B&ZAI、初ステージで示す8人の覚悟と決意 グループの歴史の1ページをファンとともに刻んでいく

 B&ZAI初のオリジナル衣装に身を包んだ後には、公開囲み取材も行われた。ファーストライブを迎えた感想を聞かれた橋本は、「B&ZAIとしてはじめの一歩を踏み出した感じがしました」「初めて僕たちの大好きな音楽を届けられたのが幸せ」と、胸中を明かした。

 今回のライブのタイトルは、全員でホワイトボードを埋め尽くすほどのアイデアを出しあった中で決めたそうで、たまたま隣り合って書いていた「First」と「Beat」をつなげて生まれたのだという。アイデアの中には「異種格闘技戦」といった風変わりな候補もあったようで、会場からはドッと笑い声が上がった。

 不意にインタビュアーが「B&ZAIのリーダーは?」と問いかけると、なんとその場で多数決でリーダーを決めることに。自信満々な菅田だったが、指差し投票の結果、今野と菅田以外は全員今野を指名するという結果に。戸惑う今野に対し、ひどく落ち込んだ様子の菅田。「僕がリーダーになったからには、メンバー、そしてファンの皆さん、必ず幸せにします。このグループを大きくしますんで」と今野が意気込みを語ると、菅田は主任補佐として尽力していくと頼もしく続けた。

 今後の目標を聞かれ、「武道館に立ちたい」と夢を語った橋本。そして最後に、「最近バンザイ! と思ったことがある人は?」と聞かれると、「ライブができてる!」とかわいらしさ満点の笑顔で稲葉が喜びを伝え、囲み取材は締め括られた。

 MCコーナーを終え、次の楽曲に進もうとするが、菅田の姿が見えない。メンバー・観客全員で「りんちゃ〜ん!」と呼んでみると、そこに現れたのは頭にダンベルをブッ刺してたくトップに身を包み、その肉体美を惜しみなく見せつける「スーパー琳寧さん」。颯爽とステージ中央に移動し、メンバーの身体の不調の悩みを聞いて、それを解決する筋トレをリズミカルに教えていくというコミカルなオリジナル曲、「BML」が披露された。

 後半戦は、「なにもの」(King & Prince)、「僕が僕のすべて」(嵐)とエモーショナルな楽曲が続く。花道上でスマートフォンを使って自撮り映像をモニター上に映したり、頭上から降りてきたメンバーカラーのグローブを身につけたパフォーマンスなど、青春らしいさわやかな演出に浸ることができた。

 「BANG! BANG! バカンス!」(SMAP)、「罪と夏」(SUPER EIGHT)、「渚のお姉サマー」(NEWS)など、アップテンポの楽曲ラインナップを披露した夏ソングメドレーでは、メンバーがトロッコに乗って会場中を移動する。時折、何人かのメンバーが歌詞を飛ばす様子が見受けられた。それほどまでにB&ZAIとして初めて経験する幸せな時間を噛み締めているのだろう。ようやく会えたファンの姿に、愛おしさが止まらないようだ。会場でゆらめくペンライトの灯りや、観客一人ひとりの顔を見つめ、終始笑顔で手を振ったりポーズをしたりしているメンバーには、これ以上ない充実感が溢れて見えた。

 橋本のアコースティックギター弾き語りと今野のボーカルに聴き惚れる「ムラサキ」(赤西仁)の後は、ミステリアスな演出が展開が繰り広げられる「You're Liar♡」(藤ヶ谷太輔)が。稲葉のヴァイオリンが奏でる「メヌエット ト長調」が不穏な不協和音へと様相を変え、花嫁姿をしたマネキンがステージ上に現れると、絡みつくような官能的なダンスでさらに観客を魅了する。

 菅田・川﨑・稲葉のアクロバットが次々に繰り出されながら、スタイリッシュに魅せた「ファタール」(GEMN)の後には、再びバンド体制に切り替わる。メンバーもさらに熱を帯びてきた様子で、「Something from Nothing」(SixTONES)、「Sometimes」(TOKIO)と立て続けに激しいロックサウンドをぶつけ、矢花は前屈みに、今野はギターを天に掲げて激しく弾き鳴らし、爽快に突っ走っていく。鈴木のデスボイスシャウトと橋本のフェイクが交差し、会場の空気を揺らしていく。

 バンドやダンスだけでなく、全体的にも歌唱力の高いメンバーがそろっているのも、B&ZAIの特徴なのではと感じる。橋本・今野・鈴木と、中でも歌で魅せるメンバーを中心に、バランスのいい歌割りが考えられていて、全員の歌声に耳を傾けられるのが贅沢だ。パフォーマンス構成からもすべてのファンに寄り添いたいという彼らの思いが伝わってきた。

 「俺たちのこの熱、受け止めてくれよ!」という橋本の叫びとともに軽快なギターサウンドでスタートしたのは、「象」(SUPER EIGHT)。立ち込めるスモークの中をソニックブームが貫き、それまで後方でリズムを刻んでいた川﨑が、ドラムセットごと移動し始め、メンバー全員でバンド演奏をしながら花道へ進んでいく。〈そう今でも段々僕ら強くなってく 案外どんな夢も叶えられるよ/その手で掴み取れ!幸せがある!〉メンバー全員で歌い上げる力強い歌詞には、まだ序章を迎えたに過ぎないB&ZAIのこの先の未来の可能性を感じさせた。

 本編最後となる楽曲は、B&ZAI最初のオリジナル曲となる「First Beat」。パフォーマンス前には、橋本がその場に集まったファンに感謝の気持ちを述べた。そして、「俺は言霊というものを信じています。俺たちB&ZAI8人、絶対にデビューしてやります! 絶対にこの事務所でデビューして、曲出してみんなのところに届けます!」と固い決意を誓い、その言葉に涙を流すファンの姿も見受けられた。「夢叶えようぜ!」とメンバー全員に語りかけた橋本を見つめ返す7人の目には、なんの迷いも感じられない。全員が思いを束ね、歌い上げた「First Beat」は、まさにそんな彼らの熱い思いが痛いほどに伝わってくる情熱的な楽曲だった。不安も迷いも置き去りにして、未来へ飛び込んでいく。逆境の中でも、足掻いて希望をその手で掴み取る。すでに大きく見える彼らの背中が、これからもっと大きな景色を見せてくれるような予感を感じさせる、疾走感のある楽曲に胸を打たれた。

 「さぁ生きまくれ!wonderful life!」(A.B.C-Z)、「明日へのYELL」(Hey! Say! JUMP)を歌い上げたアンコールでは、橋本が「誰も置いていかないからな!」とファンに投げかけていたのが印象的だった。楽器のバリエーション、ローラースケートやアクロバットなどのダンスパフォーマンス、そしてそれぞれの熱い思いが乗った歌声によって、勢いよくスタートダッシュを切ったB&ZAI。しかしどんなに速く走ったとしても、決してファンの手を離すことはない。

 「置かれた場所で咲きなさい」という言葉を耳にしたことはあるだろうか。与えられた環境で精一杯力を尽くし、懸命に生きるようにという意味の言葉だが、8人はあの場所で思う存分咲き乱れていたように感じる。そして、きっとこの場所から、想像もしていなかったほどの場所へとあゆみを進めていくのだろうと。

 結成半年という若いグループが、激しい産声を上げた今回のライブ。7月20日には『OSAKA GIGANTIC MUSIC FESTIVAL 2025』、そして8月17日には『SUMMER SONIC 2025』への出演と、大きな舞台で再びその姿を見せてくれることが決定している。きっとこの日見た景色をずっと胸に抱いたまま、前人未到の領域へ連れて行ってくれることだろうと、この先の未来に期待を寄せずにはいられない。

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