Travis Japan 松田元太、大人から子供まで虜にするバランス感覚 声優業でファン層さらに広げるか
このように松田が子どもたちからも愛される存在になっているのには、彼のバランス力が関係しているように感じる。Travis Japanとしてのパフォーマンスではキレのあるダンスと鋭い表現力で観客を魅了しながら、トークでは意図せず生まれる緩急のあるリアクションで空気を和ませ、まさに場の温度を自在に操る感性の持ち主。4月7日に行われた映画の完成披露舞台挨拶でも、共演者と仲のいい会話を交えながら、座長として明るい空気を作る頼もしさに溢れていた。一方で、少年的な無邪気さで、目の前のことに対して全力で取り組む純粋さも彼の魅力。こうしたバランス感覚を持つ松田の人間性は、子ども向けの作品でも遺憾なく発揮されている。
本作は、かつて「たべっ子どうぶつ」を食べて育った世代が親となり、その子どもたちと一緒に映画を見に行くという家族の団欒も生むものだと思うが、そうした時間に松田の声が寄り添う光景は、とてもあたたかく感じられるのだ。Travis Japanとして世界を舞台に活躍しつつ、松田はいつも親しみやすさを忘れない。だからこそ、キラキラとしたアイドルとしてだけでなく、身近な“友達”として子どもたちにも届くのだろう。今回の映画出演は、そうした彼の幅広い魅力が世代を超えて伝わる絶好の機会だ。
松田のこうした自然体の姿は、どこか『たべっ子どうぶつ』のカラフルで愉快で、優しい世界観と似ている。松田が「(キャラクターに)声が吹き込まれて命が宿った瞬間を見た時に、より『好き!』って思った」(※2)と言うように、そこに彼の声が加わることで、より一層キャラクターたちが生き生きとし始め、観る者の心に残る作品になっているはずだ。子どもから大人まで、そして親子一緒に楽しめるこの映画は、誰からも愛される松田にこそぴったりの舞台だと思う。
どんな時も全力で挑み、全身で喜び、何事にも本気で向き合う松田。素の人間力で誰しもを惹きつける彼が、どんな表現でらいおんくんというキャラクターに息を吹き込んだのか。スクリーンの向こうにいる彼の“あたたかさ”をぜひ感じてほしい。
※1:https://youtu.be/-jfLt_q_HGw?si=MDJA5HALWouREgko
※2:https://www.youtube.com/watch?v=Lgd2cYKUJNc