ISSEI×SKRYU、濃厚濃密なコラボレーション「Perfect」誕生! これからのHIPHOP、自分が愛するHIPHOPを語り合う

自分のなかの新しい引き出しを見つけた(ISSEI)

SKRYU:ISSEIって、いわゆるトレンドのキレ感を表現する土台のスキルは大前提として持っている人なんです。だから、今回の「Perfect」はその先――力を抜くところ、リラックスしたところ、エンジョイしているところも一緒に挑戦してみたって感じというか。かなり緩急があって、アトラクションが多い曲だと思う。話し言葉をラップに落とし込むセンスも完璧だと思いましたし。むしろ、これまでが完璧すぎたから「人間臭さを出してやろう」みたいなイメージでした(笑)。

ISSEI:嬉しすぎます。

SKRYU:でも、俺もやりたくてやっているからさ。それをあんなに完璧に全部やってきてくれて、逆にすげえありがとうっていうか。

ISSEI:正直、最初はどう書いていいかわからなかったんです。こういうトラックは初めてだし。最初期のヴァースはもっと(ラップが)詰め込まれていました。それを自分で聴いてみたら、すぐに飽きちゃって。「この感じは違うかも」と気づいて、フロウを変えたり、試行錯誤を繰り返して。「Perfect」の制作を通じて、全部キメキメにしちゃうと、完成品は逆にかっこよくなくなることがあることを学ばせてもらいました。自分のなかの新しい引き出しを見つけたというか。これまで聴いてくれた人には驚いてほしいし、初めての人にはシンプルに楽しんでもらいたい気持ちです。でも、これは自分ひとりでは絶対に出せませんでした。制作時のやりとりやレコーディングの雰囲気から得たフィーリングを吸収できたからですね。

――ISSEIさんが好きなSKRYUさんのラインを教えてください。

ISSEI:〈ラブタイプ診断は「恋愛モンスター」〉ですね。「こんなこと言っていいんだ!」っていう。この歌詞を読んで、自分のリリックを書き直しましたし。

SKRYU:俺なんかはMBTIで止まっている世代で。でも、最近ラブタイプ診断というものがあると聞いて、やってみたんですよ。そしたら歌詞のとおり、“恋愛モンスター”という結果が出て、しかも“浮気っぽいお調子者”と書かれていて。自分は音のなかで10年間も実直に歩んできたのに、「この結果はなんやねん!」という。その気持ちを歌詞にブチ込みました(笑)。

ISSEI: こんなに強いワードは僕だったら絶対に入れられない(笑)。だから、聴いた時にショックを受けました。

――ポップミュージックにおける固有名詞は、時代を映す鏡のような効果があるので、数年後にまた違う意味が出てくるような気がします。

ISSEI:たしかにそうですね。こういうワードには時代をパッケージする力があるし、今を共有している人が数年後に聴くと「そういうのあったよねえ」みたいな感覚になりそう。

SKRYU:最先端も必ず古びていきますもんね。

ISSEI:ちなみに僕のラブタイプ診断はキャプテンライオンです。いろんなラッパーにラブタイプ診断を告白させるリミックスを作ったら面白そう(笑)。

SKRYU:あはははは!

ISSEI:(笑)。でも、SKRYUさんのヴァースはワードチョイスもフロウもスキルも全部がすごすぎたので、自分ももっと頑張らなくてはと本気で感じました。さっきの話になりますが、リリックの書き直しも一度や二度じゃないし、細かい言い回しやビートの跨ぎ方、乗せ方とか、SKRYUさんと作れるこの貴重な機会でやれることは全部やったと思えるくらいにはやりきりましたね。自分も新しい力を得たと思うし、何より、すごく楽しかったです!

SKRYU:これは言っておきたいんですけど、歌詞の書き直しってみなさんが考えている以上にキツい作業だと思うんです。マジで「う〜っ」と頭を抱えてしまうくらい。だって、ものすごく考えて言葉を選んで、それらをビートをハメていく作業なわけですから。めちゃくちゃ大変だし、俺も歌詞を書き直さなきゃいけない時は、正直あまり人と喋れなくなる。でも、ISSEIは多忙ななかでもバチっと決めてきたんですよ。そんなのを見せられたら、やっぱりこっちも投げ出せないじゃないですか。

下北沢で飲みすぎて、でんぐり返したあの日の後悔をようやくグルーヴにできた(SKRYU)

――フックのレコーディングはどのように進んだんですか?

SKRYU:僕のアイデアをISSEIと一緒に形にしていきました。

――〈日々のミステイクも今日のGroove〉というラインは本当に素晴らしいと思いました。

SKRYU:そこは俺の歌詞ですね。たしかに自分でも本当にいい歌詞だと思う。このラインならISSEIに先輩風吹かせることができるなと思って(笑)。実際に生きているとミスすることはあるし、それを「今日のグルーヴだ」と思えなかったりもするじゃないですか。だからこそ、歌にする意味があると思ったんですよね。

ISSEI:誰にだって、きっとどこかでミスした日もあると思いますし。それを経てのパーフェクトな今があるというか。

SKRYU:俺も下北沢で飲みすぎて、最終的にでんぐり返ししてしまったあの日の後悔をようやくこの曲でグルーヴにすることができたなって思ってますもん。

ISSEI:自分の親戚に真剣に野球をやっている子がいて。その子は本当に実直に野球だけをやっていて、普通だったらそのまま甲子園に出られるはずだったんですけど、肩を壊してしまって。話は家族づてに聞いていたんですけど、こっちから連絡していいものかわからなくて。そしたら珍しく電話をかけてきたんですよ。そこでいろんな話をふたりでして。僕は安易に共感できないし、しちゃいけないと思ったし、ただ励ますのも違うと思ったんです。でも、寄り添いたい気持ちは自分のなかにあって。だから、最終的には「お互いに前を向いて頑張ろう」みたいな話になったんです。今話していて、ふと思い出しました。あの時の経験は、この曲にかなり活きている気がしますね。その親戚の子は今、大学野球ですごくがんばっているんです。思春期のミスって、刺さるというか、まわりが見えなくなりがちだと思うんです。だから、この曲は若い子にも聴いてもらいたいんですよね。

SKRYU:わかる。

ISSEI:失敗しても何回でもやり直せるからって。

SKRYU:そういうことを大人に言われても普通に聞き入れられないじゃん。「違うんだよ」みたいに反発しちゃいがちというか。

ISSEI:僕も生きてきたなかでミスしたことは何回もあるし、その時はどん底まで落ち込みましたし、でもそこで気づけたこともあった。何事にも恐れずにチャレンジしてほしいですし、そこで失敗してしまってもやり直せるから。誰に何を言われても自分が頑張ればいいだけだと思っています。

ISSEI - Perfect feat. SKRYU (Official Music Video)

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