CORTISは道なき道を歩いていく 日本初ショーケースを開催、BTSと同じ地に立つ――未来への期待

 国内外で話題沸騰中のニューフェイス・CORTISが『CORTIS The 1st EP [COLOR OUTSIDE THE LINES]発売記念ショーケース』を11月5日に東京・渋谷のSpotify O-WESTにて開催した。

 MARTIN、JAMES、JUHOON、SEONGHYEON、KEONHOという才気あふれる5人の若者から成るCORTISは、今年8月にデビュー。BTSやTOMORROW X TOGETHERが所属するBIGHIT MUSICが6年ぶりに手掛けるボーイグループとして注目を集めながら、既存のスタイルに縛られないサウンドメイクとパフォーマンスで高い評価を得ている。日本初となる今回のショーケースのために用意された会場は、先輩のBTSが2013年に日本デビューショーケースを行ったゆかりの地でもある、O-WEST。同じステージに立ったメンバーたちは「僕たちもここで始めたかった」(KEONHO)と高揚感を隠さなかった。公演は2部制で行われたが、本稿では1部の模様をお届けしたい。

 場内は抽選で選ばれたファンたちで満杯に。ステージまでの距離が近く、臨場感を味わうことができるこのサイズの会場で彼らを観られるのは、おそらくこれが最初で最後だろう。やがて定刻になり、メンバーが次々と登場。場内のあちこちから歓声があがると、注目のステージが始まった。

 記念すべきオープニングナンバーは「GO!」。1st EP『COLOR OUTSIDE THE LINES』の冒頭に収められたナンバーで、トラップのリズムとシンセの音色に絡み合うクールなボーカルが心地よい。メンバー全員が制作に関わっており、〈우린 필요 없어, 다른 sign〉(僕たちは必要ない、ほかのサイン)というフレーズからは「独自のカラーで勝負したい」との決意も読み取れる。グループの美学が凝縮された楽曲と言えよう。

 「こんばんは、CORTISです!」。全員で元気な挨拶をしたのち、簡単な自己紹介に続いて披露したのは「JoyRide」と「What You Want (feat. Teezo Touchdown)」。どちらもギターロックのエッセンスを取り込んだクセのあるダンスミュージックで、特にリードトラックとなる後者は、退廃的な香りのする楽器の音色と、「ほしいものは必ず手に入れる」と宣言するポジティブな歌詞との対比が非常に面白い。

 2曲を続けて熱唱した5人は、トークコーナーへ。熱狂するファンたちを一旦クールダウンさせようと、「このように日本でショーケースができて、情熱的なみなさんにもお会いできてワクワクしています。まずはみなさん安全第一で、この時間を楽しく過ごしていただければと思います」(JAMES)と呼びかけた。

 アメリカ Billboardのメインアルバムチャートで15位にランクインし、さらにSpotifyにおける収録曲の累計ストリーミング数が1億回を超えるなど、各方面で好成績となった1st EPについては、「アメリカとソウルを行き来しながら制作したもので、僕たちの内面をそのまま表現している日記のような作品」(MARTIN)とのこと。

 作品に収められた曲は「次はサイケデリックロック、今度はエクスペリメンタルソウルといった感じにサウンドが多彩で、自ら振り付けや映像などに関わって、より僕たちらしさが出るようにと努力もしました」(JUHOON)と力説。さらに「制作にあたってのいちばんのこだわりは、“自分たちらしさ”。どんなにいい曲や歌詞ができても、それが自分たちらしいのかどうかを確認しています」(SEONGHYEON)と付け加えて、グループのクリエイティブな面をアピールしていたのが印象的だった。

 トークを終えて、本編ラストに披露したのは「FaSHioN」。ここでの彼らは、音楽に限らずファッションにおいても独自の羅針盤に従うと高らかに宣言。その堂々とした姿に共鳴するかのように観客も大きく揺れていく。そしてアンコールに応えて、「FaSHioN」と「GO!」の再演で強烈なオーラを放った5人は、深い余韻を残したままステージを去っていった。

 CORTISというグループ名は、“COLOR OUTSIDE THE LINES”(線の外に色を塗る)からランダムに6文字を抜き出して作られたもので、「世界が定めた基準やルールから外れ、自由に考える」との思いが込められているという。ネーミングの通り、彼らは常に独創的な視点でサウンドメイク、振り付け、映像制作などを行うのが最大の強みとなっているが、今回のステージングでも自分たちのカラーをしっかり見せてくれたように思う。

 そのひとつがフリースタイル的な発想だったのではないだろうか。ヒップホップの世界で重要視されることが多いこのアプローチを、5人の踊りや歌唱、トークから感じ取った観客は多かったに違いない。振り返ってみると、初期のBTSにも似たイメージがあった。おそらくCORTISも先輩と同様に道なき道を歩んでいくのだろう。早くも次の展開が楽しみである。

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