新着MVランキング:BE:FIRST、余裕と自負が滲む中毒的フック 「BE:FIRST ALL DAY」に刻むスキルの証明
MV Chart Forcus
毎週更新される「YouTube Music Charts」ウィークリー ミュージック ビデオ ランキングより、MVをはじめとした音楽関連の新着動画から上位10作品/楽曲を取り上げ、ランキング化&レビューしていく連載「MV Chart Focus」。3月13日〜3月19日のウィークリー新着のTOP10は以下の通り(※1)。
1位:BE:FIRST「BE:FIRST ALL DAY」MV
2位:M!LK「爆裂愛してる」from『CDTVライブ!ライブ!』
3位:東京スカパラダイスオーケストラ VS. 稲葉浩志「Action」THE FIRST TAKE
4位:NiziU「Dear…」MV
5位:雨良 feat.初音ミクVS重音テト「ダダダダダル」MV
6位:MIU、AYANE、TSUZUMI(ME:I)「Golden (Japanese Ver.)」Covered
7位:なとり「セレナーデ」from『3rd ONE-MAN LIVE「深海」』
8位:優里 × Tani Yuuki × 川崎鷹也「Love so sweet」acoustic cover
9位:ふみの「ホットライン」MV
10位:BE:FIRST「BE:FIRST ALL DAY」Official Audio
今回取り上げるのは、首位のBE:FIRST「BE:FIRST ALL DAY」。今年11月にデビュー5周年を迎えるBE:FIRSTによる、「一生涯BE:FIRSTでいること」を掲げたアニバーサリーイヤーの幕開けとなるシングルだ。本楽曲は5月のCDシングルリリースに先駆けて、デジタル配信とMVの公開が3月16日にはじまり、見事新着MVランキングの首位を獲得した。
ループ感の強いビートを中心に、ベースのフレーズとユニゾンする中毒性の高いフック、スキルフルなラップをフィーチャーしつつも、ブリッジやハモりではメロディアスかつスイートな歌唱もがっつりと登場。爆発力がある派手な曲というよりも、多方面に聴きどころがある、ボーイズグループらしいバランスのとれた楽曲だ。一方のリリックは、これまでの5年間で築いてきた自信と自負を表現しつつも、強い物語を打ち出すのではなく、むしろ余裕を感じさせる。〈感じるなら/Hands in the air/御託はいらない〉というサビのフレーズは、まさにそんなスタンスの象徴と言えそうだ。
MVでは、海底に沈んだ廃墟にはじまり、蔦に覆われた団地を舞台にメンバーが歌い踊る。ラストではロケ地となった島の全景が映し出されるが、長崎県長崎市の池島と目されているようだ。パフォーマンスにフォーカスしたストイックなビデオかと思いきや、徐々に風景は奇想にあふれたものになっていく。歪な色彩の空には謎のオブジェクトが浮遊し、巨大生物の姿も見えるなど、SFチックなイメージが飛び出してくる。海を舞台にしたスチームパンク風の世界観にも見えるし、風景のなかに紛れ込む異物には、もっとシュルレアリスティックな想像力がかきたてられる側面もある。
そんなユニークなMVではあるものの、忙しないカメラワークやカット割り、過剰なエフェクト、やや息苦しくも感じられるアングルもあいまって、この楽曲のダイナミックなコレオグラフィがややわかりづらい印象がある。楽曲が比較的飾り気のない、パフォーマンススキルで見せ、聴かせるようなタイプの作りになっているだけあって、ここは少しもったいなく思える。実際、ダンスパフォーマンスにフォーカスしたビデオ(※2)では、MVでは細切れになっていたムーヴの一つひとつが、躍動感あふれるフォーメーションチェンジとともになめらかに展開していく様子が見てとれる。その意味では、パフォーマンスが物を言う音楽番組などでの披露が楽しみな楽曲とも言えそうだ。
※1:https://charts.youtube.com/charts/TopVideos/jp/weekly
※2:https://www.youtube.com/watch?v=GPEdKf8Sf5M