『DOPE 麻薬取締部特捜課』主題歌「Never ends」は誰のための物語なのか? Uruが到達したドラマソングの新境地

 Uruの新曲「Never ends」がドラマ『DOPE 麻薬取締部特捜課』(TBS系)の主題歌に起用され、大きな話題を集めている。

 「奇蹟」(TBS系ドラマ『コウノドリ』主題歌)、「プロローグ」(TBS系ドラマ『中学生日記』主題歌)など、これまでにも数々のドラマ主題歌を手がけてきたUru。ドラマの世界観、ストーリーと重なりつつ、奥深いメッセージを響かせてきた彼女の楽曲を振り返り、それぞれのキーワードとともに“Uru×ドラマ”が生み出す魅力を紐解いてみたい。

 ドラマ『コウノドリ』のために制作された「奇蹟」は、命の喜びをテーマにしたバラードナンバーだ。産婦人科の鴻鳥サクラ(綾野剛)を中心に、妊婦やその家族の姿を描いた『コウノドリ』の物語に寄り添いながら紡がれたこの曲には、生まれてくる生命、その尊い存在を守り、育もうとする人々の思いがしっかりと宿っている。ポップマエストロ・冨田恵一が手がけた洗練されたサウンドメイク、美しさ、儚さ、力強さを同時に感じさせてくれるボーカルも絶品。Uruのキャリアにとっても、ひとつのターニングポイントになった楽曲だ。

Uru 「奇蹟」×「コウノドリ」コラボレーションMV

 続いてはドラマ『中学聖日記』(TBS系)主題歌「プロローグ」。中学3年生の黒岩晶(岡田健史)と、担任教師・末永聖(有村架純)の許されない恋愛をテーマにしたドラマのためにUruが書き下ろした楽曲だ。歌詞の中心にあるのはもちろん、あまりにも切ないふたりの恋愛模様。抑えようとしても溢れてしまう感情と“プロローグ”という言葉を重ねた歌詞、ドラマティックなメロディラインがひとつになったこの曲は、Uruのアーティスト像をさらに明確にしたと言えるだろう。

「プロローグ」FULL ver.

 死刑囚の父親を持つ主人公の青年・田村心(竹内涼真)が28年前にタイムスリップし、父親が犯したとされる集団毒殺事件の謎に迫る――そんな物語を持つドラマ『テセウスの船』(TBS系)に向けて制作された「あなたがいることで」の軸にあるのは、大切な人を守りたい、幸せにしたいという真摯な思い。美しい透明感と凛とした強さを同時に感じさせるボーカルは、まさにUruの真骨頂だ。アレンジを手がけたのは、この曲で初タッグを組んだ小林武史。このあと、小林はUruの音楽活動に欠かせないクリエイターのひとりとなる。

【Official】Uru 『あなたがいることで』TBS系 日曜劇場「テセウスの船」主題歌

 「それを愛と呼ぶなら」は、Uruの愛の表現が大きく広がった楽曲だ。娘が誘拐されてしまったゲーム会社の社長・温人(二宮和也)を軸にしたドラマ『マイファミリー』(TBS系)に向けて制作されたこの曲で彼女は、〈世界中を探しても ここにしかないもの/それを愛と呼ぶなら〉と歌う。大切なのは、かけがえのない日常をともに過ごしている家族の存在。そのことに気づいた時、人はもっと強くなれる――そんな普遍的な愛の在り方が、この曲にはたしかに宿っている。

【Official】Uru 『それを愛と呼ぶなら』 TBS系 日曜劇場「マイファミリー」主題歌

 そして新曲「Never ends」は前述した通り、ドラマ『DOPE 麻薬取締部特捜課』の主題歌として書き下ろされた楽曲だ。

 作家・木崎ちあきの原作小説をもとにしたこのドラマでは、新型ドラッグ“DOPE”が絡んだ不可解な事件に挑む麻薬取締部特殊捜査課の捜査員の奮闘が描かれる。正義感あふれる新人麻薬取締官・才木優人に髙橋海人、才木の教育係・陣内鉄平を中村倫也が演じることも大きな話題に。濃密な人間ドラマと本格的なアクションシーンが融合したエンターテインメント作品が期待できそうだ。

髙橋海人・中村倫也W主演! 「異能力×麻薬取締官」アクション! 新金曜ドラマ『DOPE 麻薬取締部特捜課』7/4スタート!【TBS】

 主題歌「Never ends」のソングライティングの軸になっているのは、このドラマのストーリーとの親和性、そして物語のなかで明らかになるであろうふたりの主人公・才木と陣内の存在だ。

 ずっと君の“愛”に守られてきたという実感と、「僕は何かをしてあげられただろうか?」という不安。歌詞にはさまざまな感情が込められているが、特に心に残るのは〈立ち尽くしたこの背中押すのも/乱した心止めるのも/いつも君が僕を呼ぶその声だった〉というサビのフレーズだ。リスナーの想像力を刺激するこのラインは、ドラマが進むにつれて解釈に深みが増していくはず。子供の頃に起きた無差別テロ事件で自分を助けてくれた警官に憧れを抱き、母親がDOPE依存だったというバックグラウンドを持つ才木。そして、過去に起こった“ある事件”をきっかけにDOPEを強く憎むようになった才木の教育係の陣内。彼らの人生や思いが「Never ends」とどう共鳴するかにも、ぜひ注目したい。

 静謐な雰囲気で始まり、徐々に感情が高ぶっていくメロディ、一つひとつの言葉に奥深いエモーションを与えるボーカルも絶品。またクラシカルな弦楽器の響き、儚さと凛とした強さを内包したサウンドメイクなど、音楽的な聴きどころをたっぷり含んだ「Never ends」は、Uruがこれまで担当してきたドラマ主題歌とは異なる情感を描き出している。“ドラマ×Uru”という方程式における新機軸と呼ぶべき楽曲と言っても過言ではないだろう。

■リリース情報
New Digital Single『Never ends』
2025年7月11日(金)リリース
(ドラマ『DOPE 麻薬取締部特捜課』主題歌)

配信予約URL:https://uru.lnk.to/sFneoB

New Digital Single『手紙』
2025年8月13日(水)リリース
(映画 『雪風 YUKIKAZE』主題歌)

配信予約URL:https://uru.lnk.to/E2SG1b

Uru オフィシャルサイト:https://uru-official.com
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■番組情報
ドラマ『DOPE 麻薬取締部特捜課』
2025年7月4日(金)スタート/毎週金曜よる10:00~10:54放送
出演者:髙橋海人、中村倫也、新木優子、三浦誠己、豊田裕大、久間田琳加、小池徹平、真飛聖、伊藤淳史、井浦新
原作・原案:木崎ちあき『DOPE 麻薬取締部特捜課』シリーズ(角川文庫/KADOKAWA刊)
脚本:田中眞一(『シェフは名探偵』『ただ離婚してないだけ』など)
プロデュース:長谷川晴彦(『極悪女王』『離婚しない男―サレ男と悪嫁の騙し愛―』、映画『ケイコ 目を澄ませて』など)、佐藤敦司(『ライオンの隠れ家』『恋する母たち』『インハンド』など)
演出:鈴木浩介(『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』『シグナル 長期未解決事件捜査班』『シャイロックの子供たち』など)
古林淳太郎 (『不適切にもほどがある!』『埼玉のホスト』など)
杉原輝昭 (『仮面ライダー』シリーズなど)
編成:杉田彩佳、松本友香

『DOPE 麻薬取締部特捜課』ドラマオフィシャルサイト:https://www.tbs.co.jp/DOPE_tbs/
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