Snow Manの渡辺翔太が11月5日に33歳の誕生日を迎える。この1年を振り返ると、渡辺はグループ、個人ともに大活躍の年だった。

“縁起物”のようなロングトーンを呼び水として迎えた2025年

　2024年の大晦日、Snow Manは『Snow Man Special Live〜みんなと楽しむ大晦日! 2024-2025〜』をグループのYouTubeチャンネル上で配信した。振り返ってみれば、特に3曲目に披露した「君は僕のもの」のパフォーマンスが一際エモーショナルだったように思う。同曲は、同年放送された中村アンともにW主演を務めたドラマ『青島くんはいじわる』（テレビ朝日系）の主題歌である。

　歌においてはエアリーなハイトーンを魅力とする渡辺だが、クールで生意気な後輩キャラのタイトルロール（青島瑞樹役）は低音ボイスで演じ、その主題歌である「君は僕のもの」では豊かな中音域で歌い上げていた。2024年の渡辺の個人活動を代表する一曲を大晦日に歌うということの特別感もあり、楽曲冒頭の〈嘘みたいなエピソード〉のアクセントをアレンジしたり、サビの〈Nobody 君の代わりはいない〉に切実な気持ちを込めるなど、渡辺らしいフレージングがきらめいていた。特にラスサビの4小節もあるロングトーンは、新年を迎えるための伸びやかな“縁起物”のようだった。

　そんなロングトーンを呼び水として迎えた2025年は、Snow Manのデビュー5周年のアニバーサリーイヤーである。1月22日に初のベストアルバム『THE BEST 2020 - 2025』をリリース。渡辺のソロ曲「オトノナルホウヘ」も収録され、2025年の個人活動の早くもハイライトとなった。

渡辺翔太の魅力は“オラオラ具合”で決まる

　4月17日には、指原莉乃とのリアル同級生コンビによる検証バラエティ番組『3年C組 指原×翔太』（Prime Video）が配信されたが、初回から渡辺の“オラオラ感”スイッチをオンにするかオフにするかという部分がバラエティーとしての見どころになっていた。

　ウィークポイントを克服するという企画で、渡辺は指原のAKB48時代の先輩である小嶋陽菜が代表取締役を務める株式会社heart relationに体験入社。社内会議に参加した後のランチタイム場面では、人見知りモードを発揮する渡辺の姿が。女性社員との会話になかなか溶け込めない渡辺だったが、そこでオラオラスイッチをオン。それまでとは打って替わり、自らほかの社員に話しかけに行くのだった。圧が強いと苦笑されながらも会話をぐいぐいリードする。そんな姿に「オラ辺翔太」とテロップが表示されるほどだった。

　9月12日に放送されたグループの冠番組『それSnow Manにやらせて下さい』（TBS系）でタイを訪れた際は、初っ端からオラオラ感が全開で、メンバーカラーである青色のタオルを頭に巻いて「遊ぼうぜ！」と意気込み、空気を盛り上げていた。観光スポットで難関ミッションに挑戦していく企画では、経営者のYouTube動画ばかり見ているという渡辺が「経営者脳」という作戦名を打ち出して、そのセンスを光らせていた。

ちいかわ的“サイズ感”とのバランス感覚

　渡辺の魅力は、独特の“サイズ感”にも存在する。先述した『3年C組 指原×翔太』では「オラ辺翔太」と対になる呼び方があった。それは、人見知りモードの渡辺が、壁際で存在感を薄めて縮こまった姿勢でカレーを食べていた時のこと。その様子を別室モニターで観ていた指原から「ちいかわ」（ナガノによる漫画『ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ』の主人公・ちいかわ）と形容され、テロップには「渡辺（小）太」と表示されていたのだ。そのサイズ感は渡辺にしか成し得ないものだとあらためて思う。

　“ちいかわ的サイズ感”とは、つい守りたくなってしまう“か弱さ”=“可愛さ”とも言い換えられるだろう。33歳の渡辺も、時に強気に、時にかわいらしく、ワールドワイドなスケール感を誇る活動の幅を自在に広げていくのだろう。