Number_i、HIPHOPへのリスペクトが繋ぐ縁 KREVA、RIP SLYME……『FNS歌謡祭』コラボに高まる期待
Number_iが12月3日放送の『2025 FNS歌謡祭』(フジテレビ系)に出演し、RIP SLYMEとコラボパフォーマンスを行う。
毎回、出演アーティスト同士の貴重なコラボステージも見どころの『FNS歌謡祭』。Number_iは昨年の『2024 FNS歌謡祭 夏』に出演した際にも、KREVAとのコラボレーションを叶えていた。なかでも、平野紫耀はかねてからKREVAのファンを公言しており、並んで立つ姿を「家宝にします」(※1)と、歌唱前のトークパートで嬉しそうに話していたことも印象深い。
当日はKREVAの「イッサイガッサイ」を4人で披露。平野、岸優太、神宮寺勇太、KREVAの順になめらかにラップを歌い繋ぎ、笑顔を弾けさせながらパフォーマンスしていた。いわばHIPHOP界のレジェンドと、当時デビュー1年目のグループによる世代を超えたコラボレーション。キャリアは関係なく、彼らが心からこの場を楽しんでいることが感じられるステージだったと思う。ライブでたびたびアレンジが加わる〈なんだかんだお前がいれば〉のフレーズも、この日は平野が〈Number_iとKREVAいれば〉に変えて歌い、それが実はKREVAの提案だったというエピソードも含めて、4人の信頼関係と遊び心が伝わってきた。
そして、今回の『FNS歌謡祭』では、Number_i とRIP SLYMEのコラボレーションが実現する。RIP SLYMEといえば、KREVAの所属するKICK THE CAN CREWとともにFUNKY GRAMMAR UNITに属し、同じコミュニティで切磋琢磨しながら日本のHIPHOPを大きく押し広げてきた存在だ。シーンの基盤を築き、ポップフィールドにまでHIPHOPを浸透させてきた彼らの功績は計り知れない。
面白いのは、Number_iにも彼らの精神に通じるようなものが垣間見える点だろう。デビュー曲の「GOAT」から複数の曲にわたってHIPHOPというジャンルを貫いてきた彼らからは、HIPHOPへの強い関心とリスペクトが感じられる。楽曲単体もそうだが、今年リリースされた『No.Ⅱ』はHIPHOPのアルバムによく見られるスキットも含まれていた。とはいえ、単になぞるのではなく、彼らなりのアイデアを積極的に加えながら、独自のポップミュージックとして昇華してきた印象がある。HIPHOP文化を理解して形にしつつ、そこに自分たちらしいエッセンスを取り入れて、自身のアイデンティティを確立する。それがNumber_iなのだ。
立場や表現方法は異なっても、Number_iの音楽に対する誠実さや、ジャンルを尊重しながら新しい形を模索する探求心、シーンを切り拓いていくような力強さは、KREVAやRIP SLYMEとも共通しているように思える。そんな彼らのスタンスが、HIPHOPアーティストとの縁を繋いでいるのかもしれない。
放送当日、Number_iとRIP SLYMEは「楽園ベイベー」をパフォーマンスすることが発表されている。今回も、2組の純粋な楽しさが伝わってくるようなステージになるのではないだろうか。12月3日のコラボパフォーマンスを心待ちにしたい。
※1:https://realsound.jp/2024/07/post-1710678.html