LIL LEAGUE、仲間を想う気持ちを6人で綴った初の挑戦 繊細な歌唱で表現した“物語”に迫る

 平均年齢18歳の6人組ダンス&ボーカルグループ、LIL LEAGUE。2023年にデビューした彼らが5枚目のシングル『真夏ノ花火』をリリースした。表題曲「真夏ノ花火」は日本の夏の空気が漂うモダンなR&Bダンスポップ。甘酸っぱい夏の恋を儚くもきらめく花火に重ねた楽曲だ。中村竜大の伸びやかな歌い出しを始め、6人の歌/ラップの個性とスキルが際立つ。『真夏ノ花火』にはそれぞれが手がけた詞を持ち寄って制作した「Forever Young ~ソラノシタ~」も収録されている。多くの挑戦をする中で、急速に進化する6人に聞いた。

「真夏ノ花火」は繊細な歌唱で曲の物語を表現

LIL LEAGUE '真夏ノ花火' Music Video

――『真夏ノ花火』の表題曲は日本の夏を感じさせるモダンなR&Bポップスという印象ですが、初めて聴いた時、どう思いましたか?

岡尾真虎(以下、岡尾):おっしゃるように日本っぽさをすごく感じました。「真夏ノ花火」というタイトル通り、花火を連想させる曲になっていて。僕たちはこれまでビートが強いダンスミュージックの楽曲を多くリリースしてきましたが、今回はバラードのような歌い方が混じっているけど、踊れるトラックにもなっているので新しいなと思いました。大人っぽさがありますし。この曲をどうLIL LEAGUEとして色づけしていこうと思ってとてもワクワクしました。

――中村さんが歌うサビから始まります。

中村竜大(以下、中村):最初のサビと1番のサビとでは歌い方がちょっと違うんですよね。それもあってワンフレーズ、ワンフレーズ、すごく緊張しながら、プロデューサーのSHOKICHIさん(EXILE、EXILE THE SECOND)にアドバイスをいただきながら、何テイクも重ねてレコーディングさせていただきました。

――他の皆さんは歌/ラップのどんなところにこだわりましたか?

山田晃大(以下、山田):今回はこれまでの僕のラップスタイルとはかなり違うアプローチのラップでした。ちょっと遊びのあるラップなのでどこに着地点を置くかとても迷いましたね。いただいたデモ自体に入っていたラップを自分の色を付けた上で落とし込むことに苦労しました。自分らしさを出すのが苦手でもあって。いろいろ探りながら録っていきました。僕が〈頬べたを叩いてみた〉ってラップした後、ほっぺたを叩く“パンパン”って音が入るっていう遊び心あふれるアレンジになっていて、その後真虎にバトンタッチします。ラップパートの始まりを担当するっていう挑戦もありましたね。

岡尾:まさに(歌詞の)〈文字通り色とりどりな炎〉っていう感じでバトンタッチされます(笑)。晃大くんのラップのフローは2番の入口ということもあって雰囲気を変えるためにも結構テンションが高いんですよね。僕は普段低音を歌わせてもらうことが多いんですが、SHOKICHIさんと相談する中で、声で奥行きを出すというアプローチをすることになり苦戦しました。結果的にうまく曲と調和できたんじゃないかなって思います。

岩城星那(以下、岩城):僕はもともと演歌から歌の世界に入っているので、和の要素が入ってる曲はすごく好きなんですよね。青春時代の恋を歌っているようであって、大人っぽい雰囲気のある曲っていうことを踏まえてレコーディングに臨みました。SHOKICHIさんが思い描いている「真夏ノ花火」と自分がイメージしている「真夏ノ花火」が合致しているかっていうことを1から確かめた上で、サビのめちゃくちゃ高いキーのところでどう儚さを出せるかっていうところにすごくこだわりました。

中村:曲の構成が花火大会を通した物語が見えてくるようなものになっていて。落ちサビではメンバーそれぞれが少しずつ歌ってバトンをつないでいきますが、クライマックスに向けてあえてちょっと落ち着かせた方が効果的だなって思って、どれだけ繊細な歌を歌うかっていうことを意識しました。あえて声を震わせてみたりして、自分が思い描いているストーリーの中の1シーンをどう演じるかに向き合って歌唱したんです。踊れる曲ではありますが、歌の感情の入れ方はバラードのような細やかな繊細さがあります。

難波碧空(以下、難波):僕は〈僕の顔見て 笑みを浮かべて 見惚れて 人知れず浮かれて〉っていうパートを担当しているんですが、ミュージックビデオでもここのパートから少し視点が変わってくるので、映像作品として皆さんに届ける上でしっかりとキーポイントとなるパートなんじゃないかって思いました。僕たちの世代における等身大の恋をシンプルに歌っている曲でもあって、背伸びはせずに感じたことをただ言葉にしている歌詞という印象があったので、曲調としては新たな挑戦ではありましたが、僕たちらしさが出た曲になったんじゃないかなって思います。

百田隼麻(以下、百田):これまで和のテイストが強い曲はそこまでやってこなかったですし、大人っぽさもあります。どういうアプローチが合うのか自分なりに考えて、試行錯誤しながら歌いました。自分のパートに関して言うと、エッジボイスから入るのか、アタック強めで入るのかっていうところからSHOKICHIさんと相談しながら進めていきました。

岩城星那・難波碧空・岡尾真虎

――6人の歌とラップの個性がとてもわかりやすく伝わる曲だと思ったんですが、自分のパート以外で好きなところというと?

岡尾:正直全部がいいと思ってるんですが、中村竜大が最後に1人で歌い上げるパートはとても印象に残りますよね。和の要素が一番前に出ているパートだと思いますし、竜大の歌の一つひとつの表現でこの楽曲が完成していく。儚い思いや積み上げていった思いが、最後に花火のように咲いていく様がとてもうまく表現されているので、このパートは自分も歌えるものなら歌いたいと思いましたし、竜大の歌を聴いてメンバーとしてとても誇らしくなりました。

岩城:あえて挙げるとしたらラップパート全部ですね。ボーカルパートは素直だけどちょっと大人っぽい雰囲気の歌い方をしているけど、ラップパートに入った瞬間に思いを伝えられないもどかしい恋心が素直に感じられる印象があって。そのニュアンスを出すためにラップチームは細かい声色を試行錯誤していったんですが、ボーカルパートとの雰囲気の違いを出せたことによって、それぞれのパートがしっかり映える出来栄えになっているんじゃないかなと思ってます。

山田晃大・百田隼麻・中村竜大

――コレオはどんなものに仕上がっているんですか?

岩城:めちゃくちゃハードです(笑)。

岡尾:バラードっぽさや大人っぽさ、妖艶さ、1曲にいろいろな要素が詰め込まれた曲になっていますが、それぞれのピースがしっかりハマったようなコレオになっていて、頑張りどころだなって思いました。見ていてすごく気持ちが良いコレオになったんじゃないかなって思います。

百田:KAZ(the FIRE)さんが作ってくださったですが、打ち上げ花火をモチーフに、いろいろなところで下から上に上がるような振り付けがあったり、遊び心を感じさせるコレオになっています。曲は儚い印象があると思いますが、コレオと一緒だとまた違った楽しみ方ができると思ってますね。

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