ROSÉ×PUMAのコラボから日本人ダンサーKYOKAの活躍まで――韓国トレンドレポート2025年9月号

日本人ダンサー・KYOKAが韓国ファッションシーンで存在感を放つ

 今年、韓国で人気を博したダンスサバイバル番組『STREET WOMAN FIGHTER』の世界大会版『WORLD OF STREET WOMAN FIGHTER』(ともにMnet/以下、『WOSWF』)。そこで優勝した日本クルー「OSAKA Ojo Gang」のメンバー・KYOKAが今、韓国のファッション業界で異例の注目を集めている。KYOKAは卓越したダンススキルのみならず、独特のキャラクターと洗練されたストリートファッションセンスで人気を集め、番組放送中から韓国視聴者の心を掴んだ。元々トップダンサーであり、「Nike」や「G-Shock」などグローバルブランドのモデルを務めてきた存在だが、『WOSWF』出演を契機に韓国でも知名度が爆発的に向上した。

 その勢いを象徴する出来事として、『UNIQLO Korea』の公式キャンペーンモデルにKYOKAが起用され、コラボレーション企画「LifeWear Move」が展開されたのだ。KYOKA本人もInstagramで「日本人としてユニクロのモデルを務めるなんて光栄!」(※2)とコメントし、両国のファンから祝福の声が寄せられた。さらにKYOKAは、韓国発のファッションブランド『Matin Kim』の2025年秋コレクションにもスペシャルモデルとして参加。KYOKAを起用した企画「Matin Kim with KYOKA」では、彼女の自由奔放でシックなオーラとブランドの持つ都会的エレガンスが見事に融合されていた。

 さらに、KYOKAは数カ月の間、『ELLE Korea』の誌面や『Harper's BAZAAR Korea』のデジタル版のカバーを飾り、『PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE』や『Ralph Lauren Fragrances』、『Honda Motorcycle』といったブランドの韓国内の広告キャンペーンにも起用されている。また、ラグジュアリーからストリートまで各種ポップアップイベントに登場し、韓国内で揺るぎないファッションアイコンとしての存在感を示している。

『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』、劇中アイテムを商品化

 アニメ映画『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』(Netflix)が世界的なブームを巻き起こし、その勢いは関連グッズや企業コラボにも波及している。同作品はK-POPガールグループが悪霊から人間界を守る物語を描いたNetflixオリジナル作品で、Netflix全部門の作品のうち初めて累計視聴数3億ビューを突破した大ヒットを記録している。さらに劇中歌「Golden」はアメリカ・Billboard「Hot 100」で1位を獲得するなど、音楽チャートやSNSでも社会現象化。こうした成功を受けて、映画内に登場するアイテムに現実世界からも熱い注目が集まっている。

 物語の中で主人公たちが愛食する韓国スナックやカップ麺が、実は韓国最大手の食品メーカー『NONGSHIM」の実在商品をモデルにしていることがファンの間で話題になり、その熱気に応える形で『NONGSHIM』から正式のコラボレーション商品が発売された。同ブランドの定番商品である「辛ラーメン」と「セウカン えびせん」に映画キャラクターのRumi、Zoey、MiraやSaja Boysなどが描かれた限定パッケージ版が登場。作品ファンにはたまらないラインナップの商品は、韓国、北米、欧州、オセアニア、東南アジアなど世界各地域で数量限定販売された。

 他にも、同作に登場する“三つ目”の愛らしいキャラクターSussieにもユニークな展開があった。三つ目の形が『Samsung』スマートフォンのカメラ配置に似ていることからファンから“Galaxy Bird”と愛称を付けられたこのキャラクターが、7月に『Samsung』の新製品発表イベント「Galaxy Unpacked」のティザーへのサプライズ登場に続き、劇中の「HUNTRIX」の世界観を再現したスペシャルテーマを含むGalaxy対応のスマホ用テーマ&壁紙セットもリリースされた。映画のストーリー同様に現実世界でも“K-POP×エンタメ”の新たな可能性を切り拓いた形で、今後も他業種とのクロスオーバー展開に期待が高まる。

※1:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000290.000010697.html
※2:https://www.instagram.com/p/DNhqiROy9xe

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