カネヨリマサル、TikTokを中心に広がり続ける理由とは? SNS世代に刺さる“等身大すぎるラブソング”の魅力

「君の恋人になれますように」の瑞々しさ、飾らず届く“リアル”

 ミニアルバム『昨日を生きない私達へ』の制作の終盤、ごく短い期間で一気に制作されたというエピソードが示す通り、「君の恋人になれますように」は初期衝動と形容したくなるほどの勢いと瑞々しさに溢れている。歌詞の中心にある、“好きな人の恋人になりたい”というあまりにも真っ直ぐな思い。〈明日は目が合いますように/明日は話せますように〉というフレーズが示す通り、主人公の“私”と大好きな“君”はおそらく同じ学校に通っている。“君”はもちろん“私”の気持ちなんて知らなくて、楽しそうに日々を過ごしている。“私”はちょっと離れたところから“君”を見て、ひとり胸の中で〈10年後の君も見たいんだ〉と切なすぎる願望を募らせていく。青春真っ只中のピュアな佇まいも印象的なこの曲は、10代の女性はもちろん、大人のリスナーにも青春時代を想起させるはずだ。

カネヨリマサル【君の恋人になれますように】Music Video

 「関係のない人」「君の恋人になれますように」に共通しているのは、リアルな恋愛感情をどこまでも率直に描いていること。迂回的な表現や比喩をあえて使わず、誰が聴いてもどんな気持ちを歌っているかがはっきりとわかるのだ。まったく飾ることなく、できるだけストレートに歌うことで、リスナーの共感をグッと引き寄せるーー。この親しみやすさと共感性の高さこそがソングライター・ちとせの特長であり、それはそのままカネヨリマサルの求心力の強さに繋がっている。

 Spotify月間リスナー28万人を突破するなど、確実にファンダムを広げ続けているカネヨリマサルは、現在全10公演の秋ツアー『初ホールワンマンへの道標ツアー』の真っ最中だ(ファイナルは11月24日大阪・NHK大阪ホール)。「関係のない人」「君の恋人になれますように」のバイラルヒットは、時を置かず、ライブの動員力を引き上げるはず。本格的ブレイクはもう目の前だ。

※1:https://x.com/kaneyorimasaru/status/1960669937737064884
※2:https://www.oricon.co.jp/rank/tt/w/2025-10-03/

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