『LUNATIC FEST.』を実現させるLUNA SEAのカリスマ性 垣根を超えたレジェンドとして君臨する理由
11月8日、9日に『LUNATIC FEST.2025』が千葉県・幕張メッセにて開催される。
『LUNATIC FEST.2025』はLUNA SEA主催のロックフェス。2015年にバンド結成25周年記念の最終章として初開催され、2018年の第2回を経て、今年が3度目の開催となる。
『LUNATIC FEST.2025』の魅力といえば、幅広い音楽性、そして世代を超えた出演者だろう。これまでもX JAPAN、GLAY、SIAM SHADE、SIDといったバンドだけでなく、BRAHMAN、[Alexandros]、back numberといったヴィジュアル系とは一線を画す、ロックシーンのド真ん中で活躍するバンドも多数出演し、話題となった。そんなさまざまなシーンを巻き込んだブッキングがオーディエンスを魅了しているのだ。今年も錚々たるアーティストが出演を予定している。
そしてこのブッキングが実現しているのは、ほかでもないLUNA SEAのカリスマ性があってこそだろう。今年『LUNATIC FEST.』に初出演を果たすUVERworldのTAKUYA∞(Vo)は、今回の出演に際して「RYUICHIさんから連絡をいただいたときは、公私ともにお世話になってますし、その場で『出ます!』とお答えしました」(※1)と語っていたほど。一方で、LUNA SEAと同時期に結成したTHE YELLOW MONKEYの吉井和哉(Vo/Gt)はインディーズ時代を振り返りながらも「僕はちょっと喉の病気をして、RYUICHIくんもやっぱり喉の病気をして、お互いに克服し始めているタイミングの今年、お誘いいただけたことにも運命的なものを感じました。それも出させてもらいたいと思った理由の1つでした」(※1)と語っている。全てのアーティストがそうだと断言はできないが、このフェスのブッキングにおいて「主催がLUNA SEAである」というのは大きな要素になっているはずだ。
メジャーデビュー以前からヴィジュアル系シーンを中心に注目を集めたLUNA SEA。1992年にアルバム『IMAGE』で鮮烈なデビューを果たすと、2000年の終幕宣言に至るまで東京ドーム公演、1998年の『第49回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)への出場、そして10万人の動員を記録する野外イベントの開催と、ロック史に残る活躍を重ねてきた。
終幕後も、RYUICHIは本名の河村隆一としてもヒットソングを生み出し、SUGIZOはX JAPANのサポートギタリストを経て正式加入を果たすなど、メンバーそれぞれでの活動も本格化。2010年のREBOOT(活動再開)以降も、『LUNATIC FEST.』やライブツアーの精力的な開催など、LUNA SEAとして活動を重ね、新しいファンを獲得し続けている。
LUNA SEAが現在レジェンドとして存在し続けている理由は、スリリングで無比のバンドアンサンブルに、メロディアスで艶のあるメロディライン、そして退廃的で哲学的な歌詞が噛み合うことで生み出されるLUNA SEAにしか作り出せない世界観にこそあるのではないだろうか。90年代に大きくシーンを盛り上げた先駆者としての矜持と、多くの人に愛されるポップ性を絶妙なバランスで両立させたうえで、2010年の本格的な再始動以降はさらに研ぎ澄まされた演奏力でバンドとしての訴求力をグンと高めた。
彼らの作り出す唯一無二の世界観と、その世界観をより強固にするメンバーの飽くなき情熱こそ、LUNA SEAが現在進行系のレジェンドバンドとして君臨し続ける理由であり、『LUNATIC FEST.』にジャンルも世代も超えたアーティストたちが集う理由でもある。LUNA SEAのカリスマ性は、揺るぎない強固な世界観とその実績に裏打ちされる説得力の強さによって生まれているのだ。
LUNA SEAのカリスマ性を存分に感じられる『LUNATIC FEST.2025』。今回もLUNA SEAの歴史にまた新しい伝説が刻まれることになるだろう。
※1:https://natalie.mu/music/pp/spenata_lunaticfest