連載「lit!」第145回:BABYMETAL、乃木坂46、超ときめき♡宣伝部……アイドルの“今”を映し出す最新曲5選
BABYMETAL「from me to u feat. Poppy」
メタルとアイドルの融合から始まったBABYMETALが、また一歩先の音楽世界へ踏み出した。最新曲「from me to u」は、アメリカの異色アーティスト・Poppyを迎えた強烈なコラボナンバー。ジョーダン・フィッシュ(ex. Bring Me The Horizon)も制作に参加するなど、世界基準の音像が構築されている。怒りや闘争心を吐き出すリリック、重厚なサウンド、そしてPoppyのシャウトとSU-METALのボーカルがぶつかり合う構成は、激しさと“かわいさ”が交差するBABYMETALの真骨頂。MVではドラゴンに扮したPoppyが出現するなど、映像美も圧巻だ。世界の巨大フェスを沸かせてきたライブパフォーマンスは、今や伝説的な域に達している。BABYMETALは、2025年もなお、“唯一無二”であり続ける存在として、音楽のフロンティアを切り開いている。
超ときめき♡宣伝部『世界でいちばんアイドル/ひみつのふふふ』
TikTok発のヒットやアリーナ公演の成功を経て、超ときめき♡宣伝部はアイドルシーンのど真ん中を走り続けている。そんな彼女たちが、結成10周年という節目に放つのが両A面シングル『世界でいちばんアイドル/ひみつのふふふ』だ。「世界でいちばんアイドル」は、アイドルという存在を全力で肯定するキラーチューン。ファン(宣伝部員)への感謝と、これからの希望をのせた言葉が、とき宣らしいエネルギッシュなサウンドに乗って響く。一方、「ひみつのふふふ」はTVアニメ『ひみつのアイプリ』のエンディング曲として、可愛さ全開のアプローチで幅広い層にアピール。ライブでは、全力のパフォーマンスとファンとの一体感が生み出す“ときめき”が空間を満たす。10年の歩みの先にあるこのシングルは、グループの軌跡と未来を繋ぐ、祝祭のような一枚となっている。
グループの体制、メンバーの顔ぶれ、音楽性のどれもが変わっていくアイドルという世界。だが、その変化の先にあるものは、いつも今を生きる彼女たちのリアルだ。今回紹介した5曲には、そんな変化と向き合いながら、自分たちの物語を紡いでいくアイドルたちの姿が色濃く刻まれている。アイドルは生ものと言われるように、ステージの上にいる彼女たちの“今”は、常に更新され続けていく。その瞬間に立ち会える喜びこそ、アイドルカルチャーが持つ最大の魅力なのかもしれない。