「『アートゥーン！』は藝大版『QuizKnock』だ」の声について

ーー『アートゥーン！』は音楽／美術のチャンネルのなかでも、よりアカデミックな内容を扱っている印象を受けます。

真田：それは、『QuizKnock』を手掛けているbatonと一緒にやっているという部分も大きいと思います。

桶家：音楽側の意見としては、そのアカデミックな部分を知ってほしいっていうところはありますね。あんまり学問チックに考える必要はないと思うんですけど、理論体系化された音楽はクラシックとジャズしかない一方で、ロック以降の音楽――ポップスやファンクにもそこの技術は応用されています。それを知るためにも学問としての音楽を広げていく必要はあると思います。

ーーまさにbatonのビジョンにもある「遊ぶように学ぶ」を体現しているようなチャンネルになりますが、同じくbatonが運営しているYouTubeチャンネル『QuizKnock』を見ている方からも当初の狙いどおり「『アートゥーン！』は藝大版『QuizKnock』だ」という声が多いように感じます。

真田：それくらい良質なコンテンツを出せているということなら嬉しいです。芸術を実践して体を動かして「できた」っていう喜びももちろんあると思うんですけど、それと同時に、芸術を理解するために知識に触れたことでより理解が深まる「わかった」という喜びも僕は感じてきたので、その部分がちゃんと伝わればいいな。

林：こういう知識を得たり手法を学ぶことを勉強だと思ってやってるメンバーはきっといないです。本当に好きだからやる。やりたいからやる。だから、YouTubeでもひたすら“楽しむ”ことにフォーカスしています。

ーーここまでお話を聞いていて、『アートゥーン！』としての活動も、皆さんの普段の日常の延長線上にあるように感じます。

真田：そうですね。もともとみんな芸術に本業があるので、『アートゥーン！』を始めて生活や価値観がガラッと変化したということはあまりないかもしれないです。

林：仕事先や取引先に「見てますよ」って言ってくれる人がいるくらい。本業でもスタジオに入って撮影したり、ディレクターとして企画を考えたりすることも多かったので、僕もあんまり変わってないかもしれないです。

真田：動画に出てくるような話って、普段僕たちが遊んでいる時に話しているような内容にかなり近いんです。「これ知ってる？」みたいな話を日常的にしていて、それがそのまま動画になっているので、あんまりストレスとかも感じず自然体に写っていると思います。

桶家：強いて変化を挙げるなら、外に出るようになったかも。撮影があるから（笑）。

林：たしかに（笑）。

『アートゥーン！』がこれから目指すもの

ーー先日真田さんの展示会に『アートゥーン！』のコラボ作品も展示されていました。これから動画投稿以外にやってみたいことはありますか？

桶家：音楽組はライブがしたいですね。なるべく大きいところで。

真田：5大ドームツアー？

桶家：6！　札幌ドーム（エスコンフィールドHOKKAIDO）も！

真田：ライブもそうですし、視聴者さんたちの生の声を聞けるイベントもこれからやっていきたいですね。

林：大きいことをいうなら、何かしらのイベントのアートディレクションを全部乗っ取りたいですね。うちは音響もデザインも美術も、作曲も演奏も、アーカイブ撮影もできる。だから、『アートゥーン！』が全てを手がけるようなことができたらいいですね。

ーーYouTuberとしての目標はありますか？

真田：自己紹介動画でも「登録者数100万人」って言ってたので、あと16倍。まずはそこを目指して頑張りたいです。

林：あとは、“美術”でフロアを沸かしたいですね。音楽メンバーのライブに行ったりすることもあるんですけど、美術の展示だと拍手喝采をあまり受けることがないので。「美術でブチ上がる」って、あんまりないんですよね。それを模索していきたいです。

■イベント情報

5月28日（水）から6月9日（月）に開催される真田将太朗の個展『NEXT LANDSCAPE』内の一部スペースで、アートゥーン！の展示を実施予定です。現在鋭意準備中。詳細はアートゥーン！の公式X（https://x.com/ArtooneCH）で後日発表予定ですので続報をお待ちください。 
 
真田将太朗 個展「NEXT LANDSCAPE」
現実の風景を抽象化し、垂直的なストロークで描くアーティスト・真田将太朗の個展を開催。新作を中心に展示販売する他、東郷神社に奉納された貴重な作品を披露します。
期間：5月28日（水）～6月9日（月）
会場：阪急うめだ本店 9階 催場（および1階）
時間：10時〜20時
料金：入場無料
詳細：https://www.hankyu-dept.co.jp/honten/event/index.html