原因は自分にある。「パラノイドランデブー」という新たな武器を手に向かう先は? 訪れた“成熟の季節”を紐解く
原因は自分にある。が4thシングル『パラノイドランデブー』を10月15日にリリースした。
4thシングル『パラノイドランデブー』には新曲3曲を収録。メンバーが「ヒーローのような存在」と明かす川谷絵音がタイトル曲「パラノイドランデブー」を提供しているほか、作家/シンガーソングライターの笹川真生が手がけた「ビネットネット」、そして原因は自分にある。とはもはやお馴染みのタッグとなった久下真音による「希望的観測の定義」が収録されている。
発売日当日には『パラノイドランデブー』のリリースイベントが開催され、観測者(ファンの呼称)と特別な時間を過ごした。本稿では、その模様を振り返りながら、あらためてシングル『パラノイドランデブー』が原因は自分にある。にとってどのような作品となったのか、あらためて考えてみたい。
定刻になると同時に、『パラノイドランデブー』のアーティスト写真のアンニュイなビジュアルとはまた異なった、黒と赤を基調としたロックテイストな衣装に身を包んだメンバーたちが登場。間髪入れずにアップテンポなイントロが響き、メンバーが順に手で目元を隠す。「因果応報アンチノミー」だ。大倉空人の「楽しもうぜ!」という呼びかけにフロアからは歓声が上がった。パワフルながらもクールなパフォーマンスが、よりイベントのギアを上げたのがわかった。4thアルバム『核心触発イノベーション』のリリースから約半年、『ARENA LIVE 2025 序破急』などを経た今あらためて披露することで、自分たちの成熟を観測者に提示したのだ。『パラノイドランデブー』も、きっとこれからより磨かれたものとなっていく――そんな確信を覚えた瞬間だった。
パフォーマンスを終えると、MCの藤原倫己がステージに登場。早速新曲について質問された杢代和人は、長野凌大ともに川谷のラジオに出演した時のことを振り返りながら「川谷さんからは『原因は自分にある。が尖った個性的なグループだからこそ、この曲を作れました』と言っていただいて」と回想した。また大倉も「“尖り”っていう部分が、原因は自分にある。の世界観だけでなく、各々のクリエイターの皆さんが思う『原因は自分にある。とは?』にも融合されていると思う」と、過去にもさまざまなアーティストやカルチャーとコラボしてきた経験が自身たちを形成する一部分になっていることを語る。「パラノイドランデブー」のタイトルについては、長野が「テーマとしては“逃避行”ということで、SNSなどで直面する課題に対して向き合って、どうポジティブにとらえていくか、そういう一種の抗いをテーマにしていただきました」と解説する。吉澤要人はパフォーマンスについて「フォーメーション(の数)がとても多いので、飽きずに観れるんじゃないかなと思っております」と伝えたうえで、「ただ、推しを追いかけるのは大変だと思います。頑張ってください!」と観測者へエールを送った。
ここでスペシャルメッセージがあることが発表され、後ろのスクリーンには「パラノイドランデブー」を手がけた川谷絵音が大きく映し出された。メンバーは驚きの表情を浮かべながらも、嬉しそうな様子だ。川谷はTwitter(現X)で彼らについて言及(※1)してから6年の時を経て念願の楽曲提供を果たしたことについての感謝を伝えたうえで、「歌詞に関してはそんなに前向きな歌詞ではないけど、今のタイミングでゲンジブが歌うべき歌詞だなと思った」とコメント。武藤潤は「しゃべり声がかっこいい」と興奮の様子だ。
フォトセッションでは、集合写真を撮影することがアナウンスされ、続けてスペシャルゲストの存在が明かされ、「オフィシャルカメラマンとしてこの方が登場です!」という言葉を受けて、スクリーンには全身黒色の洋服にカメラを3台持ったカメラマンが映し出された。それは、お笑い芸人のかが屋・加賀翔だった。加賀がカメラマンに徹する姿がクローズアップされ、まさかのゲストに観測者からは大きな歓声が上がる。
「すでに1300枚の写真を撮影した」と言う加賀は、ステージに登壇し、メンバー一人ひとりに接近して、近距離でシャッターを切っていく。新曲「パラノイドランデブー」の〈はい、チーズ〉〈はい、ポーズ〉という歌詞のフレーズや曲中のシャッター音などから、カメラを趣味とし、写真を愛する加賀をこの日のゲストとして呼んだそう。加賀が撮影したばかりの「因果応報アンチノミー」のパフォーマンス写真がスクリーンに映されると、桜木雅哉がひとりだけ違うポーズをしており、ほかのメンバーからツッコミを受けていた。桜木は「今日唯一ミスったところです(笑)」と反省しながらも、会場の笑いを誘う。
「写真愛があるのは誰だ?ゲンジブフォト選手権」のコーナーでは、加賀が審査員となり、メンバー間で撮影したこだわりの写真を各々1枚提出。メンバー愛、写真愛のある者を決めようという企画だ。
大倉は自身のファンミーティングに長野がきた際の楽屋での1枚を、小泉光咲は初めてのワンマンライブでの「藍色閃光」のパフォーマンスの瞬間だ。「載せちゃいけない写真ばっか」と言う桜木は、若干ブレている撮影中の吉澤の写真を発表し、メンバーからも笑いが起こる。QJWebカメラ部で連載も担当していた長野は、フィルムカメラで撮影したというコンセプトフォトブック『明晰夢』(主婦と生活社)撮影時の海での集合ショットだ。武藤はプリクラ機のなかで小泉とハートを作っているキュートな写真を、杢代はメンバー全員で円陣を組んでいる一幕を、吉澤はグループ最年長の武藤と最年少の桜木が一緒に食事をしている写真を発表した。
全員の写真を見終え、加賀がグランプリに選んだのは長野。しかし、選んだ理由は「フィルムカメラで撮影していて、現像代もかかっているから」と予想の斜め上をいくものだった。長野が賞品として加賀が持っているカメラをねだる、お茶目な一幕もあった。
その後、「パラノイドランデブー」のMVが上映された。先行してパフォーマンスビデオは公開されていたものの、MVはこの場で初解禁となった。青色の照明が輝くなか、メンバーがステージの上で各々のポジションにつく。正真正銘初披露となる「パラノイドランデブー」のパフォーマンスが始まる。繊細な楽曲ながらもメンバーたちの気迫が伝わるパフォーマンスに会場全体が魅せられていくのをヒリヒリと感じた。楽曲終盤の〈隣にいる人にならわかるさ/素顔を見せて交わす心〉というフレーズを伏し目がちに歌う小泉。それは、楽曲の世界観と解像度を一段階引き上げるパワーを持った姿だった。「パラノイドランデブー」がこの空間を染め上げてゆく。メロディアスなこの曲は、艶やかで切なげな印象を抱くが、歌詞は哲学や文学性を感じさせる彼ららしい要素が 張り巡らされている。複雑かつ何通りもの解釈ができる楽曲をパフォーマンスに落とし込むのは至難の業だが、メンバーたちは無理に大人ぶるのではなく、あくまでも“等身大の自分たち”をベースにして表現していた。これこそ、川谷の言うように「今のゲンジブだからこそ」できたものなのだろう。
最後にメンバーを代表し、長野が「僕らは(これまでに)4枚アルバムを出しているんですけど、(『パラノイドランデブー』が)4枚目のシングルということで、アルバムにシングルが追いついた、なかなかないグループだと思います。皆さまのおかげで無事にこうして4枚目のシングルを出すことができました。いつもありがとうございます! これからもゲンジブの世界観だったり、僕たちが伝えたい音楽を追求して日々頑張っていきます。皆さまもまたライブでお会いしましょう。本日はありがとうございました!」とあらためて感謝を伝えた。深く礼をするメンバーたちに、観測者からはまるで花束のような拍手が送られるのだった。
今後、原因は自分にある。の歴史を語るうえで「パラノイドランデブー」は欠かせすことのできない楽曲になっていくのだろう。彼らは今後、12月10日には今年の7月に国立代々木競技場 第一体育館で行われた『ARENA LIVE 2025 序破急』の模様を収録したBlu-rayを発売。そして、初となるファンクラブ限定ツアー『GNJB FC Limited Tour Laboratory』を開催し、2025年を締めくくる。「パラノイドランデブー」という新たな武器を手にした原因は自分にある。はどこへ向かうのか――楽しみで仕方がない。
※1:https://x.com/indigolaEnd/status/1158938095175159808
■リリース情報
4th Single『ラノイドランデブー』
発売中
販売/配信URL:https://lnk.to/genjibu_4thsg
初回限定盤:3,960円(税込)/UPCH-7780
・スリーブケース
・CD
・Blu-ray
・ブックレット
・初回限定盤ユニットトレカ(全3種中ランダム1種)
・初回限定盤グループトレカ(全2種中ランダム1種)
・初回限定盤ステッカー(全2種セット)
通常盤:1,650円(税込)/UPCH-6048
・CD
・ブックレット
・通常盤ユニットトレカ(全3種中ランダム1種)
大倉空人盤:1,650円(税込)/UPCH-7781
小泉光咲盤:1,650円(税込)/UPCH-7782
桜木雅哉盤:1,650円(税込)/UPCH-7783
長野凌大盤:1,650円(税込)/UPCH-7784
武藤潤盤:1,650円(税込)/UPCH-7785
杢代和人盤:1,650円(税込)/UPCH-7786
吉澤要人盤:1,650円(税込)/UPCH-7787
・CD
・ブックレット
・該当メンバーソロトレカ(全3種中ランダム1種)
ゲンジブ観測所限定盤:7,920円(税込)/PROJ-5913
・スペシャルボックス仕様
・CD
・Blu-ray
・フォトブック 40ページ
・ゲンジブ観測所限定盤ソロトレカ(全7種セット)
・ゲンジブ観測所限定盤グループトレカ(1種)
・ゲンジブ観測所限定盤ステッカー(全2種セット)
・グループミニ色紙(1種)
・グループ折りポスター(1種)
※ゲンジブ観測所会員限定での販売(購入はこちら)
<CD収録曲>(各形態共通)
01. パラノイドランデブー
02. ビネットネット
03. 希望的観測の定義
<Blu-ray収録内容>
初回限定盤
・「Paradox Re:Write」 Performance Video
・「パラノイドランデブー」 Behind The Scenes
ゲンジブ観測所限定盤
・「はい、チーズ」平成バイブスでテンアゲ!プリ企画
原因は自分にある。オフィシャルサイト:https://genjibu.jp/
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