CANDY TUNE、2周年の軌跡を辿る“らしさ”全開のステージ 初アリーナワンマンで見せた今の到達点

 KAWAII LAB.所属の7人組アイドルグループ・CANDY TUNEが、グループ初のホールツアー『CANDY TUNE 2nd ANNIVERSARY TOUR 2025「CANDY CANDY PARTY」』の追加公演を、5月4日、5日に千葉・幕張イベントホールで開催した。2023年3月のデビューからわずか2年で、初のアリーナワンマンにして2日間で延べ12,000人を動員。この記念すべき2周年公演は、グループが歩んできた軌跡と“今”の到達点を、ステージ上で明確に提示するものとなった。本稿では、5日に開催された追加公演の模様をレポートする。

 CANDY TUNEは王道アイドルのスタイルを貫きながらも、その枠にとどまらない存在感を確立してきた。かわいらしさとパフォーマンス力、ユーモアと誠実さ、そのすべてをライブで体現することで、彼女たちは“応援される存在”から、“信頼される存在”へと進化を遂げつつある。今回の公演はそんな7人の“現在地”を示すだけでなく、彼女たちが目指す未来の在り方をも照らし出していたように思う。

 バンドセットによる生演奏から始まった「Overture」を経て、客席から登場したメンバーたち。彼女たちの代名詞にもなっている「キス・ミー・パティシエ」で幕を開けたライブは、フロアを一瞬にして幸福感の渦に変える。メンバーがステージで繰り広げる視線と柔軟なステップが、その華やかさに説得力を与え、“これぞCANDY TUNE”と言える熱狂ぶりに包まれた。続く「hanamaru」でさらなる一体感を生み出し、「未完な青春」では、イントロから会場の空気がガラリと変わり、青春の陰影を描くようなリリックに、7人がそれぞれの感情を込める。

 メンバーの自己紹介を挟んだあとは、観客との距離を一気に縮める“他己紹介”パートを挟んだ「絶対きゃんちゅー宣言っ!」を投下。あめちゃん(ファンの呼称)の歓声に包まれながら、彼女たちの魅力があらためて浮き彫りになっていった。個性の応酬は、まるでカラフルなキャンディが次々と転がり出すような楽しさで、フロアを笑顔と歓声の渦に巻き込んでいく。これぞ“CANDY TUNEらしさ”だ。

 そこから「CATCH YOU」「TUNE MY WAY」と、キャッチーでダンサブルな2曲が畳み掛けられると、宮野静のダンスが冴え渡る。アイドルらしい愛らしさと、ダンサーとしての緻密なボディコントロールが同居した動きは、CANDY TUNEにおける“静の強さ”を象徴するようだった。ライブ中盤、「Twilight Dilemma」が始まると、ステージの色調もトーンも一変。抑制されたライティングと構成美のなかで、7人のシルエットが浮かび上がる。華やかな演出をそぎ落としたミニマルな空間だからこそ、一つひとつの仕草や表情が際立ち、観る者の感情を静かに揺さぶる。

 その後、村川緋杏が「レーシックの人いますか? わたし、人生で一番してよかったのがレーシックです!」と客席に問いかけ、観客との軽妙なキャッチボールを交わす恒例の“質問コーナー”が展開。「備えあれば無問題」へと続き、ポジティブなメッセージと跳ねるようなビートで、あめちゃんと楽しさを共有する。

 CANDY TUNEのこれまでを辿る映像演出ののち、新衣装で再登場した7人が、ヒャダインこと前山田健一提供の新曲「推し♡好き♡しんどい」を初披露。冒頭、小川奈々子が「しんどい!」と叫ぶように語り出した瞬間、客席から割れんばかりの歓声が沸き起こる。楽曲はまさに“推し活”の情緒をそのまま落とし込んだような内容で、サビではエモーション全開のダンスで視線をかっさらっていく。

 「推し♡好き♡しんどい」のタイトルにちなんで各メンバーが「〇〇のここが好きすぎてしんどい」と本気と冗談を織り交ぜたトークを展開するなか、立花琴未がまさかの“自引き”で「きゃんちゅーに入る決断をしてしんどい!」と叫ぶと、会場中が爆笑と拍手に包まれる。このMCタイムでも、メンバー同士の信頼関係と、観客を巻き込んでひとつの空気を作るCANDY TUNEらしさが存分に発揮されていた。

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