サンドリオンの解散を惜しまずにはいられない 佐藤純一(fhána)×鷲崎健が“音楽ユニット”としての稀有な魅力を語る
「サンドリオンは“学校の友達”みたいな印象がある」(鷲崎)
ーーその他にもステージに立っている時のサンドリオンの魅力があれば聞いてみたいです。
鷲崎:アイドルにせよ声優さんにせよ、大体のユニットは「こういう方向性で行きますよ」という何かしらの指針の元にみんなが活動していて、例えるなら「塾で会った友達」「同じ目的を持った仲間」みたいな印象があるんですけど、サンドリオンは「学校の友達」みたいな印象があるんですよね。人格の歪みや揺らぎ、きつい言い方をするとメンバー間でぶつかり合っている時期があったとしても、そういうのをあまり隠さないというか、いびつな部分が他グループよりもあったように僕には見えていて。それは普通に考えれば弱さなんですけど、それが逆に遠心力を作っていたというか、面白さや魅力になっていたような気がします。それは人間力でありグループ力ということだと思うんですけど。
ーーその人間らしい隙が逆に見逃せない要素になっていたと。
鷲崎:それこそ僕はi☆RisやDIALOGUE+も好きだし、彼女たちにも隙はあると思うんですけど、それはもう少し整備なりコントロールされた隙なんですよね。でもサンドリオンは「これは大丈夫なのかな?」という隙がたくさんあって(笑)。でも、それが面白かったです。破れているはずの場所が結局キュートな模様に見えてくる、みたいな。汚れや破れが良さに見えてくる良さがあったと思います。それは愛した人だけなのかもしれないですけど。
佐藤:そのちょっと歪な関係性も隠さない感じは、バンドっぽい気もします。グループであれば人間関係を含めて隙は必ずあると思うんですけど、アイドルグループの場合は隙もある程度コントロールしたうえでの見せ方が出来上がっているわけじゃないですか。でもバンドの場合、主体性を持って活動している人たちの集まりなので、メンバー同士の自意識が絶妙にぶつかり合うし、外からは仲良しに見えたとしても、見る人が見ればステージ上でもピリついている雰囲気が伝わることがあって。そういうバンドっぽい成り立ちの緊張感なり隙が、サンドリオンにもあった気がします。
鷲崎:プラスして手放しな感じというか、周りの大人から押しつけられていない感じがありますよね。
佐藤:そこがコントロールされていない感じに繋がっているんだろうし、僕のようなバンド出身の人間からするとシンパシーを抱きやすいところでもあって。サンドリオンも当然仕事としてやっているわけですけど、仕事としてだけでは割り切れないものがあると思うんですよね。アーティスト活動もバンド活動もそうで。
鷲崎:距離感を決めて付き合っていけば楽ですけど、それを決めずに、毎日いびつに絡んでいくということは、空間があるところもあれば摩擦が生まれるところもできるわけですけど、それを恐れなかったんだと思います、サンドリオンは。それぞれがその時その時に思ったことをぶつけ合う。きっとそういうことをちゃんとやってきたんだと思います。
佐藤:隙があるという話もありましたけど、サンドリオンは周りにいる大人たちを含め、アイドルグループとしてがっつりやるというよりは、音楽を好きな人たちが彼女たちの周りに集まっていろんな楽曲を作っていたグループだったんじゃないかと思っていて。そこがアイドルとしてはそこまで作り込まれていない、バンドっぽい隙がある良さに繋がっていた気がします。
鷲崎:確かにそうかも。多分、このアーティスト写真を見てああいう音楽が出てくるとはみんな思わないんですよね。特に『märch』は、近づいてきたと思ったら逆さになってたりとか、「あれ?これレンズ越しじゃん!」みたいな驚きがたくさん入っていて、アルバム1枚を通してすごく引っ掻き回される楽しさがあって。しかもどこを引っ掻き回されたのかよくわからないからもう一度聴いてしまう。その意味では今回のベストアルバムよりも『märch』をお薦めするんですけど(笑)、見た目のイメージに捉われることなく、聴いて欲しいなと思いますね。
ーー最後に、サンドリオンのメンバーに向けてメッセージをいただければと思います。
佐藤:さっきの話と重複しますけど、これが自分たちの意志で選択している解散なのであれば、それはそれで主体性があっていいことだと思うんですよね。それを前向きに捉えて、今後も羽ばたいていってくれたらと思いますし、この選択が良かったと思える未来を作っていってくれたらいいなと思います。それと楽曲は好きなので今後も聴き続けます。
鷲崎:「前を向いて進む」の“前”がどこなのかはわからないけど、僕はその“前”を楽しみにしていますし、もし誰かが“前”に進む先で「無重力ランデヴー」を歌いたいとなったときは、ギターを弾きに行くので声をかけてください(笑)。どのメンバーのどのイベントでも行くので。
ーーお二人との共演で「星のLarme」を歌うのも良さそうです。
鷲崎:え~、難しそう。佐藤さんとはまだ一緒に演奏したことないし。
佐藤:そんなには難しくないので、多分、アコギでも弾けると思いますよ。ピアノとアコギで演奏したら楽しいと思います。
鷲崎:じゃあ一緒にやりましょう!2人とも顔に歌詞を被せながら(笑)。
■リリース情報
『SoundOrion Memorial BEST !!!!』
発売中
価格:¥3,500(税込)
<収録曲>
・DISC-1
Overture - Happiness 4 you! - Album mix
S. T. A. R. T
無重力ランデヴー - S2ver.
Familiar base - Album mix
Never give upをもう一度 - S2ver.
メグル・オモイ・メグル - SMBver.
がむしゃらリテイク - S2ver.
Go!Action - S2ver.
Imitate Fiction - SMBver.
ブランコリック - Album mix
Zodiac Sign - S2ver.
僕らのSailing!! - SMBver.
キラーチューン - SMBver.
ハッピーアイスクリーム - Album mix
告白星 - Re-arrange ver.
illuminations - S2ver.
タイムトラベル - S2ver.
・DISC-2
Overture~The Beginning of a SoundOrion's Great Adventure~
Angel Ladder
LINE LOOP - Album mix
メロン・ソーダ・フロート
ゼロイチ
Sunny Canvas
marble
コン!ソン!ドン!
カラフルイロドル
ライフ・イズ・キューティクル
Be Shine! Sound × Orion
ダッサイ
FAQ
ゆびきりの唄
星のLarme
天体図
Have a nice journey
きっと星は輝いている
君だけのオリオン
『サンドリオン Solo collection BEST』
配信限定リリース
<収録曲>
1.Angel Ladder (黒木ほの香 ver.)
2.Angel Ladder (小峯愛未 ver.)
3.Angel Ladder (小山百代 ver.)
4.Angel Ladder (汐入あすか ver.)
5.カラフルイロドル (黒木ほの香 ver.)
6.カラフルイロドル (小峯愛未 ver.)
7.カラフルイロドル (小山百代 ver.)
8.カラフルイロドル (汐入あすか ver.)
9.ゆびきりの唄 (黒木ほの香 ver.)
10.ゆびきりの唄 (小峯愛未 ver.)
11.ゆびきりの唄 (小山百代 ver.)
12.ゆびきりの唄 (汐入あすか ver.)
13.Sunny Canvas (黒木ほの香 ver.)
14.Sunny Canvas (小峯愛未 ver.)
15.Sunny Canvas (小山百代 ver.)
16.Sunny Canvas (汐入あすか ver.)
17.きっと星は輝いている (黒木ほの香 ver.)
18.きっと星は輝いている (小峯愛未 ver.)
19.きっと星は輝いている (小山百代 ver.)
20.きっと星は輝いている (汐入あすか ver.)
サンドリオンオフィシャルサイト:https://soundorion.com/
黒木ほの香 X(旧Twitter):https://twitter.com/_kuroki_honoka
小山百代 X(旧Twitter):https://twitter.com/koyamamomoyo
小峯愛未 X(旧Twitter):https://twitter.com/ami_komine
汐入あすか X(旧Twitter):https://twitter.com/_shio_asuka