Kroi「世の中にはもっと変な音楽があっていい」 魅惑のサウンドスケープで観客を揺らした初のホールツアー
シンガロングで高まる一体感、日替わりアンコール曲は「Juden」
ここからライブは後半へ。ラテンのリズムを取り入れた「Amber」では引き続き内田はパーカッションを叩き、長谷部はアコギに持ち替え、軽やかにかき鳴らす。ステージ背後の幕が上がり、オレンジ色を基調とした照明が印象に残る演出をしたあと、「HORN」のイントロが奏でられた瞬間に客席からは大きな歓声が。内田の官能的なファルセットボイスと、粘り気のあるラップセクションが絶妙なコントラストを生み出す人気曲だ。ブレイクパートではシンガロングでステージとフロアの一体感を高め、さらに各メンバーのソロ回しで盛り上げていく。
メロウなソウルチューン「風来」、フォーキーな「Jewel」を演奏したあと、ジャムセッションを経てファンクチューン「Noob」へ。さらに内田が高速ラップを披露する「Fire Brain」、長谷部のワウギターが腰を揺らす「Balmy Life」と人気曲を畳み掛け、「Never Ending Story」を披露し本編は終了。鳴り止まぬアンコールに応え、再び登場した5人は日替わりのアンコール曲に、この日は「Juden」を選び、怒涛のファンクグルーヴで会場を揺らし、この日のライブは幕を閉じた。
「変な音楽を、もっと世の中にばらまいていきたい。世の中にはもっと変な音楽があっていいし、もっといろんな音楽が評価されていいと思っています。そのためにも頑張ります」と、本編最後のMCで内田は宣言していた。古今東西のオーセンティックな音楽をたっぷりと吸い込みつつも、それを型破りな再構築によって独自のサウンドスケープを生み出し続けているKroi。彼らのような音楽が、今日ここに集まった幅広い年代のリスナーに届いている。その事実こそが大きな希望と思えるような、そんな一夜だった。
■セットリスト
『Kroi Live Tour 2025-2026』
2025年10月9日(木)埼玉・大宮ソニックシティ 大ホール
セトリプレイリスト:https://lnk.to/Kroi_Live_TOUR_2025_HALL
M01.PULSE
M02.Method
M03.Small World
M04.Drippin' Desert
M05.Bug
M06.selva
M07.Polyester
M08.HAZE
M09.Astral Sonar
M10.Amber
M11.HORN
M12.風来
M13.Jewel
M14.Noob
M15.Fire Brain
M16.Balmy Life
M17.Never Ending Story
En.Juden