“ポストBiSH”になり得る存在は? yosugala、O-VER-KiLL、INUWASI……“ロック/ラウド系アイドル”注目株
INUWASIは夏にメジャーデビュー ジエメイ、Quubiにも注目
今年2月にデビュー5周年を迎え、それを記念したツアーのファイナルでは神奈川・KT Zepp Yokohamaをソールドアウトさせて勢いづいているのが、MAPLE INC.に所属する6人組アイドルユニットのINUWASI。初期に顕著だったハードコアな路線からピコリーモやエレクトロニコアに和の情緒を取り入れた作風まで、さまざまな方向に音楽性を拡張してきた5年の軌跡が詰まった3rdアルバム『RAPTOR: IkAZuCHi』は、犬と鷲の融合生物をビジュアルイメージに掲げた“ハイブリットラプター”アイドルの彼女たちならではの、高感度な楽曲が楽しめる力作に仕上がっていた。結成時から不動の6人だったが、この3月をもってイヴが卒業。だが5月に新メンバーが加入し、夏にはメジャーデビューが決定しており、今年は新体制でのさらなる飛躍が期待される。
また、愛知・名古屋を拠点に活動する4人組オルタナティブロックアイドル・ジエメイも見逃せない存在。ラウドロックを軸にしつつ、細かいパッセージを多用したハイカロリーな楽曲からエレクトロニコア~メタルコアまで、モダンなミクスチャー感覚に貫かれた音楽性と、それらの高難度な楽曲を歌いこなす実力は確かなもの。今年2月に配信リリースされたEP『KILLER』には、Mumeiが楽曲提供した「ニーチェ」と「ガランドウランド」というまさにキラーな2曲が収められている。
そして、先に名を挙げたPassCodeや我儘ラキアをはじめラウド系アイドルの層が厚い大阪からは、川原みなみ、藤宮紬、村上華花の3人で活動するQuubiを推したい。平地が作編曲を担当した「Legendary」で2021年にデビューした彼女たちは、ラップを取り入れたミクスチャーロックを特徴としており、スクラッチなども導入したグルーヴ感の強いサウンドと英語が多めの歌詞もあって、より洋楽ロック的なフレーバーが強い印象。昨年12月にリリースされた最新アルバム『Meme』も素晴らしいが、個人的にはステージでの勢いと迫力がパッケージされたライブ音源『Quubi KiTSUNE Party 2024 at GORILLA HALL OSAKA』がお薦めだ。
ほかにも、そのQuubiとのコラボ曲「9≠46」もリリースしているuijinのありぃプロデュースによる4人組アイドルグループ・YOLOZ、COALTAR OF THE DEEPERS/特撮のNARASAKIと代代代などをプロデュースしてきた小倉ヲージがタッグを組んで手掛けるグラインドコアアイドル・集団など、2024年始動組にも注目株は多数。ぜひあなただけのアイドルを見つけてほしい。