人気アイドルから限界ママへ 元日向坂46 井口眞緒が語る“ダメな自分”をさらけ出す勇気

「私にはファンの人がいるとは思っていない」

――井口さんは“ふぬけOL”や“限界ママ”と、ご自身に自虐的なネーミングをすることが多いですが。

井口:特に自虐的と思ってつけてないんですよ。だって、本当にその通りなので(笑)。それに、“限界ママ”のおかげでバズっているわけですし、むしろ最近は気に入っているぐらいなんです。普通に生活をしていたら、周りに対してすべてをさらけ出して見せることってなかなか難しいじゃないですか。みんな私と同じように、子育てでいろいろ大変な思いをしているはずなのに、それを表に出せなかったり、なかには誰にも話せずにひとりで抱え込んでしまっている人もいる。でも、私がインスタで全部さらけ出したことで、私と同じように子育てしているママは「実はみんな同じなんだ」ってことに気づくことができたんです。もしかしたら、子育てをされていない方は井口眞緒という面白いエンタメとして消費しているかもしれないけど、ママさんたちにとっては「同じ状況なので、私も頑張ります!」とか「参考になりました!」とか何かひとつでも安心できる要素になっていたら嬉しいです。

――井口さんは以前、人生を振り返るというYouTube動画のなかで「一生怒られている人生」と語っていたことがあります。確かに、アイドル時代を振り返ってみても井口さんはいろいろと怒られていた印象がありますが、なぜそれでも明るく前向きに生きていけるのでしょう。

井口:でも、今は怒る側の人生に変わったんですよ。もう毎日怒ってばかりです(笑)。確かに、アイドル時代からここまで大変なことがたくさんありましたけど、深く考えてないだけなんですよ。若い頃はノリで生きてきたようなところもあったから、次の日には嫌なことも忘れてしまうし。それくらいのスタンスで生活していくことが、私には合っていたんでしょうね。でも、家庭を持って親になった今は、ノリだけでは生きていけないじゃないですか。そういうはっちゃける私に対して、旦那はまともな思考回路の持ち主だから、私も自制することができているんです。ただ、SNSに関しては以前のようなノリでできているところもあるので、いい意味でバランスが取れているのかもしれないですね。


――井口さんはアイドル時代から現在まで、いろいろな困難にぶち当たってきたと思います。ご自身のなかで、そういう局面を乗り越える際のコツみたいなものってあるんでしょうか?

井口:私、乗り越えたつもりもなければ、「困難なんてありましたっけ?」ってくらい何も覚えていなくて(笑)。そこも深く考えてないだけだと思います。今は上の子の子育てがめちゃくちゃ大変ですけど、そこも困難だとは感じていませんし、これがみんな普通のことなんだろうなと思っているだけなんですよ。それに、時間が経てば全部楽しかった思い出に変わっちゃいますし。独身の頃は、もしかしたらいろいろ困難を感じていたのかもしれないですけど、今や独身時代の記憶は輝かしき思い出でしかないですから。子育てを終えたママさんから「この時間は今しか経験できないことだから」とよく言われますけど、確かにその通りだと思いますし、きっと時間が経てばこれもいい思い出になるんだろうなって。なので、あまりネガティブに捉えすぎずに楽しもうと思っています。

――アイドル時代の経験が今に活きていると感じることはありますか?

井口:すごく濃い経験だったし、良い思い出になりましたし、一生モノの友達ができました。色々と叱られたり、批判を受けた経験はメンタルの強さにも繋がったと思います。

――現在の井口さんのことを応援してくれているファンの皆さんは、ご自身にとってどんな存在ですか?

井口:何か応援されるような活動をしているわけでもないのに、たくさんDMとかをいただけるのはすごく嬉しいですし、日々の励みにもなっています。そもそも、私にはファンの人がいるとは思っていないんですよ。

――というのは?

井口:DMを送ってくださるママさんたちは、一緒に子育てを頑張っている“同志”みたいなもので、ファンとはまた違う存在なのかなって。過去に私のファンだった人もなかにはいるのかもしれないけど、それはごく少数だと思いますよ。返信はしない方針なんですけど、DMにはすべてに目は通していて。同じ境遇で子育てをしている同世代からの連絡がいちばん多いので、ファンというよりもママ友みたいな感覚かもしれないです。

――今後もお子さんたちとの生活の負担にならない程度のスタンスで、投稿を続けていくことになるんでしょうか。

井口:そうですね。まずは子育て優先で、今回の取材のような依頼も「子供を連れていってもいいですか?」と確認してからお引き受けすると思いますし。今後もSNSやインフルエンサー活動優先で生きることはないと思いますし、あくまで専業主婦の息抜きというか、趣味感覚で気楽に続けていけたらと思います。

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