日向坂46からおひさまへの最高のプレゼント “約束の彼の地”東京ドーム公演を振り返って
以降も上村ひなののキュートさが際立つ「Am I ready?」、センターの小西夏菜実を中心にメンバー全員でパフォーマンスする「雨が降ったって」とミュージカルチックな演出を交えながらライブは進行。短いMCを挟んだあと、おばけホテルの住人たちによる映像演出を交えながら楽曲が披露されていくのだが、初日は1曲ごとにこの演出が挿入されることでライブがなかなか勢い付かない印象があった。ところが、2日目はセットリストが若干変更となり、ステッキやハットを用いて過去のライブを踏襲した「真夜中の懺悔大会」のあと、一期生から三期生による観客の煽りとともに「ホントの時間」に突入。会場の熱を冷ますことなく次の映像演出〜四期生による「夕陽Dance」へとつなげたことで、勢いを緩めることを若干緩和させることに成功した。物語性を重視するがあまり、ライブの熱気を落としてしまうのは非常に勿体ない。このあたりは次回以降の課題かもしれない。
「ドレミソラシド」では空色のクリスマス衣装をまとったメンバーが、大型フロートに乗って登場。ここからの数曲は冬らしいアレンジが加えられた楽曲が連発され、クリスマスシーズンらしい空気感の中でライブは進行する。この中盤ブロック最大の見せ場は、「アザトカワイイ」を終えたあとの“おひさまへのクリスマスプレゼント”だろう。天井から大きなプレゼントボックスが降りてくると、その中から登場したのは先日卒業セレモニーを終えたばかりの丹生明里。彼女を中心に据えて「One choice」が披露されると、会場はクライマックスにも似た盛り上がりを見せる。続いて濱岸ひよりが姿を現すと、客席から悲鳴にも似た歓声が湧き上がり、濱岸とメンバーは「青春の馬」をパフォーマンス。2022年の初ドーム公演に出演できなかった濱岸にとっては、これが最初で最後の東京ドームでのステージということもあり、メンバーにとってもおひさまにとっても忘れられない瞬間になったことだろう。さらに、前日に卒業セレモニーを実施したばかりの加藤史帆も登場し、自身のセンター曲「君しか勝たん」をプレゼント。この思いがけないサプライズは、会場のファンはもちろんのこと、配信で観ていた視聴者にとっても最高の贈り物になったはずだ。
ちなみにこの3曲のパフォーマンス中、「One choice」では曲中に丹生から山口陽世へ、「君しか勝たん」では加藤から小坂菜緒へとセンターが引き継がれる演出も用意。濱岸も「青春の馬」終盤で涙を流すなど、ステージに立ったメンバーにとっても今年一番のプレセントになったのではないだろうか。