真心ブラザーズ、熟成された2025年の10人編成“MB's”ライブ! 生まれ変わる楽曲群と更新され続ける楽しさ

 鍵盤&ホーンズ&うつみのコーラスありの編成で活動していた頃の楽曲を、当時そのままのアレンジで聴ける楽しみ。ギター、ベース、ドラムのシンプルなアレンジであることが多い初期の曲や2005年の再始動以降の楽曲が、この編成で生まれ変わるさまを味わえる楽しみ。

 それが、この年イチMB'sライブにおける、真心ファンにとっての楽しみの大きなふたつである。

 その前者の極みが、たとえば、「ENDLESS SUMMER NUDE」「EVERYBODY SINGIN’ LOVE SONG」「ROLLING」の固め撃ちでオーディエンスを熱狂させた、本編ラストのゾーン。

 その後者の極みが、たとえば、2024年9月リリースの最新アルバム『SQUEEZE and RELEASE』の収録曲をこの編成で鳴らした、アンコールの1曲目「オレは音楽」だった。
その曲を終えて、YO-KING、本音を漏らす。「今年もめっちゃ楽しかった。本番が楽しいんだよね。リハはしんどいよ。濃い曲が多いのよ。濃かったなあ、今日も!」。

 そして、この編成でこそ聴きたい数々の曲の中でもトップクラスであり、このライブではアンコールが定位置になっている「RELAX〜OPEN〜ENJOY」で、約2時間20分のステージが感動的に締めくくられた。

 このあと真心ブラザーズは、ふたりだけで、いわゆるライブハウス以外の会場(能楽堂や劇場や神社など)を中心にまわる、恒例のアコースティックツアー『真心道中歌栗毛 2025』に出発。5月5日群馬・高崎シティギャラリー コアホールから、7月20日沖縄・桜坂劇場 ホールAまで18本を行う。

 あ、ひとつ大事なことを書き忘れた。

 近年のライブ(真心もそれ以外も含む)において、バイオリンを演奏する機会が増えている桜井は、この日は7曲目「耄碌はやってくる」の前のイントロダクションで、それを披露した。音源(1992年リリースの4thアルバム『善意の第三者』の1曲目)では、本家・横森良造に依頼してアコーディオンを弾いてもらった、『NHKのど自慢』テーマソングの部分である。

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