梅澤美波、遠藤さくら、一ノ瀬美空が語る“今の乃木坂46”の強さ 数々のステージを糧に掴んだ確かな自信
3、4期生の卒業、6期生の加入と、変化の波が押し寄せた2025年の乃木坂46。その一方で、味の素スタジアム公演や全国ツアー、アンダーライブ、卒業コンサートなど、ライブを通じて“今の乃木坂46”の確かな輪郭が浮かび上がった1年でもあった。
本インタビューでは、キャプテンである3期生の梅澤美波、4期生の中心を担う遠藤さくら、そして5期生の一ノ瀬美空が、それぞれの立場から2025年を振り返る。グループの歴史を背負いながら前へ進む覚悟、未来への静かな闘志、新世代へと受け渡されていく意志ーー3人の言葉から、彼女たちが見つめている“今”と“その先”に迫る。(編集部)
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「乃木坂46にとってライブはすごく大きい存在」ーー2025年の激動に刻んだ進化
――まずは2025年の振り返りをできたらと思います。昨年の乃木坂46は3期生や4期生の卒業、6期生の加入という変化の大きかった1年でしたが、そんな中で皆さんが特に印象に残っている活動を挙げるとすると?
梅澤美波(以下、梅澤):私は5月に味の素スタジアムで開催させていただいた『13th YEAR BIRTHDAY LIVE』(※1)がすごく印象的でした。味の素スタジアムという私たちにとって初めての会場でライブをできたこともそうですし、あんなに大きな会場を2日間も、お客さんを満員にできたことも嬉しくて。毎年『バスラ』をやらせていただくたびに、久しぶりに披露する楽曲とともにグループの歴史を考えたりいろんな過去の思い出が蘇ってきたりするんですけど、それと同時に今回は“今のメンバーでこの場所に立てる喜び”も素直に真っ直ぐ受け取れた。それが自分の中でひとつ自信に繋がりましたし、そう思わせてくれるファンの方と一緒にゆっくり、着実に進んできたことが実を結んだ瞬間でもあった気がして。そういうことがすごく印象に残りました。そして、そんな場所に6期生を立たせてあげられたこともすごく嬉しくて、夏に向けてさらに勢いを加速させることができたなと思いました。
――2022年の日産スタジアムでの『10thバスラ』(※2)の頃はまだ1期生や2期生も在籍していたので、「先輩たちに連れてきてもらった」という気持ちも強かったと思います。3期生以降のメンバーを中心とした現在の編成になって2年以上経ったタイミングに味の素スタジアム公演を実現させられたからこそ、大きな自信に繋がったと。
梅澤:そうですね。もちろん、味の素スタジアムまでも東京ドームや神宮(明治神宮野球場)とか、先輩たちから引き継いできたものがたくさんあって。それらを今も守りつつ、また新たな場所へ進むことができたのは、結果が形として見えた気がしてすごく嬉しかったです。
一ノ瀬美空(以下、一ノ瀬):ライブ続きになってしまうんですけど、自分の中では『真夏の全国ツアー2025』(※3)がすごく印象に残っています。今回は2024年以上にたくさんの会場をまわらせていただいて、中でも私自身は香川と静岡で初めてライブをさせていただくことができました。私が乃木坂46に加入した時、「ホームにできる場所を増やしたい」という目標を掲げさせていただきました。ファンの方は全国各地に住んでいて、それぞれの場所からエールを送ってくださっている。だから、私たちからみんなのもとに会いに行って、直接愛や感謝を届けたいという気持ちもあったので、昨年の夏はまたふたつ新しいホームが増えたと思っていて。味の素スタジアムもそうですけど、新しい場所に挑戦させていただける今の環境が本当にありがたかったですし、6期生にとっても初めてのツアーだったので、公演を重ねていくごとにみんなが一緒に成長していく姿を近くで見れたことも自分の中では大きな出来事でした。
――特に、この夏は一ノ瀬さん的にも初めてシングル表題曲のフロントに立つタイミングでしたし、今まで以上に背負うものもあったのではないでしょうか。
一ノ瀬:実は今までのツアーの中でも一番楽しめたんですよ。フロントに立つというプレッシャーを感じるよりも前に、ありのままの私を受け入れてくれたメンバーにすごく助けられましたし、スタッフさんも私やそれぞれのメンバーの良さを引き出そうといろいろ考えてくださったこともあって、本当に伸び伸びと楽しめたので、いい思い出になりました。
遠藤さくら(以下、遠藤):2025年も濃かったのでいろいろあるんですけど……私もライブが印象に残っていて。中でも11月の久保史緒里さん卒業コンサート(※4)が個人的には印象深かったと感じる出来事です。久保さんは先輩でありながら、その中でまたちょっと違った距離感でしたし、同い年だったこともあって同級生みたいに他愛もない会話ができた先輩のひとりでした。なので、そういう身近な先輩のご卒業というのは、私にとってもほかのメンバーにとっても大きかったなと感じることで。私は寂しさより、久保さんがいなくなることへの不安のほうが大きくて、「これからグループをちゃんと引っ張っていけるかな?」ということをすごく実感したライブだったんです。でも、だからこそ乃木坂46との向き合い方が少し変わった瞬間でもあったので、それくらい自分の中では大きな出来事でした。
――ライブも2日間で被った楽曲が1曲のみのセットリストでしたが。
遠藤:そういうところにも久保さんらしさが出ていたし、本当に乃木坂46が好きなんだなって感じるセットリストでした。久保さんにしかできない卒業コンサートだったので、こういう形でしっかりと見送れたことが一番嬉しかったです。
――梅澤さんにとっては同期の卒業という側面もありましたが、経験してみていかがでしたか?
梅澤:今いるメンバーはいろんな思いを抱えながら、それぞれがグループへの愛を持って活動しているんですけど、卒業コンサートでは卒業するメンバーがやりたいことや思い入れのある曲が明確に見えてくるんですよね。寂しさもありつつ、「乃木坂46のことをこういうふうに見ていたんだな」という発見もあるので、毎回新鮮な気持ちで臨んでいます。特に久保は、加入する前からずっと乃木坂46のことを思い続けてきた人だったので、彼女の“乃木坂愛”がすごく壮大な形として見えましたし、こんなにもいろんなものを背負いながらやり遂げたんだという感慨深さもあって……同期としてすごく誇らしかったです。
――一ノ瀬さんは、久保さんとは親分子分の間柄でしたよね。
一ノ瀬:ふふ、そうですね(笑)。久保さんにはすごく甘えさせていただきましたし、誰にも見せたくない自分の中のちょっとした黒い部分も肯定してくださるような、そういう面でも頼らせていただいていた存在でした。もちろん今も寂しさはあるんですけど、それこそお二人も言ってらっしゃったように、久保さんらしいセットリストだったり、MCをしない代わりに繋ぎ用のVTR映像を新規で撮り下ろしたりと、ファンの方や私たちメンバーに向けて「こういう愛の届け方もあるんだよ」って学ばせていただくことが最後までたくさんありました。この経験を糧にまた自分が強くなるための分岐点にしたいな、と強く思った2日間でしたね。
――2025年の乃木坂46はライブにおいて本当に充実していただけあり、皆さんから印象的な活動としてライブの話題が上がるのは非常に納得がいきます。ここ数年、遠藤さんはインタビューするたびに「ライブが年々楽しくなっていて、最近は全部の活動の中で一番楽しい」とおっしゃっていましたよね。
遠藤:そうですね。
――ということは、遠藤さんのみならずメンバーの皆さんにとっても、自分らしさをもっとも強く打ち出せる場がライブであるのかなと。それはつまり、「今の“乃木坂46らしさ”をもっとも感じられる場所」という意味でもあると思うのですが、いかがですか?
梅澤:本当にその通りだと思います。自分たちもアイドルとして「私は今この瞬間、アイドルとして生きてる!」って実感できる場所がライブですし、グループのことをちゃんと見せられる場、表現できる場でもあり、こんなにも感情をむき出しにしても受け取ってくれる人たちがこんなにもいるんだと感じることができる、本当に大切な場所なんです。乃木坂46にとって、ライブはすごく大きい存在。2025年も『バスラ』や全国ツアー、アンダーライブに卒業コンサートと、先輩たちから引き継がれてきたものを今もこうして毎年開催できていること自体もすごくありがたいなと思います。
――僕は乃木坂46のことを結成当初から見続けていますが、ここ数年は全体ライブもアンダーライブも、毎回必ずいい方向に更新されているから、観ていてワクワクするんです。アンダーライブも、個人的には昨年10月の『39thSGアンダーライブ』が歴代ベストだと思っていたんですが、年末に日本武道館で行われた『40thSGアンダーライブ』がそれをさらに上回ってきて。
遠藤:(無言で頷く)。
梅澤;わかります。
一ノ瀬:すっごくよかったですよね。
――メンバーの皆さんが「前回よりも絶対にいいものを届ける」と一切妥協せずに臨む姿勢が、特に3期生以降のメンバー中心で動き出してからはより強まっている気がするんです。
梅澤:オリジナルメンバーが誰ひとりいなくなっても曲は生きているわけだから、私たちがしっかりと届けていかないといけないというプレッシャーは、今も常に感じていて。グループとして活動を長く続けていくためには、今応援してくれているファンの皆さんを含めて、お客さんを飽きさせないことは大前提ですし、離れてしまったファンの方もまた応援してくれるようになってほしいと思っているんです。「もっと広げていかなければいけない」とか「先輩から繋いできたものを守らなくちゃいけない」とか、確かにいろんなプレッシャーや焦りもありますけど、今はそれ以上に前を向きながらポジティブにやっていくことの大切さを一番感じています。そういう姿勢でいれば、緊張感も私たちをいい方向に導いてくれるはずだと信じているので、これからもいいプレッシャーを感じながらライブと向き合っていきたいです。
遠藤:私たち4期生は加入当初、ライブのお客さんは先輩方のことが好きで観に来ていた方がほとんどで、その中で「なんとかして好きになってもらわなくちゃ、もっと応援したいと思ってもらわなくちゃ」って考えながらライブをしていたんですけど、なかなか上手くいかなくて。自信がなくなって落ち込むこともあったんですけど、それでもがむしゃらにライブと向き合い続けていくうちに、だんだんと「お客さんを楽しませたい」という気持ちから「自分も楽しみたい」という気持ちに変化していったんです。それがいつ、どのタイミングだったのかは記憶が曖昧なんですけど、自然と「自分が誰よりも楽しんじゃおう!」っていう気持ちを持てるようになっていましたね。
一ノ瀬:5期生が全体ライブで初めてステージに立ったのは、2022年の日産スタジアムでの『バスラ』の時で、すでにその時点で1、2期生さんは合わせて6人しかいなかったんです。そんな中で、私たちは「みんなでゆっくり成長していこう」というよりも「どれだけ早く先輩についていけるようになるか」と頑張っていたんですけど、先輩方のパフォーマンスを近くで観ていたら、「早くこんなふうに表現できるようになりたい!」とすごくうずうずしてきちゃって(笑)。そういう前のめりな姿勢は5期生の強みでもあると思いますし、それと同時にお手本にできる先輩方やすごい存在が身近にたくさんいらっしゃることも、今の乃木坂46の強みだと私は思っています。そういう環境があるからこそ、みんなが同じ方向を向いて切磋琢磨できていると思うので、いつか6期生も私たち5期生を見て同じように感じてもらえるようになったら嬉しいです。
――その6期生ですが、実際今の皆さんに追いつこうと必死で、その成長スピードもかなり速いものがあります。
梅澤:「もっとゆっくりと、一歩一歩進んでいきたいよね」っていう歯がゆさも、きっと心のどこかにはあるんだろうなと思うんですけど、求められるもののハードルが5期生のとき以上に高くなっていますからね。でも、必死になって食らいついてきてくれて、今では胸を張って乃木坂46の一員だと言えるくらいにまで成長してくれたので、よく諦めずに頑張ってくれたなと褒めてあげたいです。