ロックンロールで景気を良くする3ピースの新星 THE DO DO DO's、“楽しいこと”を信じ続けてきた結成からの歩み

THE DO DO DO'sが何者かを示す『MIRACLE』 それぞれのお気に入り曲は?
ーーTHE DO DO DO'sの制作はどういう風に進むんですか?
クハラディ・クハラダ:最近は僕がLogicというMacに入っている作曲ソフトで90%ぐらい作って、スタジオに入って合わせています。
ーー先月リリースしたアルバム『MIRACLE』には、新曲と既発曲が混在してますね。
ヒノ・ヨーコ:資料には「1stにしてベストアルバム」と書いてもらってるんですけど、これまでにEPを何個か出してきて、ここら辺で「THE DO DO DO'sってなんだ」みたいなことをちゃんと示せるベスト盤みたいなアルバムを録りたいねって話をして。自分達的にこれがTHE DO DO DO'sだって言える昔の曲を入れつつ、クハラがいっぱい出してきた新曲もすっごい良かったから、既存曲と新曲5曲ずつでアルバムを作りました。
ーーそれぞれ気に入ってる曲を1曲選ぶとしたら?
アオイマジン:「MIRACLE」。この曲はドラムを叩く時に一番迷いがない。音源が来た段階では出す音が決まってるみたいな曲でした。先の明るい曲だと思います。
クハラディ・クハラダ:僕は「Driver」ですね。音源に隙間がある感じや、ギターのフレーズ、エフェクターのかけ方だったり、僕が好きなベースレースのバンドの要素がほぼこの曲に詰まっている。自分のやりたいことをひとつ達成できた曲です。
ヒノ・ヨーコ:「こころのままで」は私の歌の今までにない側面が出たんじゃないかなと思います。自分の声質って低いし結構細くて、息が多い声というか、喉も弱くてあんまりロックバンドっぽい声ではなくて。その中でメロディが強い曲たちを歌うから、これまでは声を強くしようって努力してきたけど、「こころのままで」は本来の声質の部分が出たような気がして嬉しかったです。
ーー「こころのままで」のほかにボーカルで何か意識した曲はありますか?
ヒノ・ヨーコ:THE DO DO DO'sってメロの高さが曲によって結構違くて。「夏」は明るい曲調だけど自分の声のキー的には低いんですよね。「Hold me baby,kiss!kiss!kiss!」や「もっともっと!」もそうかな。そういう低い曲をいかに明るい声質で歌うかというのは考えました。あと、「Your likes are my dislikes」はラップがあって大変でした。やったことがなかったので難しかったですね。
ーー少しHIPHOPっぽさがありますね。
クハラディ・クハラダ:K-POPがHIPHOPめっちゃやっているから、うちもやりたいなって(笑)。ジョン・スペンサーにもHIPHOPの良さがめちゃくちゃあるし、少なからず今後そういう要素を入れてやっていきたいとは思っていて。その導入として入れてみました。
ーーそういう部分を自分で歌おうとは思わないんですか?
ヒノ・ヨーコ:マジでそうだよ(笑)! だってラップ上手いんですよ。
クハラディ・クハラダ:自分でやろうとも思ったんですけど、弾きながらできないんですよ。コードじゃなくてギターをリフで動かしているので、歌っていただくという形になりました。
ーー「またね」はちょっとJUDY AND MARY感がありますね。
クハラディ・クハラダ:そうですね。JUDY AND MARYをしたくてこの曲を作りました。
ヒノ・ヨーコ:JUDY AND MARYはみんな好きだよね。アカリちゃんがいた時に、3人の唯一の共通項がJUDY AND MARYでした。

ーー『MIRACLE』はド頭の2曲がいいですよね。「わかりたい」のような8ビートこそがロックンロールだと私は思います。
クハラディ・クハラダ:僕もこの2曲はめちゃくちゃ好きです。1曲目(「Hold me baby,kiss!kiss!kiss!」)に関してはどういう風に生まれたのかあんまり覚えてないんですけど、2曲目(「わかりたい」)はSUPERCARをめっちゃ聴いてた時期だから、SUPERCARみたいな曲作ろうと思っていたことを覚えています。たぶん『スリーアウトチェンジ』のコードの使い方に影響を受けていますね。あとは同時にThe White Stripesもめっちゃ聴いてたんで、ファズのギターイントロはジャック・ホワイトがやってる感じを出したいと思っていました。
ーー「夏」もこのバンドのイメージにしっくりくる曲です。
クハラディ・クハラダ:「夏」もやっぱりSUPERCARからきているのかな。あと、うろ覚えなんですけど、イントロのギターリフはたぶんN'夙川BOYSの「Freedom」からインスパイアを受けた記憶があります。
ーーこの曲のドラムで意識したことはありますか?
アオイマジン:「夏」はとにかくスネアを夏の音にする。景気がいい音。
クハラディ・クハラダ:カンカンしてる。
アオイマジン:スカーン! パーン! みたいな。ライブでも「夏」はスネアの音をめっちゃ聴いています。
“ロックンロールで地球侵略”ーーその心は「自分たちの音楽の良さを信じてるから」
ーーTHE DO DO DO'sはどの曲も景気がいいですよね。
アオイマジン:そうかも。景気の良さはこのバンドをやるにあたって意識しています。めっちゃ明るくしたい。
ーー歌詞は恋の甘酸っぱさを綴っているように思いますし、もっと言えば恋を通して人生を歌ってるのかなと思いました。
クハラディ・クハラダ:あんまり考えて歌詞を作ったことがなくて、結構感覚的にその時思ったことを書いているんですけど。でも、やっぱり自分の心の内が出ているのかな。そんなに恋をしたことがあるわけでもないので、あくまで想像の中でこの歌詞を書いてます。
ーーN'夙川BOYSもこの一瞬で世界が変わるんじゃないかと思わせるような曲を書いてると思います。それが恋の魔法なのかロックンロールの魔法なのかはわからないけど、THE DO DO DO'sからもそういうところを感じます。
クハラディ・クハラダ:ロックンロールにはこういう歌詞が割と多いかなと思うので、そういうとこで無意識に影響を受けてる部分はあるかもしれないですね。
ーー『MIRACLE』というタイトルとこの音楽性、そしてこのアートワークを見ると、なかなか奇跡を信じてないとやれない感じだなと思うんですけど。
ヒノ・ヨーコ:(笑)。
クハラディ・クハラダ:カラフルだったり、ポップだったりするものが好きなんですよね。そういうのをちゃんと現実に投下できるものが欲しかったというか。そういう存在ってあんまり日本にいない気がするので、そういうことをやっていきたいんですよね。ずっと楽しいことがやりたいというか。
ヒノ・ヨーコ:いい意味で余白がある。前にアオイちゃんも言ってたけど、背伸びしないとか、こねくり回さないでポンって出すみたいな、その余白がいいなって思います。
ーーヒノさんとアオイさんは、何を原動力にしてこのバンドで演奏していると思いますか?
ヒノ・ヨーコ:クハラは千葉の同い年のバンドの間で、めっちゃかっこいいロックンロール野郎がいるっていうことでちょっと有名だったんですよ。そんな人に「音楽やろう」って言われたっていう、自分はそこにめっちゃミラクルを感じてやっています。その輝きは今でも全然褪せないし、とにかく明るいことを明るいままでやる。このバンドにはそういう輝きがあると思います。
アオイマジン:やっぱり明るくしたいんですよね。私はさっきも言った通り景気を良くしたい。流行っているものがちょっと暗い音楽だったりするし、なんか悲しいじゃないですか。嬉しいとか、楽しい状況がちょっと良くないみたいなのって。私は楽しいことを楽しいと、まっすぐ感じていいはずだと思うから。今こういう音が鳴り続けてほしいんです。
ーープロフィールには「『ロックンロールで地球侵略!』を掲げる」と書かれていますね。
ヒノ・ヨーコ:したいよね?
クハラディ・クハラダ:はい。侵略させていただければと。
ーーなんでロックンロールで?
クハラディ・クハラダ:なんでだと思いますか?
ヒノ・ヨーコ:自分たちの音楽の良さを信じてるからでしかないと思います。「侵略」と言ってるけど、この音楽に触れる人が多ければ多いほどいいなって勝手に思っているみたいな。
ーー「地球侵略」という言葉からは、海外への意識も感じます。
クハラディ・クハラダ:そうですね。体感的にも海外のファンは多いので、なるべく海外にアプローチできたらと思っています。去年も韓国と中国のイベントに出れて楽しかったです。
ヒノ・ヨーコ:自分は海外に行ったことなかったので、その国のことを知れたのが面白かったです。韓国の人も中国の人も、めっちゃ喜んでくれたんですよ。中国のPAさんはTHE DO DO DO'sが大好きで、泣きながらPAしてたらしくて(笑)。嬉しかったですね。
クハラディ・クハラダ:『MIRACLE』をリリースした時も、ストーリーにあげていただきました。
ーーなぜ海外のリスナーが自分たちの音楽を聴いてるんだと思いますか?
クハラディ・クハラダ:こういうビジュアル面も、日本ではウケないけど、海外でウケる部分があったりするのかな。自分たちから見るとわかんないけど、もしかしたら向こうから見たジャパニーズカルチャーとしてのバンドって、自分たちみたいなものになるのかもしれない。ちょっと漫画やアニメっぽい要素が入っているから、そういうのも含めて日本っぽいイメージがつきやすいバンドなのかもしれないです。
ヒノ・ヨーコ:あと、やっぱりうちらはYouTubeをきっかけにして広まったとこがあるから。YouTubeってアメリカやヨーロッパ圏の人、韓国の人もすごい見てて、それで海外で人気があるんだと思います。

ーー2026年、それぞれやってみたいことはありますか。
ヒノ・ヨーコ:最近歌を上手くなれって言われるようになって、最初はうるせえと思ったんですけど(笑)。それまでは正直自分がボーカルだっていう意識があんまりなかったんですよね。でも、それをきっかけに歌のことを真剣に考え出したら意外と楽しくて、今年はもっと歌頑張るぞ、という感じです。
アオイマジン:好きだったけど特別な理由もなくやってなかったことが沢山あって。たとえばファッションとか、写真を撮ることとか、わがままになっていいんだなって最近凄く思うので。今年はやりたいこと全部やっちゃおうと思います。
クハラディ・クハラダ:今まではバンドのサウンドだけでやってきたんですけど、たとえば同期を入れたり、もっといろんな音を入れたいです。ぶっちゃけロックだけじゃないこともやれるバンドだと思っているので、ジャンル超えていろんなことをやっていきたい。僕はちゃんと時代に適応したものを作りたいです。
ーー時代に適応するというのは、売れるということでもある?
クハラディ・クハラダ:そうですね。やりたいことがいっぱいあるんで。色々やるためには正直お金を稼がなきゃいけないよね、みたいな部分はありますね。あと、大衆的な音楽の土俵に、ロックンロールをやっているバンドが上がる状況を見てみたいと思ったりもします。
ヒノ・ヨーコ:ベースレスだしね。
クハラディ・クハラダ:うん。変な編成でどこまで行けるか、みたいなのはちょっと思ってたりしますね。
ーー今はツアー真っ最中ですね。ファイナルは初のワンマンライブです。
ヒノ・ヨーコ:ワンマンってことはTHE DO DO DO'sを見たいやつしかいないってことだから、その人たちがまじで来てよかったと思えるライブをしたいです。
アオイマジン:ライブを見た人がその先のことを考えられるように。
クハラディ・クハラダ:景気よくね。
アオイマジン:うん、未来明るいですよって思えるようなライブがしたい。
























