そう、これほどまでに一度携わった番組や作品が長く続くのは、きっと稲垣が一つひとつを大切な“出会い”と感じ、人生に取り入れていくスタイルにあるのかもしれない。もともとワイン、音楽、時計、カメラ、ゴルフ、漫画、植物など、多くの趣味を持つ稲垣。しかも単に好きなだけでなく、たとえばカメラ好きが高じて自宅に暗室を作るといった凝りっぷり。

　その興味範囲の広さと知見の深さから番組や作品へと繋がることもあるが、逆に番組や作品をきっかけにプライベートでもそれを楽しめるのも稲垣らしさなのだろう。先日も『ななにー地下ABEMA』（ABEMA）にて、チキンライスの上でパカッと卵を広げるオムライス作りにチャレンジしたところ、すっかりハマって毎日のように練習したという話も披露していたほどだ。

　そんなふうに丁寧に“楽しむ心”を持つ稲垣をきっかけに、今度は番組や作品に触れた視聴者や観客がその楽しみ方を知る。そうして、稲垣を中心に作り手も受け手も、より深く魅力的な世界へと誘われていく……。何かに夢中になって抜け出せなくなることを「沼る」と表現することがあるが、まさに稲垣は自らが“沼る”ことも、誰かを“沼らせる”こともできる人。稲垣の『ハリー・ポッターと呪いの子』への出演を機に、また人生を豊かにしてくれる美しい沼が待ち受けているようだ。

※1：https://www.harrypotter-stage.jp/news_detail/20250227_harry/