Mr.Children 桜井和寿、56歳の“産声” ポップス史を体現する軌跡、終わりなき旅を更新し続ける説得力
ニューアルバムに冠した『産声』という“生”への究極の肯定
現在放送中のドラマ『リブート』(TBS系)の主題歌「Again」も、まさにその延長線上にあると思う。ピアノには小林武史を迎え、研ぎ澄まされたサウンドで紡がれるこの曲はドラマのために書き下ろされたものでもあるが、過去を否定するのではなく、すべてを抱えた上で“再起動”するのだというメッセージを放つ。年齢を重ねる現在の彼自身の宣言のようにも響くその旋律は、聴く者の背中を優しく、そして力強く押し出す。
Mr.Childrenは、今月25日にニューアルバム『産声』のリリースを控えている。「昨日より充実した今日でなくとも 今日より素敵な明日が来なくとも 『今日を生きている それだけで意味がある』 そう感じられた時、新しい命が、胸の中で産声をあげる」(※1)。先行配信された表題曲に寄せられた桜井のコメントは、多くの苦難を乗り越えてきたからこそたどり着ける、“生”への究極の肯定である。
年齢を重ねるごとに、桜井の歌声には“余白”という名の深みが加わっている。高音の鋭さはそのままに、低音に宿る穏やかさや、言葉の端々に時折滲む切なさ。今の彼が歌う「終わりなき旅」は、20代の頃の歌とはまた異なる説得力を持つだろう。〈いいことばかりでは無いさ〉と彼はかつて歌った。そして、その後に続く〈でも次の扉をノックしよう〉という言葉。この言葉を、彼は今も誰より忠実に、そして情熱的に実践している。
※1:https://www.mrchildren.jp/news/