LUNA SEAと真矢が固く結び直した約束、再確認した5人の居場所 季節外れの聖夜から始まる新しいページ

桜の開花予報も聞こえるのに冬の寒さに戻った3月12日、東京・有明アリーナでは『LUNA SEA LUNATIC X'MAS 2025 -OUR JOURNEY CONTINUES-』が開催された。
タイトルにあるように2025年12月23日に行われる予定だったものが延期となり、この日の開催となった。ツアータイトルの下に準備されたステージには、2台のドラムセットが並んでいた。その理由は言うまでもない。2月17日に亡くなった真矢(Dr)がプレイするはずだったドラムが準備されているのだ。
幕開けは、真矢のダイナミックなドラムソロの映像。そして「LUNA SEAは決して止まらないからね!」と叫ぶ真矢の声が響いた。そして、彼の演奏する映像とともに演奏したオープニングナンバーは「UP TO YOU」。INORAN(Gt)による楽曲だが、真矢とともに作ったと伝えられている曲だ。さらに、キレッキレのビートで聴かせる「Déjàvu」に続いたのは真矢とSUGIZO(Gt/Violin)の共作である「MILLENNIUM」、その後には真矢が作曲を手がけたナンバー「inside you」、またINORANが真矢に「ドラムは好きに叩いて」と伝えたという「absorb」と、真矢に関わりの深い曲が彼の演奏する映像とともに前半に演奏された。

RYUICHI(Vo)は、「みんな、いろんな気持ちを抱いてきてくれたと思う。俺たちもいろんなこと考えたけど、いちばん大切な真ちゃんとの約束があったから。今日はライヴをやる。思い切り盛り上がっていきましょう!」と呼びかけた。SUGIZOは公演延期に対して頭を下げて詫び、「でも、真矢はここにいるから。真矢がいちばん喜ぶことをしましょう」と盟友としての思いを吐露した。LUNA SEA結成以前から真矢とともにバンド活動をしてきたSUGIZOには、ひときわ深い思いがあったに違いない。
「LUNA SEAは今も真矢とともにある」と言うかのように7曲演奏したのちの20分の休憩中に会場内に流れていたのは、彼らの活動再開が本格化した2012年末の長尺シングル曲「THE ONE -crash to create-」だった。後半は、東京ドームのサブステージで真矢が見せたドラムソロの映像から。ブレイクのたびに「真矢!」とコールが起こり、それに応えるように「SLAVE(ファンの呼称)のみんな、もっとこいや!」と真矢が煽り「お前ら、最高にかっこいいぞ!」と笑顔を見せる。LUNA SEAのライヴではお馴染みのコール&レスポンスが、この夜も繰り返された。その熱を受けステージに入ったメンバーは、「Metamorphosis」をシャープに聴かせた。これは先のシングル「THE ONE」と対となる曲だとSUGIZOがかつて言っており、真矢のドラムを絶賛したことで知られるナンバーだ。続く「G.」も、スピード感溢れるドラムにRYUICHIの「盛り上がっていきましょうか!」の声が重なり、場内は一段と熱を帯びた。

ミラーボールが輝いた「IN SILENCE」は、ドラマティックな楽曲にINORANのアコギが優しい空気を加え、RYUICHIは「今夜ここに集まってくれたみんなに、次の曲を贈ります」と「I for You」へ。一息入れたRYUICHIが、真矢の愛弟子でありサポートを務めている淳士(SIAM SHADE)を紹介すると、淳士は涙を堪えるように深々と頭を下げた。RYUICHIは真矢はいつも楽しい空気を作るムードメーカーだったと振り返りながら「盛り上がっていこうか」と「BLACK AND BLUE」へ。続く「ROSIER」のサビは待ちかねたオーディエンスとのコール&レスポンスが起こり、J(Ba)がセリフパートで「行くぞ、真矢!」と呼びかけた。そして「TONIGHT」は、オーディエンスのコーラスとバンドがひとつになり本編の最後を飾った。

暗転したステージのスクリーンにツアータイトル『LUNA SEA LUNATIC X'MAS 2025 -OUR JOURNEY CONTINUES-』が再び映されると、客席から沸き起こった「きよしこの夜」の歌声。この夜がSLAVEたちの聖夜になった。ステージに戻ったメンバーはRYUICHIに促され、ひとりずつ真矢への想いを話した。
Jは、「真矢くんが旅立って何も手につかなくて、心の置きどころを探していたけれど、今日見つけた。皆と一緒に盛り上がるライヴ、ここが俺の心の置き所なんだ。これからも真矢くんの想いを連れてガンガンすっ飛ばしていこうと思います。真矢くん、俺たちを見守っていてください」と語る。INORANは「ふたつありますと前置きし、「真矢くんがどれだけ皆さんに愛されていたか。お笑い担当は僕が継がなきゃいけないのかな(笑)。『お前ら、かっこ悪いぜ』って言われないように頑張っていくんで、よろしくお願いします」――そう続ける。SUGIZOは感情を抑えながら語った。「長年の親友があちら側に逝って、今日はステージに立つのが怖かったです。事故のあとだし、真矢いねえし。でも、Jが言ったように、ここが俺たちの居場所で、ホームで、帰ってくる場所なんだ。いつものように真矢はいます。俺たちはこちらの世界で命ある限り、真矢とともに走っていきます」――。



「真矢くんの指名もあるけど、本人が『俺が叩かなくてどうするんだ』と思ってくれてると思うから。淳士、本当にありがとう」とRYUICHIが声をかけると、淳士はこらえきれず号泣してしまう。そんな淳士に「やれるね?」と優しくRYUICHIは声をかける。そして、「俺たちの旅の始まりの歌です」と「LUCA」へ。真矢をセンターに、5人が並ぶ映像も映されたこの曲を歌い終わると、RYUICHIは気合いを入れ直して「お前ら全員でかかってこい!」と叫んで「WISH」に突入。オーディエンスのコーラスを受け、最後の力を絞るかのような演奏に会場が揺れた。


ダブルアンコールに応えてステージに戻ったメンバーたち。RYUICHIが「今夜のライヴに向けて、真ちゃんは準備をしてくれていました。みんなに届けたい映像があるので見てください」と言うと、スクリーンにはリハーサルスタジオで新しいドラムの試奏をする真矢の姿が映る。「そんな真ちゃんの想いを乗せて、愛を込めて、みんなに最後にこの曲を贈ります」と、ラストナンバー「HOLY KNIGHT」が始まった。最後にRYUICHIは「ドラムス、真矢」と紹介した。
そして、真矢をはじめメンバー4人の地元である神奈川県秦野市から始まる全国ツアーが発表された。メンバーはそれぞれオーディエンスへの感謝と真矢への想いを口にしながらステージを降りたが、SUGIZOは去りがたい様子で真矢のドラムセットの隣に立ち、会場に真矢コールを促し、自分の胸に手を当ててオーディエンスへの感謝を示した。
季節外れの聖夜が開いたLUNA SEAの新しいページは、寂しさを乗り越えて進もうとする心強い物語の始まりだ。そんな思いを感じさせる、包容力のあるライヴだった。



























