乃木坂46にとって2024年は真価が問われた1年に 梅澤美波&菅原咲月体制で迎えるグループの新章

乃木坂46『チートデイ』

 その一方で、前年よりも存在感を大きくしたのが5期生。2月には5期生初の写真集『あの頃、乃木坂にいた』(マガジンハウス)が発売、4月には『乃木坂46“5期生”版 ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」2024』が上演されるなど、昨年よりも5期生単体での活動が増えていった。乃木坂46の先輩たちも経験してきた伝統の舞台である同公演は、Wキャストでセーラームーン/月野うさぎを演じた井上和と菅原咲月を中心に躍動し、舞台方面でもキャリアを切り開いた。8月にリリースされた36thシングル『チートデイ』では、33rdシングル『おひとりさま天国』以来となる井上がセンターに抜擢。初選抜となった小川彩をはじめ、9人の5期生が選抜入りを果たすなど、5期生がグループの中心を担っていることを実感させられた。井上が座長として挑んだ『乃木坂46 真夏の全国ツアー2024』では過去最小となる32人の出演となり、全会場合わせて26万5000人を動員。「ガールズルール」における一ノ瀬美空の「神宮ラストー! 全員行くぞー!」という叫びや中西センターの「Actually...」など見どころはたくさんあったが、井上がMCで語った「みんなと一緒ならどんなところにだっていけると思います」という決意の滲んだ言葉は、今の乃木坂46の雰囲気を表していた。

乃木坂46 37thシングル『歩道橋』特典映像『Live In Hong Kong』ダイジェスト

 グループとして盤石な体制を敷く中で、今年は海外公演と10年ぶりとなるファンイベントが行われた。6月には2018年以来、6年ぶりとなる香港の地で単独ライブを行い、海外進出への足がかりを再び作り、12月には10年ぶりとなる『乃木坂46 大感謝祭2024』を開催。ミニライブに加えて、クイズ企画や軍団対抗楽曲争奪バトル、ゲームアプリ「乃木恋~坂道の下で、あの日僕は恋をした~」連動企画など、ファンイベントらしい盛りだくさんの内容となった。特に『乃木坂工事中』(テレビ東京系)以来となる佐藤楓率いる「楓さん正そう軍団」、田村真佑率いる「まゆたん協会」、弓木奈於率いる「首ンセス」の軍団対抗楽曲争奪戦バトルは見ごたえがあった。今回は10年ぶりの開催となったが、定期的に開催してほしいと願うファンも多いだろう。また、同イベントでは向井の卒業セレモニーもあわせて行われ、集まったファンとともに向井の新たな門出を祝福した。

 2024年は6期生オーディションも行われ、早くも新世代の足音が聞こえ始めている。新しく生まれ変わった2023年を経て、3〜5期生の団結力に磨きがかかった2024年。1期生と2期生の不在により心配されていたライブパフォーマンスも、乃木坂46らしさは継承しつつ、むしろ以前よりもパフォーマンスとしてのレベルは格段に向上しているようにも見える。そう思えるのも、現メンバーたちが乃木坂46にしっかりと向き合ってきたからにほかならない。6期生の受け入れ体制も十分で、2025年も乃木坂46の覇権は揺らぎそうにない。

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