人気アイドルから限界ママへ 元日向坂46 井口眞緒が語る“ダメな自分”をさらけ出す勇気

 2020年に日向坂46を卒業し、現在は2児を育てる母として多忙な日々を送っている井口眞緒。そんな彼女は今、“限界ママインフルエンサー”という肩書きでSNSを中心にリアルすぎる子育て姿を発信し、多くの共感を集めている。

 「一生怒られている人生」と自身の歩みを振り返りながらも、親として責任ある立場になった井口。グループ卒業からの動向、変わった環境/変わらないマインド、異色のインフルエンサーとして活躍する今について、赤裸々に語ってくれた。(編集部)

“リアルすぎる日常”の投稿が生んだバズ

――井口さんがアイドル活動から卒業したのが2020年初頭のこと。その後、一般企業に就職しました。

井口眞緒(以下、井口):芸能活動で食べていけるとは到底思えなくて(笑)。もともと東京でひとり暮らししながら生きていくために、バイトでもなんでもいいから働こうと思っていたんですが、ちょうど弟がインターンをしていた会社に就職できるということだったので、お世話になることにしました。

――就職後は一般職に加え、ラジオやYouTubeでの活動も並行して行っていましたね。

井口:私が就職したのがSNSマーケティングの会社だったので、私もInstagramやYouTubeのアカウントを作っていたんですが、DMを通じていろんな依頼がやってきて。なので「これをやろう!」と決めて励んでいたわけではなくて、その一つひとつに応えていった結果だったんです。そもそもインフルエンサーの方も働いている会社でしたし、そういうことが当たり前な環境ではありました。

――アイドル時代から環境も激変したと思います。

井口:もちろんアイドルの頃の思い出は今でもキラキラしているんですけど、以前の生活から変わったからどうこうじゃなくて。そもそも学生時代からOLにも憧れていたので、目の前のことを日々楽しみながら過ごしていました。そういう意味では、アイドル時代もOL時代も周りの環境や関わる人たちに恵まれていたんだと思います。

――2022年1月には結婚を発表し、同年12月には第1子を出産。ここでもまた生活が激変することになります。

井口:アイドルを辞めてから、激動の2年間ですよね。それまではノリで生きてきたようなところもありましたが、結婚したことで周りからは「すごく落ち着いたね」と言われるようになりました。

――結婚後もインスタ投稿は続けていましたよね。

井口:別にインフルエンサーとして活動しているつもりはまったくなくて。アカウントはそのまま残っているから、地元の友達に向けてぐらいの感覚で日常について投稿していただけなんです。そのなかでたまに案件の依頼が来たりして、できそうなことはお引き受けしていたんですけど、基本的には専業主婦という立ち位置でした。ただ最近はフォロワーも増えてきたので、そういう点では“限界ママインフルエンサー”になってきたかなと思いはじめています。

 
 
 
 
 
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――その“限界ママインフルエンサー”という肩書きについてですが、あえて自らインフルエンサーと名乗るようになった理由は?

井口:上の子がスクールに行き始めてちょっと時間ができたから、インスタのリールとかを作って投稿してみたんです。そうしたら意外とバズってどんどん楽しくなってきて、定期的に投稿していたらいろんな依頼が来るようになって。やっと自分のことをインフルエンサーって言えるかもなと思って、この肩書きを使うようになりました。

――インフルエンサーと名乗るものの、子育ての日常を全部さらけ出しているから決してキラキラしているわけではないですし、できないところも素直に見せてしまっています。

井口:映える日常をまったく送っていないですし、だからそういう投稿もまったくできなくて(笑)。でも、一度ボロボロになった自分を動画に上げてみたらめちゃくちゃバズってしまったんです。そこで「ああ、日常生活を送るなかでボロボロになった自分を、インスタに上げても大丈夫なんだ。みんな受け入れてくれるんだ」とわかってからは気持ちが楽になって、化粧していない姿でも投稿できるようになって。それが“限界ママ”の原点なんですよ。

 
 
 
 
 
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――まったく意図していなかったことが受け入れられた結果、そこに活路を見出せたと。

井口:「こういうことが求められているんだ、こういうのでいいんだ」みたいな感じで。しかも、DMで感想を送ってくださる皆さんも私と同じようなママさんばかりなので、「風邪をひいたときは大変ですよね。お子さんにはこういう薬がいいですよ」みたいなアドバイスももらえてすごく励みになりますし、以前よりも趣味感覚で楽しめているんですよ。

――そういうママさんたちは、井口さんがアイドルだったことを知っているんですか?

井口:なかには知っている人もいると思うんですけど、ほとんどの方が知らないんじゃないかな。普通に“ママ仲間のひとり”と思って見てくれている人が大半だと思います。だからこそ私も発信しやすいですし、“元アイドル”だってことを意識しすぎると変な感じになってしまうので。

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