SUPER JUNIOR、9人の完全体で20周年を迎える奇跡 長期キャリアの壁を越えたメンバーの絆
2005年にデビューし、今年デビュー20周年を迎えるSUPER JUNIORが7月に『Super Junior25』でカムバックを果たし、周年イヤーの真っ只中だ。韓国の男性アイドルグループでも兵役を乗り越えて10年単位で活動を続けるグループはもはや特別な存在ではなくなったが、その先駆けとなり第2世代を代表する現役アイドルグループのひとつとして、今も強い存在感を放っているのがSUPER JUNIORと言えるだろう。
今でこそK-POPでは定番となっているが、デビューから現在までメンバーのソロ活動やバラエティや俳優への進出、グループ内ユニット、コンサートツアーのグローバルブランド化など、韓国では型破りとされていた数々のアイドルの活動スタイルのパイオニアであり、その道程については15周年の時の記事を参照されたい(※1)。
SUPER JUNIORが築いた“我道”のスタイル 15年もの間存在感を放ち続ける理由を考察
SMエンターテインメント所属のグループ・SUPER JUNIORが、『Hero』から6年半ぶりの日本オリジナルミニアル…20周年イヤの今年リリースした12枚目のフルアルバム『Super Junior25』のタイトルは、2005年に発売されたデビューアルバム『Super Junior05』から着想されたもので、メンバーたちのアイデアで決まったのだという。健康上の都合で直近の活動になかなか参加することができなかったHEECHULもついに合流し、現在活動できるメンバー9人の完全体でカムバックした。
6月21日に行われたオンラインショーケースではアルバムのタイトル曲「Express Mode」は披露されず、代わりにネタバレとして「Express Mode」はキュートな雰囲気の楽曲だとメンバーが説明。そのため、ショーケースに参加したE.L.F(SUPER JUNIORファンの呼称)は「今回のタイトル曲は爽やかでかわいい雰囲気」というような情報を発信していた。
しかし、 アルバムのタイトル曲「Express Mode」は、タイトルの通りさらにさらにスピード感を持って前進しようとするSUPER JUNIORの未来志向的な方向性を体現するようなダンスナンバー。AI的な無機質さのあるラップパートや低音のメタリックサウンドは、近年はファンクやジャズ、ラテンなど有機的なサウンドが多かったSUPER JUNIORのパフォーマンスの新しい側面を見せている。
そのため、メンバーの言葉に期待を持って実際のカムバックを目にしたE.L.Fたちが揃って騙されたという流れは、団体芸が得意なことで知られるSUPER JUNIORとそのファンダムらしさを感じるユーモラスなエピソードだ。
また今回は過去の楽曲をオマージュしたパフォーマンスを仕込んだり、長年グループを支えてきたE.L.Fに捧げるファンソングも収録されたりと、20周年に相応しい充実の内容と言えるだろう。カムバック活動に関しても、ほぼ全ての音楽番組に出演。また、グループや個人でも様々なバラエティ番組に数多く出演し、今まで語られなかったグループ内のエピソードを公開したりと、精力的な活動を見せている。8月に行われたばかりの『SMTOWN LIVE 2025 in TOKYO』にも9人で参加。毎回お馴染みのアドリブ団体芸で会場を笑わせ、グループ活動の宣伝もしっかりするという変わらないSUPER JUNIORらしい姿があった。
8月23日からは、韓国ソウルのKSPOドーム公演を皮切りに、記念すべき10回目のワールドツアー『SUPER SHOW10』も始まっている。来年春までソウルを皮切りに、香港、ジャカルタ、マニラ、メキシコシティ、モンテレー、リマ、サンティアゴ、台北、バンコク、名古屋、シンガポール、マカオ、クアラルンプール、高雄、埼玉と、世界16地域を周る計画で、日本では名古屋と埼玉で4公演開催が予定されている。8月23日にもKYUHYUNが出演2回目となる『ぶらり途中下車の旅』(日本テレビ系)が放送されたばかりだが、今後も来日に合わせて日本でもお茶の間で姿を見られる機会がありそうだ。
8月22日からは、韓国ソウルのKSPOドーム公演を皮切りに、記念すべき10回目のワールドツアー『SUPER JUNIOR 20th Anniversary TOUR <SUPER SHOW 10>』も始まっている。来年春までソウルを皮切りに、香港、ジャカルタ、マニラ、メキシコシティ、モンテレー、リマ、サンティアゴ、台北、バンコク、名古屋、シンガポール、マカオ、クアラルンプール、高雄、埼玉と、世界16地域をまわる計画で、日本では名古屋と埼玉で全4公演の開催が予定されている。8月23日には『ぶらり途中下車の旅』(日本テレビ系)にKYUHYUNが2回目の出演を果たしたが、今後も来日に合わせて日本のお茶の間でも姿を見られる機会がありそうだ。
今なお現役で定期的に活動し、何都市も跨ぐようなワールドツアーを活発に行うようなグループは、まだ多くはない。20周年を迎え、全員がアラフォーとなった現在、他事務所に移籍したり個人事務所を立ち上げたメンバーもいるものの、カムバックや単独イベントはもちろん、複数の出演者で構成されるイベントにもグループとしてほぼ全員で参加する姿を見せている。2025年前半はそれぞれがソロやユニットで活発に活動しながらも、ここぞという時には毎度グループとして集合する団結力は、メンバー同士が同じ目標を共有し、それがお互いの信頼のもとで揺るがないからこそ実現できているのだろう。
「メンバーがなるべく揃って定期的にグループ活動を続けてほしい」という願いは、アイドルグループのほとんどのファンに共通するものかもしれない。しかし、人数が多いほど、そしてグループが長く続いていくほど、それが最も難しいことでもあるという現実に直面することもあるだろう。これを個人やユニットでの活動と並行して、しかも楽しそうに続けられているグループが実在するということは、それだけで他のグループのファンにも間接的に希望を与えているかもしれない。K-POPをとりまくビジネスや環境は日々変化しているが、「変わらない自然体でそこにいる」というある意味では、最も難しそうなことを体現しているのがSUPER JUNIORなのだ。来年まで続いていく20周年イヤーの活動から、ますます目が離せなさそうだ。
※1:https://realsound.jp/2020/02/post-496785.html