KEY TO LITの5人から生まれる化学反応 “おもしれー男”猪狩蒼弥が引き出すメンバーの面白さ
ジュニア内グループ・KEY TO LITの猪狩蒼弥が、ついに初のソロ冠ラジオ『猪狩蒼弥 I GOT IT.』(ニッポン放送)をスタートさせる。放送は11月22日、17時50分から19時00分までの生放送。猪狩といえば、バラエティで見せる歯に衣着せぬ発言と、計算された笑いで話題を呼ぶ男だ。そんな彼が“生放送”という舞台に立つと聞けば、期待せずにはいられない。なぜなら、猪狩蒼弥という人間は、知れば知るほど“おもしれー男”だからだ。
暴君に徹して場を盛り上げる戦略家アイドル
10月20日放送の『ぽかぽか』(フジテレビ系)では、「今日も全員、(送迎がなく)自力でスタジオまで来てるんですよ」と明かし、スタジオを驚かせたばかり。今年初めの『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)でも、明石家さんまを相手に怯まず渡り合い、爪痕を残した。媚びずに我道を突き進む姿勢は、もはやお茶の間のイメージとして定着しつつある。だが、それは彼の“おもしろさ”のほんの一部にすぎない。
ジュニア公式YouTubeでは、KEY TO LITの結成当初からグループの未来を“熱語り”する姿が頻繁に映し出されている。ライブ演出を提案し、動画の流れを設計し、周囲の発言を拾って笑いに転換する。そこには、アイドルという枠にとどまらないプロデュース力がある。実際、事務所内最年少で振付を任された経歴を持ち、9月から行われた単独アリーナツアー『KEY TO LIT Arena Tour 2025 WAKE UP THE FOOL』では、ライブ演出も手掛けた。猪狩の行動にはいつも“理屈”と“目的”があり、思考の鋭さと冷静な分析力が光る。
とはいえ、彼は率先してMCの中心に立つタイプではない。自作の紹介ラップ「KITERETSU FIRE」では、自身を「理論武装して私欲で動く暴君」と表現しているように、あえてヒール(悪役)に回ることで場の空気を動かす戦略家でもある。好き勝手に見えて、実は全体の空気を読んで自然発生する笑いをデザインしているのだ。たとえば、KEY TO LITのYouTubeでのドライブ企画ではドライバーを務めながら、進行、ツッコミ、得点管理まで完璧にこなす。雨天撮影では、すかさずパワーウィンドウを開けて降り注ぐ雨を罰ゲームに仕立てるという即興力も見せた。
思えば、話題になったさんまとの押し問答も彼なりの信念から生まれたものだった。入念なリハーサルよりも、本番でしか起きない“爆発的な笑い“を信じる姿勢。それが猪狩蒼弥というエンターテイナーの根幹にある。だからこそ、生放送で自由に暴れられるこのラジオは、彼の魅力が最も発揮される場になるだろう。