草彅剛、主演映画『碁盤斬り』が海外でヒット “代表作”の更新――恩師・高倉健から受け継ぐ硬派な演技
昨年、公開された草彅剛主演作『碁盤斬り』は、その熱演で観る者の心を掴み、高い評価を集めた作品だ。『第48回 日本アカデミー賞』では、草彅が優秀主演男優賞に輝き、共演の清原果耶も優秀助演女優賞を受賞。観客と批評家の双方から絶賛され、俳優・草彅剛の存在感があらためて示された一作となった。
国民的スターから、世界に挑む名優へ
その輝きは、海を越えても衰えを見せない。今年3月26日、フランスで公開された『碁盤斬り』は、わずか5日間で4万2000人以上を動員し、興行収入37万960ドルを突破したと報じられた(※1)。さらに、アジア映画収益のトップ10入りも果たしたという(※2)。異国の観客の心までとらえたその注目度の高さは、数字だけでも伝わってくる。
フランス全土220スクリーンでの公開に加え、街角や地下鉄のホームにはポスターが掲示され、テレビCMも頻繁に放送されるなど大規模な宣伝が展開されたという。“日本の国民的アイドル”という草彅の肩書きを抜きにしても、これほど注目を集めるのは、俳優としての力が真に認められた証しだろう。
さらに、評価は興行成績にとどまらない。イタリアで開催された『ウーディネ極東映画祭』では批評家賞にあたるブラック・ドラゴン賞を受賞し、『RED LINE INTERNATIONAL FILM FESTIVAL』では最優秀長編作品賞を獲得。日本映画として初めてオープニング作品に選出されたことも、大きな栄誉として記憶に刻まれた。『碁盤斬り』は今後、北米、韓国、スペインでの配給も決定しており、世界の観客から愛される作品となることが期待される。
振り返れば、草彅剛が国際的に注目を集めるのは今回が初めてではない。2020年公開の映画『ミッドナイトスワン』では、アメリカ、エジプト、台湾、イタリア、香港、オーストリア、ベルギー、オランダ、カナダ、韓国など世界各国で上映され、言葉の壁を越えて観客の心に届いた。スクリーンに映る彼の繊細なまなざしは、遠く離れた観客の胸にも同じ熱を残し、感情を共鳴させたのだ。
そして今年4月より配信がスタートしたNetflix映画『新幹線大爆破』では、配信開始直後にグローバル週間ランキング(非英語シリーズ)で堂々の第2位を記録。映画館にとどまらず、ストリーミングの舞台でも、草彅は確実に世界で注目される名優としての存在感を増している。