日向坂46、転換期を“前進”に変えた希望の2025年 一期生卒業の節目を越え、五期生が示した新しい強み
2025年の日向坂46の“変化”とは? 各展開で証明された結束力、新たな表現
ライブの現場は、2025年の日向坂46の“変化”が最もわかりやすく表れた場所だったと思う。5月の『BRAND NEW LIVE 2025「OVER THE RAINBOW」』は、新体制として初めて迎えた大きなワンマンライブ。定番曲をあえて外し、一期生が残した楽曲を“今の全員曲”として組み直して披露するなど、新しい日向坂46の形を探る意欲がセットリストからも伝わってきた。キャプテン・髙橋未来虹が「“チーム日向坂”は永遠です」という言葉を届けたことも、この一年のムードを象徴している。
それを踏まえても、秋の『ARENA TOUR 2025「MONSTER GROOVE」』は、新体制の力が本当の意味で試されるステージだったように感じる。全国を駆け抜け、終盤には河田の卒業セレモニーも重なったが、それでもライブ全体としては前を向く熱量が途切れなかった。経験を重ねた先輩と、伸び盛りの後輩が同じ速度で走り出し、グループとしてのまとまりが強くなっている過程にあるのだと思う。
2025年の日向坂46は、テレビ、ラジオ、雑誌など多彩なメディアで存在感を積み重ねた。中でも『日向坂で会いましょう』(テレビ東京系)には五期生も加わり、初々しい自己紹介や企画での奮闘が毎週の見どころになっていたし、先輩メンバーのツッコミやフォローがあるからこそ新メンバーのキャラクターが自然に立ち上がり、日向坂46らしいわちゃわちゃ感が途切れない。放送回数が300回を超えたことも含め、番組そのものが新体制の土台としても機能していた。
個人活動も象徴的だった。松田は、『日向坂46・松田好花のオールナイトニッポンX』(ニッポン放送)で、言葉選びの丁寧さと空気を柔らかくする笑いで、深夜帯に確かな居場所を作ってきた。卒業発表後には初の番組イベントも行われ、ファンの前で感謝を直接伝える場面も生まれた。さらに、朝の情報番組『THE TIME,』(TBS系)での出演を通じて、グループの外でも“信頼される人”としての存在感を広げていった点も大きいだろう。雑誌やモデル活動では小坂菜緒が『non-no』(集英社)専属モデルに就任し、日向坂46の顔がファッションのフィールドでも広がっていくことを示し、上村ひなのは初のエッセイ集『へんてこスイッチ』(日経BP)を発売するなど、個人の新たな表現が広がっていった。
先輩たちが残してきたものを大切にしながら、五期生の加入、そしてセンター抜擢によって“これからの日向坂46”の輪郭がはっきりした2025年。髙橋が掲げた“チーム日向坂”という言葉の通り、変化の中でもグループのまとまりは強まっていったように思う。2026年へ向けて、確かな手応えを残しながら次の章へつながっていく、そんな期待感をもたらした1年だった。
※1:https://www.hinatazaka46.com/s/official/diary/detail/66906