香取慎吾、『24時間テレビ』で紡いだ物語と変えた歴史 30年前のSMAPの抜擢からチャリTシャツ5色展開まで
8月30日から31日にかけて放送された、夏の風物詩『24時間テレビ48-愛は地球を救う-』(日本テレビ系)。31日午後には香取慎吾が、「全日本仮装大賞 24時間テレビチャリティースペシャル」のパートに登場した。
披露されたのは、1979年から続く同番組のなかでも“歴史を変えた”作品として知られる“ピンポン”の巨大バージョンだ。ラリーが続く卓球の一場面をアナログな発想で表現。カメラアングルやスピード感が自在に変化し、まるで映画のワンシーンのように展開されていく迫力に、記憶に残る名作として多くのファンが名前を挙げる。
この日、香取は稲垣吾郎と草彅剛と3人でまわっている『NAKAMA to MEETING Vol.4』北海道公演の開催など、ほかのスケジュールの関係もあり、生放送での出演はなかったが、事前に行われた参加者の練習に潜入したのだった。
振り返れば、香取慎吾にとって『24時間テレビ』は多くの“初”と“再会”をもたらす場所だった。1995年、SMAPとして番組パーソナリティを務めたのがその象徴だ。当時、アイドルグループが番組の顔を担うことは前例がなく、SMAPの抜擢が新しい流れを切り拓いた。番組が誕生した1978年に総合司会を務めた萩本欽一の存在を思うと、この橋渡しのような巡り合わせには運命的なものを感じずにはいられない。
さらに2005年には、香取と草彅剛の“しんつよ”コンビがメインパーソナリティーに抜擢された。ここで香取は、チャリTシャツを黄色1色から5色展開に広げるという画期的なアイデアを打ち出す。赤、青、黄、黒、白のカラーバリエーションは、チャリティーグッズとしてだけでなく日常使いできるファッションアイテムへと進化。この年のテーマ“生きる”に沿って、日頃から着てもらえるようにとの思いが込められていた。
デザインを手がけたのはクリエイティブディレクターの佐藤可士和。胸元には“0524”の数字が大きくあしらわれていたが、これは“2005年”+“24時間テレビ”を意味するだけでなく、前後に日本テレビ(4チャンネル)の“4”をつけると“405”=“しんご”、“244”=“つよし”という暗号のような遊び心も隠されていた。そうした香取らしい数字のマジックに加え、SMAPメンバーのライブ出演も重なり、この年の平均視聴率は19.0%と番組史上最高を記録。『24時間テレビ』史のなかでも忘れられない回となった。
年月が流れ、SMAPの解散、新しい地図での再出発、そしてコロナ禍と世の中は大きく変わった。それでも、香取と『24時間テレビ』との縁は途切れなかった。2024年のスペシャルドラマ『欽ちゃんのスミちゃん ~萩本欽一を愛した女性~』では、萩本のマネージャー役を熱演。主演は、2006年のドラマ『西遊記』(フジテレビ系)で共演した伊藤淳史だった。ドラマ再共演は実に18年ぶりで、収録現場では互いを「悟空さん」「八戒!」と『西遊記』の役名で呼び合う微笑ましい光景もあったという。
ちなみに2人は2020年にバラエティ番組『初対面トークショー!! 内村カレンの相席どうですか』(フジテレビ系)で再会しており、伊藤が香取のプライベートに熱心に迫るも、香取はのらりくらりとかわして笑いを誘った。