、胸の高鳴りとときめきを誘うラブソングだ。同アルバム『IGNITE』に収録の「Reflect Night」も、鍵盤とストリングスの音色に乗せて、静かな煌めきを放つ。そして、大切な人への想いや深い愛情、絆が伝わる「クロサンドラ」も名曲だ。

 メンバーとファンの強固な結びつきを感じさせる楽曲が、「We are KAT-TUN」(2019年)、「KAT-TUNの現場」(2023年)だろう。活動を重ねてきたからこそ綴れる、KAT-TUNとhyphen(ファンの呼称)にとっての“あるある”を盛り込んだ歌詞が魅力だ。おしゃれなサウンドとコミカルでリアルな歌詞とのギャップがたまらない、KAT-TUNとhyphenを結ぶ特別な楽曲でもある。

色褪せない楽曲、熟成していく歌声

 KAT-TUNといえばライブというほどに、炎などの特効や、光、水、砂……とさまざまなアイデアとアイテムを駆使し、迫力と魅力に溢れる“記憶に残る”ステージを作ってきた。ライブ演出をはじめ、デコラティブで華やかな衣装、そしてセットリストに何度唸らされたことだろうか。

KAT-TUN - Real Face#2 [Break the KAT-TUN]

 「Storm Labels」のオフィシャルYouTubeチャンネルでは、サブスク解禁の同日である3月22日発売の映像作品『Break the KAT-TUN』から、「Real Face#2」のライブ映像が公開された。その映像からも伝わるように、炎や特効の演出、さらには野外ライブならではの壮大な打ち上げ花火と、ありとあらゆる演出を大放出のごとく盛り込み、KAT-TUNイズムを貫くようにして、航海のラストを彼ららしく飾った。

 音源に関しては、そんな航海の終盤では、年齢を重ねたからこその大人の魅力に溢れる楽曲も増えた印象だ。かねてより鍵盤やストリングスなどの音色を盛り込んできたが、年齢を重ねるとともに生まれる重厚な音が一層胸に響く。「Honey on me」(2022年)、「Winter Brightness」(2022年)ではドラマチックなシーンを想像させる楽曲で、ややスローテンポな音の進行に大人の余裕が滲む。

 時代ごとの音楽シーンの流行をエッセンスとして取り入れながらも、決して左右されない軸がKAT-TUNにはあった。その音楽からは、譲ることのできないもの、KAT-TUNとしてのアイドルの矜持を感じる。そして、KAT-TUNの楽曲は、いまなお後輩たちが歌い続けている。

 サブスク配信で一気に広がったKAT-TUNの音楽の世界。改めて聴き直すと、リリース当時の彼らだからこそ歌える楽曲もあり、時代とともに変化していく歌声の熟成も味わい深い。この機会に気になる楽曲を見つけたら、ぜひ映像作品、ライブの世界にも触れてみて欲しい。その扉の先には、想像を超える刺激的な光景が広がるだろう。さまざまなジャンルの楽曲を歌い、リスナーの心に刻み込むようにして響くKAT-TUNの楽曲。まだまだこの先も、彼らが構築してきた美学、KAT-TUNの音楽に浸っていきたい。

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