日向坂46 松田好花&乃木坂46 一ノ瀬美空、『THE TIME,』で育んだ表現力と信頼

 グループ加入から約1年での曜日レギュラー抜擢というプレッシャーの中、一ノ瀬は番組の空気を吸い込みながら成長していった。当初は緊張感を滲ませる場面も多く、声の小ささや視線の揺らぎに不安定さが表れていたが、次第にその空気にも馴染み、自分の言葉で「朝のひとこと」を伝えられるように。『THE TIME,』の次枠番組である『ラヴィット!』(TBS系)とのクロストークで見せた、チャーミングかつ堂々としたやり取りは、成長の証だった。

 また、スタジオ外でのロケや天気中継で見せた、視聴者との距離の近さも一ノ瀬の魅力の一つだった。カメラの向こうにいる視聴者へ丁寧に語りかける姿勢は、アイドルという立場を超えて、“伝える”ことの意味を誠実に体現していたように思う。

 2人が『THE TIME,』で担った役割は、視聴者にとって朝の光そのものだったと思う。日向坂46と乃木坂46、異なるグループに所属しながらも、火曜日と水曜日の朝を確かな存在感で彩ってきた2人。スタジオ前に集まったファンの姿、SNSで寄せられる感謝と惜別の声。そこには、ただの曜日レギュラーという言葉では語りきれない、視聴者から注がれた深い愛情があった。

 グループ内での立ち位置にも、番組出演は確かな影響を及ぼしているように思う。松田はラジオパーソナリティとしてのキャリアも積み重ね、写真集のリリースなど個人活動の幅を着実に広げている。日向坂46の中でも外仕事に強い存在として、多くの番組や企画に呼ばれ続けている背景には、『THE TIME,』での経験が確実に活きている。共演者の懐に自然と入り込む空気感や、報道番組ならではの距離感の取り方は、彼女の言葉や表情に確かな説得力を与えている。

 一ノ瀬はMCやトークパートなど任される物量が増え、番組を通して学んだ言葉のリズムや発信力が、メンバーとの関係性にも良い作用をもたらしている。特に5期生の中では、井上和や川﨑桜らとともに中心を担う存在として注目されており、視野の広さと安定感は彼女の大きな武器だ。

 『THE TIME,』は、彼女たちにとって挑戦であり、学びの場であり、成長の証でもあった。松田と一ノ瀬の2人が重ねてきた朝の時間。それは単なるテレビの1コーナーではなく、彼女たち自身の物語を紡ぐ舞台でもあったのだ。

 2人の卒業に際しては、番組共演者やスタッフからも惜しむ声が多く寄せられた。佐々木舞音アナウンサーは自身のInstagramで「このちゃんの笑顔が見られる火曜日はそれだけでたくさんのパワーをいただきました」とコメントし、一ノ瀬とのやり取りを「みくちゃんは本当の妹のようで、なんて言うとおこがましいですが、仲良くしてくださり嬉しかったです」(※1)と回顧している。こうして寄せられた言葉の数々が、2人の現場での信頼関係と、人としての温かさを何よりも物語っている。

 視聴者の一日の始まりを見守る役目を終えた松田と一ノ瀬が、今後それぞれどんな姿を見せてくれるのか。火曜日と水曜日の朝に宿った光が、きっとこれからの彼女たちを照らしていく。そしてまたテレビを通してあの笑顔に出会える日を、楽しみに待っていたい。

※1:https://www.instagram.com/p/DHw6a8iBJs8/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==

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