WANDS 3代目ボーカリスト 上原大史が放つカリスマ 歌唱力・人間性・容姿、三拍子揃った類まれなる才能

 1991年にデビューし、「もっと強く抱きしめたなら」「時の扉」「世界が終るまでは…」など、数々のミリオンヒットを生み出したWANDS。2000年に“解体”を宣言したのち、19年後の2019年、オリジナルメンバーの柴崎浩(Gt)を中心に第4期として奇跡の再始動を遂げる。再始動とともにセンセーショナルなニュースとなったのは、3代目ボーカリスト・上原大史の加入だった。

 その後第2期メンバーの木村真也(Key)が加わり、上原、柴崎、木村の3人で第5期WANDSがスタートしてから約6年。新曲や、名曲の“~WANDS 第5期 ver.~”のリリース、全国ツアーにフェス出演と積極的に活動を続けている。その原動力のひとつとなっているのは、伝説的バンドに加入するという重圧を乗り越えてフロントマンを務める上原大史の存在だ。

 先輩に囲まれ、往年のファンの前に立ちながら、一歩ずつWANDSの歴史を更新してきた上原。彼のボーカリストとしての魅力を、改めて紐解いていきたい。

WANDS「WE ALL NEED LOVE」MV

 まずは、とにもかくにも歌唱力である。

 キャッチーなポップスから切ないバラード、ライブで盛り上がる熱いナンバーまで、多彩な楽曲が揃うWANDS。それらを歌いこなす技術はもちろん、上原の強みは、80年代ハードロックの影響を受けた骨太なバンドサウンドのグルーヴを乗りこなせることにある。

 彼自身が音楽ルーツとしてハードロック/メタルを通っていることに加え、もともとハスキーな声質は“ロックバンドのボーカル”として天性の才能だ。

 オリジナルボーカリストとしてWANDSのイメージを確立させた上杉 昇、のびやかな歌声で第3期を支えた和久二郎といった先達のスタイルに近く、それは武器でもあるのだが、だからこそ加入初期は戸惑うことが多かったという。

WANDS 「世界が終るまでは… [WANDS第5期ver.]」 MV

 「“第5期”をスタートさせた当初は、それまでのWANDSのボーカルに寄せないといけないという意識がどうしても拭えなかったんですよ。ただ、僕にもボーカリストとしてのプライドもあるので、活動を続けていく中で自分の色を少しずつ出していくようになった」と、2022年の当サイトのインタビュー(※1)で語っている。さまざまなプレッシャーと向き合い、研鑽を重ね、少しずつ「第5期WANDSのボーカル」としての個性を獲得してきた。

関連記事