モーニング娘。'25から4名卒業、Juice=Juiceの快進撃――2025年下半期ハロプロ重大ニュースを振り返る
【05】08.16[つばきファクトリー]西村乙輝、ハロプロ研修生から昇格加入
前述のアンジュルム·長野桃羽と同じく、つばきファクトリーの新メンバーもこの日に開催された『ハロ!コン 2025』LaLa arena TOKYO-BAY公演にて発表された。
その新メンバーは西村乙輝。こちらもハロプロ研修生からの昇格加入という形だ。5月開催の『Hello! Project 研修生発表会 2025 ~春の公開実力診断テスト~』では「Come with me」(こぶしファクトリー)を歌い、ベストパフォーマンス賞に選ばれた。ベストパフォーマンス賞を獲ったメンバーはその後ハロプロ正規グループに加入する確率が高いが、西村はつばきファクトリーへの加入となった。
神奈川県出身の中学3年生で、研修生時代からハロプロ愛をよく表明していた西村。趣味はハロプロのCDやグッズを集めることだという。しかし、加入発表から3カ月後の11月、体調不良により長期休養するという発表があった。現在は活動休止中だが、復帰をじっくり待ちたいところだ。
【06】10.01[BEYOOOOONDS]DJ KOOとのコラボシングル『最KOO DE DANCE』発売
TRFのDJ KOOが2025年でDJ活動45周年を迎えたのを記念し、BEYOOOOONDSとのコラボレーション楽曲「最KOO DE DANCE」が制作された。
DJ KOOの娘がハロプロのファンで、それをきっかけにDJ KOO自身もハロプロにハマっていったのはファンによく知られるところ。2024年のBEYOOOOONDSの日本武道館コンサート『BEYOOOOONDS CONCERT 2024 AUTUMN「DISCOOOOOTHEQUE BUDOOOOOKAN」』では、スクリーン映像にDJ KOOが登場するという場面があったほか、当日観客席にいたDJ KOOがカメラに抜かれるという一幕もあった。
そんな経緯もあり、DJ KOOとBEYOOOOONDSがコラボすることになったのも必然的な流れだろう。楽曲「最KOO DE DANCE」の作詞はDJ KOO、共同作詞と作編曲は数々のハロプロ楽曲を手がけている星部ショウが担当。小室哲哉=TKサウンドへのオマージュ色が濃いパーティーチューンに仕上がった。
【07】10.15[OCHA NORMA]日本武道館で初単独コンサート開催
結成から約3年を経たOCHA NORMAが、初の日本武道館単独コンサート『OCHA NORMA 2025 LIVE at BUDOKAN ~#OCHAnnel~』を開催した。
この日の公演は、ライブ自体をひとつのテレビ番組に見立てるというコンセプトで展開。ライブタイトルや、スクリーンでの演出などからもそれは見て取れた。コンサート中盤では、「わかってるっつーの!」「ウットーシー!」「黙ってついてこい!」の3曲が続いたのが面白かった。10代女子が持つ特有の“苛立たしさ”を表現する曲がレパートリー内に揃っており、そのテーマを歌いこなせるところこそ、OCHA NORMAというグループの魅力だろう。
また、コンサートでハイライトのひとつとなったのが、「ミステイク」の歌唱シーン。この曲はOCHA NORMAというグループ名がまだ付いてない研修生の時期からメンバーがライブで歌ってきた楽曲で、この日はまず前半に斉藤円香、米村姫良々、窪田七海の3人が歌い、後半からほかのメンバーが合流するという構成に。OCHA NORMAのクロニクルを1曲のパフォーマンスで表現していた。
ライブアンコール最終曲は「シェケナーレ」。TVアニメ『シャドウバースF』(テレビ東京系)エンディングテーマで、タイアップが付いた楽曲を一番最後に持ってくるのはライブのコンセプトにも合致していたのではないだろうか。
OCHA NORMAの2025年は、上半期では田代すみれ、石栗奏美の卒業というメンバーチェンジがあったが、下半期では香港で初海外ライブ(7月26日)、ライブバトルイベント『IDOL BATTLE ALIVE』(Lemino)で優勝(11月10日)など明るい話題が多かった。もちろん日本武道館単独コンサートもそのひとつ。このよい流れを翌年以降も続けていってほしい。
【08】11.02[ロージークロニクル]初のライブツアー開催
今春に1stシングル『へいらっしゃい!~ニッポンで会いましょう~/ウブとズル』でメジャーデビューを果たしたロージークロニクル。夏には2ndシングル『夏のイナズマ/ガオガオガオ』をリリースし、いずれのシングルも表題曲だけではなくアディショナルトラックも充実しており、レコーディングされたロージークロニクル楽曲が一挙に増えた感がある。
そして秋、初の東名阪ライブツアーとなる『ロージークロニクル ファーストライブツアー2025 ~First Page!~』が11月2日から16日にかけて開催された。ハロプロの先輩グループに比べるとまだまだ小規模だが、これからの成長が期待できそうだ。
【09】08.14[ハロプロOG(モーニング娘。)]道重さゆみ、引退
2003年にモーニング娘。に加入してアイドルとしてのキャリアをスタート。2014年にグループから卒業し、2017年からソロ活動を開始した道重さゆみ。以降ソロ歌手としてのキャリアを積み上げてきたが、2023年には医師から強迫性障害の診断を受け、一部の活動を制限。そして2025年1月、芸能界を引退することを発表した。
最後のコンサートとなったのは、8月14日、東京・Zepp Diver City(TOKYO)での『道重さゆみ LIVE TOUR 2025 SAYUMINGLANDOLL~SAMSALA~』最終日。この日のコンサートは、取材メディアを入れず、後日映像ソフトでの発売も予定しないという異例の措置が取られた。
ライブ終了後には最後のブログを更新(※2)。そこには道重直筆の手紙の画像がアップされた。ひとりの“アイドル”の実感が込められたその文章は、読み手に「アイドルとは何なのか?」という命題を否が応でも突きつけてくる、そんな強度を持ったものだった。
【10】08.23[ハロプロOG(Juice=Juice)]宮本佳林、ミュージカル『四月は君の嘘』出演
宮本佳林の2025年の活動の中で、今後のキャリアの転機になりそうなものがあった。それはミュージカル『四月は君の嘘』への出演である。
『四月は君の嘘』は2011年連載開始の漫画作品で、高校生のピアニストとヴァイオリニストを中心に展開していく青春ストーリー。これまでテレビアニメ、実写映画、舞台などさまざまなメディアミックスが行われている人気タイトルだ。
そのひとつにミュージカルがあり、2022年の初演では主人公の宮園かをり役を生田絵梨花が演じたことでも話題を呼んだ。今回の2025年版はキャストを一新した再演であり、メイン4人はダブルキャスト制、宮本は宮園かをり役を担当する。8月23日の東京都 昭和女子大学 人見記念講堂から10月13日の神奈川県 厚木市文化会館 大ホールまで約3カ月間の公演だった。
これまでハロプロ関連の演劇/ミュージカルへの出演経験はあるが、こうした外部の、それも規模の大きなミュージカル作品に出演するのは初めてのこと。歌唱法も、これまでポップスで歌ってきたものとはかなり異なるスタイルを求められることになり、苦戦したという(※3)。
新たなキャリアを経たことで、今後の宮本の歌手活動にとってプラスになる収穫が得られたのではないだろうか。