乃木坂46 賀喜遥香&井上和が“挑戦”の場に寄り添う意味 『閃光ライオット』アンバサダーの必然性
乃木坂46の賀喜遥香と井上和が、『マイナビ 閃光ライオット2025 produced by SCHOOL OF LOCK!』の応援アンバサダーに就任した。
10代アーティスト限定で、審査を勝ち抜いたアーティストだけが出演することができる“音楽の甲子園”『閃光ライオット』は、多くの才能を世に送り出してきた“登竜門”だ。過去には緑黄色社会やGLIM SPANKYなどがこの舞台から羽ばたいている。2025年の今回は3371組がエントリーし、一次、二次、三次審査を経て、最終審査へと進むステージが目前に迫っている。
そんな熱量に満ちたイベントにおいて、応援アンバサダーを務めるのが、乃木坂46の中でも“今”を体現する賀喜と井上というのは、とても象徴的であるように感じる。
賀喜は4期生、井上は5期生。グループの世代的な継承の流れを見ても、彼女たちは“これまで”と“これから”を繋ぐ存在だ。だが、それ以上に重要なのは、二人が表現者としての軸を明確に持ちながら、それぞれのスタイルで発信し続けていることだった。
賀喜は、多方面での表現を重ねてきたメンバーである。センター経験を重ねる中で磨かれてきたアイドルとしての佇まいに加えて、ブログやレギュラー出演しているラジオ『SCHOOL OF LOCK!』(TOKYO FM)内のコーナー『アーティストLOCKS!(乃木坂LOCKS!)』の「イラスト同好会」で披露されるその絵には、単なる趣味を超えた独自のセンスと誠実さが滲んでいる。「何もない毎日を変えたくて乃木坂のオーディションを受けた」と語っていた過去。その言葉には、表現を通じて自分を肯定したいという願いが宿っていたように思う。
かつてセンターに立った30thシングル表題曲「好きというのはロックだぜ!」では、強いメッセージを放ちつつも、実はプレッシャーに押し潰されそうだったと語っていた賀喜。その苦しみを越えて、仲間の存在によって自分を立て直す過程を、彼女は真摯に言葉にしてきた。今回のアンバサダー就任記者発表で賀喜が語った「10代の日々を今振り返ると、一日一日が青春で、大切な時間だったと思います」(※1)というメッセージには、自らの歩みへの確信が感じられる。イラストに救われ、仲間に救われ、ステージに立ち続けてきたその人生は、決して派手な成功譚ではない。むしろ、模索しながらも進み続ける誠実な表現者としての姿勢は、10代の挑戦者たちに寄り添ってくれるだろう。